みゆみゆの徒然日記

日本の伝統芸能から映画や本などの感想、
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『神去なあなあ日常』 三浦しをん

2013年06月15日 | 本・マンガ
 今年『舟を編む』が映画化・公開されましたが、ほかにも映像化が相次ぎ話題作ばかりの三浦しをんの著書を久しぶりに読みました。『舟を編む』も気になってはいるので、そのうちに読みたいとは思っていますが、まずこちらを。「なんだ?このタイトル?」と謎に思いますよね。神去は、三重県の神去(かむさり)村のことで、「なあなあ」は、現地の言葉で「ゆっくり行こう」「落ち着け」などの意味で使われ、神去の人たちの性格も表す言葉でもあります。主人公の平野勇気は横浜の高校を卒業後、先生が勝手に就職先を決められて、神去村に林業研修生としてやってきたというところから物語が始まります。以前読んだ小説『仏果を得ず』は文楽の若手太夫を主人公にしていましたし、先日映画化された『舟を編む』は辞書編集者が主人公です。(こちらは原作本も読んでいませんし、映画も見ていませんが)作者の三浦しをんさんは、他ではなかなか注目されない職業にスポットを当てるのがうまいな~と思います。

 物語自体は、何か大きな事件が起こるわけでもありません。なんとなく過ごすつもりが陰謀で村に来てしまった勇気も劇的に変化とまではいかなくても、林業を通じて、少しずつたくましくなっていきます。お世話になっている村の人たちも個性的だけど「なあなあ」な感じがしますが、自然との向き合い方やたくましさが魅力的です。
 

 林業の仕事、神隠し、祭り・・・独特の世界を、さらっと楽しく読ませてくれるのは、三浦さんの手腕ですね!

 そして、来年には、こちらもまた視点が独特な矢口史靖監督によって映画化が決定とのことで楽しみ!!ヨキは、伊藤英明ということですが、ピッタリだと思いました!!