ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
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フジロック2日目を振り返る

2018-08-03 23:42:37 | フジロック
フジロック2日目。台風は逸れたそう。

朝、会場に向かう途中、遠くピラミッドガーデンの方からコトリンゴさんの歌声が聞こえてきて、何ともいえない気持ち良さに浸った、そんなふうに始まったフジロック2日目。少し降った雨もやみ、暑い一日が始まりました。


ルイス・キャパルディ(レッド) → エスネ・ベルーサ(ホワイト) → ロベルト・カルカセース・トリオ(カフェドパリ) → アッシュ(ホワイト) → カーラ・トーマス(ヘヴン) → ケンドリック・ラマー(グリーン) → 5lack(レッド) → プリンセス・ノキア(レッド)


前日、そこそこ遅くまで遊んだ割にはしっかりレッドのルイス・キャパルディに間に合いました。UK期待の新鋭シンガー・ソング・ライター。今時珍しく、野太くシャウト気味な声で謳う彼。そのソウルフルな歌声に痺れましたね。楽曲も良いですし、シンプルなサウンドも良かった。

ホワイトをやたら盛り上げていたのはエスネ・ベルーサ。バスクの地が生むレベル・ミュージックです。そのサウンドはあらゆるリズムを地肉化した無国籍グルーヴ。これこそフジロックですよ!トラッドさを醸すアコーディオンが良い味だしてました。この後のスタークローラーも観たかったのですが、悩んだあげくに奥地へと足を伸ばすことに。

フジ最奥のステージ、カフェドパリ。ここで観たのは、初日の苗場食堂も最高だったインタラクティーヴォの中心人物によるキューバン・ジャズ・プロジェクト、ロベルト・カルカセース・トリオです。鍵盤、ベース、ドラムスのトリオが織りなすインタープレイ。やっぱりね、リズムのキレが半端ない。恐るべしキューバ。カフェドパリの極彩色と相まった異国情緒が堪らなく格好良かった!! もちろんライヴの後はポールダンスも堪能しました〜。

ホワイトに戻ってアッシュ。90年代からUKロックのど真ん中を走り続け、既にベテランの粋に達しながら、現在まで若々しい瑞々しさを保ち続ける希有なロック・バンド。デビュー作からの「Goldfinger」、懐かしかったな〜。「Kung Fu」では堰を切ったかのように観客達がモッシュの嵐。クラウドサーフィンも飛び出す盛り上がり様。新作からの「Buzzkill」も良かったですし。まあ、とにかくドライブ感とグッドメロディー横溢なロックンロールが最高でした!!やっぱロックって良いね!!

ボードウォークを歩いてヘヴンに辿り着いた頃には雨が降っていました。私もレインウェアを着用。そしてサザン・ソウル・ファン垂涎のカーラ・トーマスです。メンフィス・ソウルの女王と呼ばれるカーラ・トーマスがフジに来るだけでも凄いですが、そのバックにはチャールズ&リロイのホッジズ兄弟がいらっしゃる。ハイ・リズムですよ!!メンフィス・ソウルの数々の名盤を裏から支えた名バンドの鍵盤奏者とベーシスト。ドラムは名手スティーブ・ポッツですし。まあ、とにかくバンドの奏でる芳醇な南部ソウルが最高なんです!そしてカーラ・トーマスも思いのほか元気でチャーミング。年期の入った歌声もどこか可愛らしく魅力的。妹さんのバニーズ・トーマスも良い声を聴かせてくれましたしね。姉妹そろい踏みで歌った、お父様ルーファス・トーマスの名曲「Walking The Dog」で、盛り上がりは最高潮に。ヘヴンに本物の南部臭が香った至福の時間でした。


さて、雨の中、どっぷりと日が暮れて、いよいよこの時がやってきました。そうです、この日のヘッドライナーはケンドリック・ラマーです! 今、フジロックでケンドリック・ラマーを観る。これは凄いことですよ!! だって間違いなく、現行最重要アーティストですから。彼が今の時代を作っていると言っても過言ではないでしょう。私もヘヴンのナサニエル・レイトリフを泣く泣く諦めグリーンステージ前へと駆けつけ、さらにモッシュピットへと潜り込みました。そして映像が始まり、火柱が上がった直後に姿を現したケンドリック・ラマーの本物感たるや!! 本当に、フジロックでケンドリック・ラマーを観ている!という、夢のような光景にただただゾクゾクしましたね。演奏は生バンドによるものの、そのバンドメンバーはステージ両脇に追いやられ、セットも何も無い広いステージに、ただケンドリックが居るだけ。まるで一人芝居のようなそのステージゆえに、ケンドリックの存在感がとてつもなく大きく浮き彫りにされる。正直、ヒップホップの善し悪しなど私には分かりません。ですが、ただただ圧倒されました。やはり時代を作る男は何か違いますね。終演後も、独特の響きとグルーヴを持った彼のラップがしばらく頭を離れませんでした。あと、何処まで本気か分からない映像のシュールさもヤバかった!!


