TARAF DE HAIDOUKS / BAND OF GYPSIES
ゴールデンウィーク真只中。東京国際フォーラムでは「熱狂の日」音楽祭2007が開催されています。これはまさにクラシックのお祭り。お手軽なお値段でのコンサートが1日にいくつも行われ、それがゴールデンウィーク中続くのです。好みに合ったコンサートをチョイスしハシゴするのが楽しそうです。
さらに国際フォーラムの地上広場と丸の内周辺では、数々の無料ミニコンサートが楽しめます。私も無料ならばとばかりに金管五重奏や、ハープとヴァイオリンのデュオなどを楽しみました。でも私が一番楽しみにしていたのはタラフ・ドゥ・ハイドゥークスです。何度か来日も果たしているルーマニアのジプシー楽団です。この音楽祭は基本的にはクラシックのコンサートですが、今回のテーマは「民族のハーモニー」。そういう意味では異色ながら今回の顔とも言える、ジプシー軍団なのです。
タラフ・ドゥ・ハイドゥークスは、ルーマニアの首都ブカレストの南東、クレジャニ村出身のバンドで、色々な世代のメンバーで構成されています。デヴューは91年。映画「ラッチョ・ドローム」に出演したことから人気に火が付いたとか。現在ではジプシー音楽を代表する最強のバンドの一つに数えられているようです。
私はジプシー音楽には興味は有るもののなかなかライブにまで手が出せなかったので、無料万歳!と言わんばかりに、ついに本物のジプシーを堪能出来ると意気込んで行ってきました。
5月3日夕方4時過ぎ、東京国際フォーラムの地上広場には凄い数の人が集まっていました。そこへ、タラフ・ドゥ・ハイドゥークスの面々が登場。大所帯です。ヴァイオリンが4人いるし、アコーディオンが3人います。他にはウッドベースや笛的なもの。そして一番後ろには弦を木琴のようにバチで叩くツィンバロムと呼ばれる伝統楽器もありました。
その演奏はとにかく生半可なものではありません。「本物」とはこういうものか?と。異国情緒というよりかの地の血を感じました。それはある意味飲んだくれの音楽のようでありながら、個々の腕に染み付いたテクニックが強烈に光り、それらはまるで野放図のようでもありながら、一丸となってメロディーとリズムを押し寄せてきます。
そして歌が良い! 数人がリード・ヴォーカルを分けあっていましたが、年輪を感じさせる枯れた味わいから、脂の乗ったハリと艶のある響きまで、それぞれが素晴らしい声! 独特の情感を有楽町の空に轟かせていました。
さらに熱狂的に盛り上がるのが超高速のインスト・ナンバーの数々。これは本当に凄い! おそらくダンス・ナンバーだと思うのですが、これでどうやって踊るのか?と疑問に感じるほど、一種の曲芸のような速さで、我々日本人には手拍子するのが精一杯でした。恐るべしジプシー。
これは観光用のジプシー楽団とは違う、本物のジプシー・バンドです。こんな人達をクラシックの音楽祭に登場させてしまう主催者のセンスに脱帽です。でもジプシーの音楽はクラシックにも影響を与えたことや、今回の「民族のハーモニー」というテーマを考えれば、まさにドンピシャの人選であるかもしれませんね。
タラフ・ドゥ・ハイドゥークスは5月5日にも丸の内の特設ステージやフォーラムの地上広場に登場するそうなので、この日はタラフをハシゴしようかな?
