ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
現在、 フジロック ブログ と化しています。

タラフ・ドゥ・ハイドゥークス

2007-05-06 11:49:58 | ワールド・ミュージック
先日(5月3日)に有楽町で観たタラフ・ドゥ・ハイドゥークス。ルーマニアのジプシー・バンドですが、これが圧倒的に素晴らしかったため、昨日(5月5日)も丸の内、有楽町へ足を運び彼等のライブに浸ってきました。

ちなみにこれは「熱狂の日」音楽祭というクラシックの祭典の、無料プログラムです。

まずは丸の内。丸ビルの隣に作られた大きなテントが会場。ゴールデンウィークということもあり大勢の観客が集まりました。開演前、テントの中とはいえ丸の内という一種独特の空気が残っていましたが、彼等が演奏を始めるとそこはもうタラフの世界です。

アコーディオンやヴァイオリンの音色、民族楽器ツィンバロムの響き、超絶的な笛の早吹き、さらにギター、ダブルベース、クラリネットが渾然一体となって押し寄せるその哀愁あるメロディーと強烈なリズムは、おそらく彼らジプシーの生活そのものであり、だからこそ説得力を持って聴く者に迫ってくるんだと思います。

そして情感溢れる歌声! 痺れました。この丸の内でのライブは、椅子席だったためか観客が上品と言うか、おとなしかったこともあり、彼等の演奏をじっくり堪能することができました。もちろんおとなしいとは言え、タラフの熱演に曲が終わるたびに溢れんばかりの拍手で答え、相当盛り上がっていましたけどね。

そして東京国際フォーラムの地上広場です。こちらはかなり狭い円形のステージ。そのステージを取り巻くようにもの凄い数の観客が集まりました。彼等の演奏が始まると同時に大きな手拍子がおこり、さらに高速ダンス・ナンバーでは一部の観客が踊りだしました。日本人もやるもんだなと思いながら、その幾人かの何やら素人離れした踊りっぷりと、その魅せ方にステージ前はディープな雰囲気に。これにはタラフのメンバーも上機嫌でノリノリのステージを繰り広げました。この熱気こそタラフの本領発揮と言ったところでしょうか。

終演後アンコールを求める拍手が鳴り止みませんでしたが、「次の出演者の準備があるのでアンコールはありません」的なアナウンスに敢え無く終了。しかしその後フォーラムの一角でタラフのメンバー数人が軽いセッションをしているのを目撃。ギターとアコーディオンと歌のみというほんの余興のようなものでしたが、マイクを通さない歌声は、また格別な味わいでした。

その後は同じくフォーラムの広場でハンガリーの民俗音楽グループ、ムジカーシュを観ました。このバンドは知らなかったのですが、CDを何枚も出している有名なバンドのようですね。

こちらはタラフに比べれば上品でしたが、素朴且つエネルギッシュでルーツ色豊かな素晴らしいステージを繰り広げてくれました。ゲストのマリア・ペトラーシュの歌声も美しかったです! そしてここでもステージ前で踊りまくる人達が、もちろん日本人。しかもタラフの時とは違う人達で、完全に型の有る踊りを数組の男女ペアが踊っていました。くるくる回ったり、足をパンパン叩いたり。あれはハンガリー・ダンスなんですかね? でもそのダンサー達のおかげもあってか、タラフ同様の盛り上がりと熱気に溢れる最高のライブでした。

どのステージも40分程度と無料にしては充分のボリュームがあり、丸一日ヨーロッパのルーツ・ミュージックにどっぷりと浸かれました。ありがとう!「熱狂の日」音楽祭! なんだかヨーロッパの音楽にかなり興味が湧いてきてしまいました…。