CAREY & LURRIE BELL / GETTIN' UP (DVD)
7月のブルース&ソウル・カーニバルで来日するシカゴ・ブルース・ギタリスト、ローリー・ベル。そしてその父親であるハーピストのキャリー・ベル。その二人の共演ライブの模様を収めたDVD「GETTIN' UP」が先日リリースされました。
私は残念ながら今年のブルース・カーニバルには行く予定ではないのですが、もしローリーと一緒にキャリー・ベルも来てくれるのなら無理してでも行きたいと思っており、そうならないかな~という淡い期待を胸に、招聘元のM&I、ローリーのソロ・ライブ会場であるブルース・アレイ、そして私のブルース情報源「ブルース銀座」のそれぞれのサイトを頻繁にチェックしていたんです。
そして3日程前のブルース銀座のブログにエントリーされた驚愕の記事は「キャリー・ベルが亡くなりました」というものでした。絶句…。詳しいことはよく分かりませんが、6日の日曜日に亡くなられたそうです。
キャリー・ベルは1936年ミシシッピー州生まれ。56年にシカゴへ出て、69年にデルマークからデビュー。その後、恩師とも言われるビッグ・ウォルター・ホートンとの共演盤「BIG WALTER HORTON WITH CAREY BELL」や、愛息ローリーとの「SON OF A GUN」、ジュニア・ウェルズやジェイムス・コットン等との企画共演盤「HARP ATTACK」、95年の傑作ソロアルバム「DEEP DOWN」など、評価、人気共に高いアルバムを多数発表し、シカゴを代表するハーピストの一人に数えられています。70年代初頭にはマディ・ウォーターズのバンドへも参加していました。
今思えば98年のブルース・カーニバル、私はこの時キャリーを見る機会があったのですが、結局それを選択しませんでした。この頃のブルカニは日比谷野音で土日2日間の開催でした。確かこの年のトリは両日ともオーティス・ラッシュ。そして土曜日にキャリー・ベル、日曜日にサン・シールズとジョン・ハモンドが出演したのです。基本的にギターが好きな私はサン・シールズの出る日曜日を選んだのでした。ま、それはそれで仕方ないですけどね。なので私はキャリー・ベルのライブを一度も見ていないのです。
さて、このDVDです。これは昨年7月のシカゴ『ローザス・ラウンジ』、10月の『バディ・ガイ・レジェンズ』でのそれぞれバック・バンドを付けてのライブ、そして自宅での親子二人のセッションが納められています。キャリー・ベル自身は万全の体調ではなかったようですが、それでも椅子に腰掛けたままでの演奏ながら、味わい深いブロウを聴かせてくれます。年輪を感じさせる歌声も良いです。そしてローリーのギター! 少ない音数で‘ねっとり’とそして‘ドップリ’と攻めてきます。
さらに歌とギター、そしてハープの絡みがまた良いんです。これぞシカゴ・ブルースであり、まさに親子ならではの阿吽の呼吸でしょうか。「Leavin' In The Morning」のようなアップ・ナンバーも良いですが、やっぱり「Gettin' Up」や「Last Night」などのスロー・ブルースが格別。ローリーのギターが濃い!
そして自宅のソファーでの二人による和やかなセッションも、バンドでのディープさとはまた違う息づかいが感じられ、これもまたブルース! シンプルならではの深みが感じられます。
息子のギターをバックに歌い、ハープを奏でるキャリー。きっと幸せだったと思います。もちろんやり残したことは沢山あるかもしれません。でもそれはきっとローリーが受け継いでくれることでしょう。
キャリー・ベルさんのご冥福を心からお祈りいたします。
7月のブルース&ソウル・カーニバルで来日するシカゴ・ブルース・ギタリスト、ローリー・ベル。そしてその父親であるハーピストのキャリー・ベル。その二人の共演ライブの模様を収めたDVD「GETTIN' UP」が先日リリースされました。
私は残念ながら今年のブルース・カーニバルには行く予定ではないのですが、もしローリーと一緒にキャリー・ベルも来てくれるのなら無理してでも行きたいと思っており、そうならないかな~という淡い期待を胸に、招聘元のM&I、ローリーのソロ・ライブ会場であるブルース・アレイ、そして私のブルース情報源「ブルース銀座」のそれぞれのサイトを頻繁にチェックしていたんです。
そして3日程前のブルース銀座のブログにエントリーされた驚愕の記事は「キャリー・ベルが亡くなりました」というものでした。絶句…。詳しいことはよく分かりませんが、6日の日曜日に亡くなられたそうです。
キャリー・ベルは1936年ミシシッピー州生まれ。56年にシカゴへ出て、69年にデルマークからデビュー。その後、恩師とも言われるビッグ・ウォルター・ホートンとの共演盤「BIG WALTER HORTON WITH CAREY BELL」や、愛息ローリーとの「SON OF A GUN」、ジュニア・ウェルズやジェイムス・コットン等との企画共演盤「HARP ATTACK」、95年の傑作ソロアルバム「DEEP DOWN」など、評価、人気共に高いアルバムを多数発表し、シカゴを代表するハーピストの一人に数えられています。70年代初頭にはマディ・ウォーターズのバンドへも参加していました。
今思えば98年のブルース・カーニバル、私はこの時キャリーを見る機会があったのですが、結局それを選択しませんでした。この頃のブルカニは日比谷野音で土日2日間の開催でした。確かこの年のトリは両日ともオーティス・ラッシュ。そして土曜日にキャリー・ベル、日曜日にサン・シールズとジョン・ハモンドが出演したのです。基本的にギターが好きな私はサン・シールズの出る日曜日を選んだのでした。ま、それはそれで仕方ないですけどね。なので私はキャリー・ベルのライブを一度も見ていないのです。
さて、このDVDです。これは昨年7月のシカゴ『ローザス・ラウンジ』、10月の『バディ・ガイ・レジェンズ』でのそれぞれバック・バンドを付けてのライブ、そして自宅での親子二人のセッションが納められています。キャリー・ベル自身は万全の体調ではなかったようですが、それでも椅子に腰掛けたままでの演奏ながら、味わい深いブロウを聴かせてくれます。年輪を感じさせる歌声も良いです。そしてローリーのギター! 少ない音数で‘ねっとり’とそして‘ドップリ’と攻めてきます。
さらに歌とギター、そしてハープの絡みがまた良いんです。これぞシカゴ・ブルースであり、まさに親子ならではの阿吽の呼吸でしょうか。「Leavin' In The Morning」のようなアップ・ナンバーも良いですが、やっぱり「Gettin' Up」や「Last Night」などのスロー・ブルースが格別。ローリーのギターが濃い!
そして自宅のソファーでの二人による和やかなセッションも、バンドでのディープさとはまた違う息づかいが感じられ、これもまたブルース! シンプルならではの深みが感じられます。
息子のギターをバックに歌い、ハープを奏でるキャリー。きっと幸せだったと思います。もちろんやり残したことは沢山あるかもしれません。でもそれはきっとローリーが受け継いでくれることでしょう。
キャリー・ベルさんのご冥福を心からお祈りいたします。