笠岡市にも「伊勢大神楽」は回ってくるが、
くる地区と、こない地区がある。
毎年のほぼ決まった時期に、事前に葉書が届き、家々の玄関口や庭先で演じる。
初穂料によって短時間に終わったり、長時間舞ったりする。
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「旅の民俗シリーズ・生きる」 旅の文化研究所 2017年発行
旅芸人
かつては、芸人の旅も多かった。
越後の角兵衛獅子、伊勢の太神楽、西宮のえびすかき、周防の猿まわし、
筑前の琵琶法師など広く知られている。
そのうち、太神楽と猿まわしは、
移動(旅)のかたちを変えながらも現代に伝わっている。
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「神楽と出会う本」 三上敏視 アルテス 2009年発行
伊勢大神楽
獅子頭を奉じて移動する
神楽のプロフェッショナル
伊勢大神楽は「移動する神楽」で、今でも西日本を中心にほぼ一年中檀那場(だんなば)と呼ばれる村落を巡り、
一軒一軒訪ね歩いて神楽を奉じる「回檀(かいだん)」をメインとしている。
その内容は獅子舞と放下芸(曲芸)で構成されていて、
生きた芸能史としてもたいへん貴重で、
国の重要無形文化財に指定されている。
江戸時代から伊勢にお参りに行けない人たちのために
神楽奉納の代役を務めるということで伊勢神宮のお札を持って
地域をまわり、獅子を舞わせて祈祷をし、
神社の境内などで放下芸を含む「総舞」という芸能を披露して娯楽のない村人を楽しませ、
初穂料などの収入を得ることを生業としてきた。
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大神楽
大神楽(だいかぐら)は伊勢の大神楽、太神楽の字をあてたりする。
今も、佐々木金太夫一座が町内各地に回ってきて、
獅子舞をしてかまどを清めたり、お札を配布したりする。
かつては、大きな家のかどや荒神さまの庭などで、大神楽をしていたものである。
三番叟のあと、次々といろいろな曲芸が行われた。
茶碗や皿を棒の上で回したり、鼻にのせたり、水のはいったコップを長い棒の先にのせて回したりして村人の拍手喝采を浴びた。
「鴨方町史・民俗編」 鴨方町 昭和60年発行
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撮影日・2021.11.26 岡山県浅口郡