ケンドリック・ラマーの後は、どん吉パークに行ってウェスタン・キャラバンのアコースティック・ライヴを観る予定でしたが、どんどん酷くなる一方の雨のため、それは諦めました…。雨宿りも兼ねてレッドで5lack、プリンセス・ノキアとヒップホップ三昧。しかし雨はやみそうも無いので、意を決して宿への帰路へとつきました。

帰り道、雨ばかりでなく風も酷くなり、これ、台風来てるんじゃね?という疑惑を胸に、前を歩く人のポンチョが風に煽られほぼポンチョの体を成していない姿に現況の凄まじさを感じつつ、這う這うの体で宿へとたどり着きました。宿のオーナーが驚いた顔で「よく帰って来れましたね?」と言っていたのが印象的でした。

こっそり持って帰ってきたお稲荷さんが美味しかった!




フジロック2日目のベストアクト

1位 ケンドリック・ラマー
次点 カーラ・トーマス

ベストご飯

1位 KANNON COFFEE のフルーツヨーグルト
次点 プリンスホテルの生野菜サラダボウル

ご飯じゃないけど、KANNON COFFEEさんのフルーツヨーグルトは本当に美味しかった!3日間通じてベスト・オブ・ベストな美味しさでしたね。暑かったこともあり、身体がこういうドリンクを欲していたんでしょうね。ヨーグルトの酸味と生クリームの甘さ、そして凍ったフルーツ。この組み合わせ最強!! そしてプリンスホテルの生野菜サラダボウルも美味しかった。どうしても味の濃く料理されたものが中心になるフェス飯の中にあって、生野菜の新鮮さで勝負したようなこのサラダボウルは、その瑞々しさに身体が生き返りました!


その他、2日目で印象的だったこと。インターFMのブースでホットハウス・フラワーズの収録ライヴを観れたこと。トータス松本さんが出演中のアヴァロンがとんでもない人で溢れ帰っていたこと。ところ天国で念願の落語が観れたこと。アンフェアグラウンドでドラム、鍵盤、ヴァイオリンを同時演奏するめちゃくちゃ面白いパフォーマーを目撃したこと。スクリレックスを観た妻から「ヨシキが出たよ」と聞かされたこと。あれだけ雨が降ると、流石にオアシスも人がまばらになるんだなってこと。などなど。


この日、フジロックには4万人の人が集まったそうですね。正直、日本でケンドリック・ラマーってどうなんだろう?と当初は半信半疑でしたが、あらゆる意味で圧倒的な存在感でした。いよいよ日本もロックフェスという舞台で、旬なラッパーがトリをとる時代になったのかもしれませんね。この夜、そんなエポックメイキングな瞬間に立ち会えたのかもしれません。


次回は、いよいよ最終日。ボブ・ディランは笑顔だった。
























フジロック初日を振り返る

2018-08-03 08:26:38 | フジロック
フジロック初日。快晴!!


当初は、会場前に行ってゲートに並ぶか?ぐらいの意気込みだったのですが、結局、宿でのんびりしてしまって会場に着いた頃にはグリーンでモンゴル800が始まってました。

ランチョ・アパルテ(木道亭) → パーケイ・コーツ(ホワイト) → ミスターモミジバンド(アヴァロン) → アルバート・ハモンド・ジュニア(ホワイト) → ザ・テスキー・ブラザーズ(ヘヴン) → マーク・リーボウのセラミック・ドッグ(ヘヴン) → インタラクティーヴォ(苗場食堂) → ナサニエル・レイトリフ・アンド・ザ・ナイト・スウェッツ (パレス)



こんな流れ。いきなり木道程で観たコロンビアのランチョ・アパルテにやられましたね。森の小ステージで盛り上がる南米グルーヴ。木道亭の素朴な音響がまた土っぽくて良かった。こういうバンドが盛り上げてこそフジロックですよね!!

今年のフジロックは洋楽のロックバンドが少なめでしたが、初日のホワイトで、パーケイ・コーツからアルバート・ハモンド・ジュニアの流れは爽快でしたね。インディー&ガレージ臭プンプンの前者に対し、おそらく彼らに影響を与えたであろうストロークスのギタリストは意外なほどのエンターテイナーに弾けていたりと、両者ともロック魂を見せてくれました。

このホワイト2組の合間にアヴァロンで観たのが大久保紅葉さん率いるミスターモミジバンド。華やかなガールズバンド。しかしそのサウンドは本格ブルース、R&Bなんです。リーダーの紅葉さんは、お姉さんの初夏さんと共に通には知られるブルース姉妹の妹さん。いやはや、まだ若いのに喉でシャウトするタイプの素敵な声をしてらした。そして盛り上げ上手! サックスの前田サラさん、18歳という青いギタリストさんも存在感抜群でした。これはまたライヴを観てみたい!

