浅田次郎原作は未読ですが、浅田さんの作品は好きなのでまずは映像の方を見てみました。未読ですが・・・原作文庫本は買っていたのも忘れていた存在の積読本でした・・・(しかもダンボールの中から先日発見したよ!
)
【あらすじ】
日輪の遺産 - goo 映画より引用。
終戦間近の昭和20年8月10日。帝国陸軍の真柴少佐は、阿南陸軍大臣ら軍トップに呼集され、ある重大な密命を帯びる。山下将軍が奪取した900億円(現在の貨幣価値で約200兆円)ものマッカーサーの財宝を、秘密裡に陸軍工場へ移送し隠匿せよ……。その財宝は、敗戦を悟った阿南らが祖国復興を託した軍資金であった。真柴は、小泉中尉、望月曹長と共に極秘任務を遂行。勤労動員として20名の少女たちが呼集される。御国のため、それとは知らず財宝隠しに加担するが、任務の終わりが見えた頃、上層部は彼女らに非情きわまる命令を下す。果たして少女たちの運命は?そして財宝の行方は…?
いかにも浅田次郎な、いやらしくないお涙頂戴ものでもあり、そして日本人として色々考えさせられました。勤労奉仕をしているあの女学生たちは、恐らく私の祖母と同じくらいでもあるのかな・・・と思うとフィクションとはいえ胸が痛くなります。戦闘シーンなどはない戦争モノですが、そんなシーンなんかはない・・静かだけれど熱く、そして悲しい、物語でした。基本的には私はこの手のお涙頂戴戦争ものって好きではありません。さらにいかにも日本“だけ”が悪者であるかのような描き方の反戦ものも・・・(もちろん戦争を賛美するわけでもないですし、悲惨なことは二度とあってはいけないと思っていますよ)けど、そこは浅田さんなので、そういう点では、彼の経歴からしても(もしかしたらツッコミどころもあるかもしれませんが)安心して(?)見ることができました。
マッカーサーの隠し財宝ではなく、本土決戦のための兵器を隠すということを純真に信じて勤労していた少女たち。そして、彼女たちの先生。3人の軍人。これを見たのが、学生だったら完全に女学生目線で見ているのでしょうけれど、もう少し年齢を重ねた今、時代背景が違うし、現代人の割には古いタイプと言われますがそれでも現代人なので、完全にはその当時の方たちのことや心情は分かりませんが・・・もし私がこの立場ならどうするか?ということも考えながら見ていました。
自分がもし・・という立場を一番考えたのは、少女たちではなく先生のこと。少女たちが自らの意思で自決を決意してしまい・・小泉中尉のかばんの中にあった青酸カリを奪い決行してしまった。異変を感じ、探し出して・・・最悪の結果になり、自分の目の前で苦しむ生徒を「楽にしてあげてほしい」と頼む・・・・「先生は生徒を引率しなくてはいけませんから」という言葉、最期まで生徒思いの先生の言動に号泣してしまった・・・。
そして「七生報国」すなわち「七たび人と生まれて、逆賊を滅ぼし、国に報いん」という意味の鉢巻をし、その言葉通り死しても守り抜いた彼女たち・・・・。欲をいうと、彼女たちがあのような行動をとった心情や過程をもっと描いてほしかったです。しかし、この話はフィクションであれ、当時大勢いたであろうあのような少女たちの純真な気持ち、すなわち現代の私たちへの思いを無駄にしてはいけませんね。
私はどのような理由であれ、自分で命を絶つようなことはあってはならないと思っている。生き残ったのならば、苦しいかもしれないけれど、死んだ人を弔うことも大事・・・でも、自分も先生の立場なら同じことを選ぶかもしれないと思ってしまいました・・。責任・・・ということもあるかもしれませんが、自ら決意してあのようなことをした彼女たちを死んでも守ってあげたい・・・と思うから・・・・。
日本軍は負けましたが、それでも、日本は滅びない・・・と信じて行動してきた約67年前の日本人たち・・・。今は一応平和ですし、ずっと平和であってほしいと思いますが・・・。戦争ではない状態でも、今の日本はどうなんだろうか・・・と感じてしまいました。
『壬生義士伝』も原作よりも先に映画を見て、映画がよかったので、原作を読んだのですが、原作のほうがもっとよかったので・・・これもそのパターンかもしれませんので、何年越し(ていうかいつ買ったんだ?!)に積読になっている原作を読もうと思います。あと、当時のことを生き残った人間が回想、残った少女を“守る男”というのも・・・『壬生義士伝』と同じだな~と
そして、役者陣も皆さん熱くてよかった!主役の堺雅人は相変わらず笑顔がアレですが、作戦に苦悩し・・・そして決めるところは決めるところがカッコイイ。(私・・この人は怒っている?と思っているくらいの顔つきのほうが好きです・笑)福士クンも、熱くてよかったし(ただ彼の役は日本のために意地でも生きてほしかったけど)、獅童もこの手の男らしい軍人役が似合うし、かっこいいです。ユースケは本業が何か私は分からないのですが(笑)・・・意外によくて泣かされました。そして、20人の少女たち・・・あの子は見たことあると思ったら、森迫えいちゃんなのね!
ただ・・・現代パートが・・・残念ながら、最後の最後で萎えてしまいました。おばあちゃん(八千草さん・・本当に可愛らしい女性ですよね♪)には見えてもいいと思いますけど・・・・・・・・・・孫とその婿には見えなくてもいいだろう
と!!!
そういえば、『永遠の0(ゼロ)』も映画化になりますねー。うーーん・・期待しないでおきます(苦笑)・・あの元になったのかなと思われる実話を知ってしまうと、そっちを映画化してほしいと思うのですが、それよりも『ジパング』あたりを実写映画化には、ええ、無理でしょうね・・・まあ私もアニメしか見てないんだけど