*写真はタラフ・ドゥ・ハイドゥークスの01年のアルバム「BAND OF GYPSIES」。解説によりますとこのバンド、デビュー以来、欧米や日本では人気を博していたものの、本国ルーマニアでは一般にはほとんどその実態が知られていなかったとか。正直な話、ジプシーと呼ばれる人達の現況やその歴史、時代背景を私はしっかり理解していないのですが、少なくともルーマニア本国においては、一般人からは関わりたくない、避けられるべき人達のようです。したがってタラフ・ドゥ・ハイドゥークスの音楽も無視される結果になっていたようです。そしてこのアルバムはそんな状況を打破すべく、2000年12月に行なわれた母国の首都ブカレストでの公演を中心に収めたものです。ゲストにマケドニアのジプシー・ブラス・バンド、コチャニ・オーケスターも参加し、哀愁と興奮が交差する、血が沸き立つような演奏を繰り広げています。
こういう音楽を聴くと、その音楽の背景にある民族の歴史や時代背景を学ばなくてはいけないなと思わせられます。音楽だけ聴いてお気楽に興奮しているだけではいけませんね。反省…。
ゴールデンウィーク真只中。東京国際フォーラムでは「熱狂の日」音楽祭2007が開催されています。これはまさにクラシックのお祭り。お手軽なお値段でのコンサートが1日にいくつも行われ、それがゴールデンウィーク中続くのです。好みに合ったコンサートをチョイスしハシゴするのが楽しそうです。
さらに国際フォーラムの地上広場と丸の内周辺では、数々の無料ミニコンサートが楽しめます。私も無料ならばとばかりに金管五重奏や、ハープとヴァイオリンのデュオなどを楽しみました。でも私が一番楽しみにしていたのはタラフ・ドゥ・ハイドゥークスです。何度か来日も果たしているルーマニアのジプシー楽団です。この音楽祭は基本的にはクラシックのコンサートですが、今回のテーマは「民族のハーモニー」。そういう意味では異色ながら今回の顔とも言える、ジプシー軍団なのです。
タラフ・ドゥ・ハイドゥークスは、ルーマニアの首都ブカレストの南東、クレジャニ村出身のバンドで、色々な世代のメンバーで構成されています。デヴューは91年。映画「ラッチョ・ドローム」に出演したことから人気に火が付いたとか。現在ではジプシー音楽を代表する最強のバンドの一つに数えられているようです。
私はジプシー音楽には興味は有るもののなかなかライブにまで手が出せなかったので、無料万歳!と言わんばかりに、ついに本物のジプシーを堪能出来ると意気込んで行ってきました。
5月3日夕方4時過ぎ、東京国際フォーラムの地上広場には凄い数の人が集まっていました。そこへ、タラフ・ドゥ・ハイドゥークスの面々が登場。大所帯です。ヴァイオリンが4人いるし、アコーディオンが3人います。他にはウッドベースや笛的なもの。そして一番後ろには弦を木琴のようにバチで叩くツィンバロムと呼ばれる伝統楽器もありました。
その演奏はとにかく生半可なものではありません。「本物」とはこういうものか?と。異国情緒というよりかの地の血を感じました。それはある意味飲んだくれの音楽のようでありながら、個々の腕に染み付いたテクニックが強烈に光り、それらはまるで野放図のようでもありながら、一丸となってメロディーとリズムを押し寄せてきます。
そして歌が良い! 数人がリード・ヴォーカルを分けあっていましたが、年輪を感じさせる枯れた味わいから、脂の乗ったハリと艶のある響きまで、それぞれが素晴らしい声! 独特の情感を有楽町の空に轟かせていました。
さらに熱狂的に盛り上がるのが超高速のインスト・ナンバーの数々。これは本当に凄い! おそらくダンス・ナンバーだと思うのですが、これでどうやって踊るのか?と疑問に感じるほど、一種の曲芸のような速さで、我々日本人には手拍子するのが精一杯でした。恐るべしジプシー。
これは観光用のジプシー楽団とは違う、本物のジプシー・バンドです。こんな人達をクラシックの音楽祭に登場させてしまう主催者のセンスに脱帽です。でもジプシーの音楽はクラシックにも影響を与えたことや、今回の「民族のハーモニー」というテーマを考えれば、まさにドンピシャの人選であるかもしれませんね。
タラフ・ドゥ・ハイドゥークスは5月5日にも丸の内の特設ステージやフォーラムの地上広場に登場するそうなので、この日はタラフをハシゴしようかな?
*写真はタラフ・ドゥ・ハイドゥークスの01年のアルバム「BAND OF GYPSIES」。解説によりますとこのバンド、デビュー以来、欧米や日本では人気を博していたものの、本国ルーマニアでは一般にはほとんどその実態が知られていなかったとか。正直な話、ジプシーと呼ばれる人達の現況やその歴史、時代背景を私はしっかり理解していないのですが、少なくともルーマニア本国においては、一般人からは関わりたくない、避けられるべき人達のようです。したがってタラフ・ドゥ・ハイドゥークスの音楽も無視される結果になっていたようです。そしてこのアルバムはそんな状況を打破すべく、2000年12月に行なわれた母国の首都ブカレストでの公演を中心に収めたものです。ゲストにマケドニアのジプシー・ブラス・バンド、コチャニ・オーケスターも参加し、哀愁と興奮が交差する、血が沸き立つような演奏を繰り広げています。
こういう音楽を聴くと、その音楽の背景にある民族の歴史や時代背景を学ばなくてはいけないなと思わせられます。音楽だけ聴いてお気楽に興奮しているだけではいけませんね。反省…。