でも紅葉さんには申し訳ありませんが、フジロック初日はここからが本番。ヘヴンでザ・テスキー・ブラザーズからの、マーク・リボーですよ!この流れは個人的にこの日のハイライト。ザ・テスキー・ブラザーズは初体験でしたが、いやこれは渋かったですね〜。オーストラリアのバンドだそうですが、シンガーさんはサザン・フィーリングたっぷりのソウルフルな歌声。そして芳醇な香り漂うバンド・サウンド。特にブルージーなギタリストさんは良かったですね〜。この米南部ソウルをそのまま復活させたような本物感、半端ありませんでした!テスキーブラザーズからバトンを受けて、夕闇迫る頃に登場したのがマーク・リボー率いるセラミックドッグ。こちらはフリーキー&アヴァンギャルド。ジャズとパンクの狭間をスリリングに駆け抜ける、マーク・リボーの鋭角的、変態的なギター・プレイもたっぷり。もちろんシャザード・イズマイリー(B)、チェス・スミス(Dr)も相当なくせ者で、トリオの織りなす音世界は、ヘヴンを真っ赤に染めた夕焼けと相まって、とんでもない異空間でした。


初日から世界やジャンルを股にかけたライヴ三昧ですが、もちろんフジロックですから、ライヴだけを観ている訳ではありません。森の中に隠れるマッドバニーを探したり、ホワイト前の河原でゴンチャンと戯れたり。山々に囲まれた木々の美しさを感じつつ、フジロックらしい遊びを堪能いたしました。タナカクマキチの舞茸天ぷらも美味しかった!!夜は贅沢にホワイトでライヴ中のオデッザをBGMに、ミラーボールが輝くボードウォークを散策したり。そして夜と言えば今年はアンフェアグラウンドですよね! 今年初めてグラストンベリーから海を渡ってフジロックにやってきた、一大アトラクション。フジロック最奥地、元オレンジ・コートのエリアに幾つもの怪しげな巨大オブジェが出現し、DJや奇抜なパフォーマー達が毒々しい世界を作り上げる。私もこの初日の夜、その世界を存分に堪能いたしました。3日間で夜にゆっくり出来そうなのは初日だけでしたので。でもゆっくりしすぎてグリーンに戻った時は、トリのN.E.R.D.が終わってしまってましたけどね…。

ただアンフェアグラウンドって、前評判の割には騒々しさに欠けるな?とも思いました。私が滞在した時間が早すぎたのかな?なにせ連日連夜、深夜2時までやっていたんですからね。でも独特の怪しさがイギリスらしくて、その雰囲気自体は大好きでしたけどね。

さて、ヘッドライナーのN.E.R.D.は見逃してしまいましたが、私のフジロック初日はまだ終わりません。苗場食堂でインタクラティーヴォです!前日の前夜祭でも観ているので今回2度目。踊らずにはいられない驚異のアフロ・キューバン・グルーヴ。しかも前夜祭より祭り感が増して大盛り上がり!苗場食堂の独特なディープな雰囲気って良いですよね〜。苗場食堂にはこの後、私も大好きなホットハウス・フラワーズも出演したのですが、それは泣く泣く断念。なぜならその時間はパレスでナサニエル・レイトリフ・アンド・ザ・ナイト・スウェッツでしたから!!

フジロック場外で怪しくきらめく不夜城パレス・オブ・ワンダー。その奥に輝くアールデコ調の移動式テントCRYSTAL PALACE TENTに登場したナサニエル・レイトリフ・アンド・ザ・ナイト・スウェッツ。2日目のヘヴンのトリを務める彼らですが、それがケンドリック・ラマーと被ってるという悲劇。私はその悔しさを、このクリスタル・パレスにぶつけたのでした。テントという密室空間に熱き南部フィーリングを充満させるロッキン・ソウル。中心人物であるシンガーのナサニエル・レイトリフの愛らしくも泥臭いパフォーマンスもさることながら、ホーン隊やオルガン奏者を擁し、ブルース・ブラザーズばりのソウル・グルーヴを繰り出すバンドも最高!!いや〜これは良いね!!!

すっかりナサニエル・レイトリフと彼のバンドにノックアウトされつつテントを出ると、名物のサーカスが始まってたり。空中を回る大きな三つの輪っかの上で飛び跳ねたり、縄跳びしたり、逆立ちしたりという、何ともスリリングな神業の連続に大きな歓声が上がっていました。深夜のパレス・オブ・ワンダーという現実離れした空気を浴びつつ、体力の限界を感じ、宿への帰路へとつきました。

思えば、グリーンのアクトを一つも観なかった初日、これにて終了。




初日のベストアクト。

1位 ナサニエル・レイトリフ・アンド・ザ・ナイト・スウェッツ
次点 ザ・テスキー・ブラザーズ


ベストご飯
1位 金六イレブンのもち豚串
次点 タナカクマキチの舞茸天ぷら

もち豚って当たりハズレありません?この日のは大当たり。脂身も多く柔らかくてジューシーでした! タナカクマキチさんはね、タイミング的にご飯を切らしてて天丼が食べられなかった。そこが減点。でも天ぷら自体は美味しかった!!!



次回はいよいよケンドリック・ラマーが登場。フジロック2日目に続く。