フジロスはまだ終わらない。フジロック・ベストアクト後編です。
第3位 ANDERSON .PAAK & THE FREE NATIONALS @GREEN STAGE
第3位は、最終日、グリーン・ステージを沸きに沸かせたアンダーソン・パックです。オープニングの「Come Down」が始まるや否や、観客達が跳ねるや踊るやのモッシュピットが揺れんばかりな大盛り上がり。バンドが繰り出すリズムのキレやバウンス感が半端ない!そしてアンダーソン・パックの歌やラップはもちろん、体全体から発せられる肉感的な黒いヴァイヴが堪らない。名盤「MALIBU」からの曲を中心に、ケイトラナダへ客演した「Glowed Up」や、ノレッジとのユニット、ノーウォーリーズから「Suede」、さらには「Glowed Up」「'Til It's Over」といった新曲を含めたセットリスト。曲によってはドラムを叩くアンダーソン・パークですが、その手数と言うか、おかずの多いドラミングがまた強烈なグルーヴを生み出していく。もちろん叩きながらラップし、歌う。そしてドラムセットから離れれば、ステージ狭しと踊る、踊る、そして観客を煽る、煽る。まさかアンダーソン・パックがこんなにもフェス映えするとは思いませんでしたね。もちろん、音楽的なパフォーマンスも最高ですよ。ヒッピホップ、ソウル、ファンクなどの間を自由自在に泳ぎまわり、独自のブラックミュージックへと昇華させる。そのアレンジも思いのままといった感じ。「The Season / Carry Me」のような本来はメロウな曲で、サークルモッシュを起こしますからね。しかしあのサークルの盛り上がりは凄まじかった!! スイートソウルな「Heart Don't Stand a Chance」や「Sweet Gidget」も最高でしたし、終盤の「Am I Wrong」「Lite Weight」のディスコっぽいバウンス感がまた格好良かった〜!!
昼のグリーンを容赦なく盛り上げたアンダーソン・パック、ロックフェスを襲った強烈な一撃でした!
01. Come Down
02. The Waters
03. Glowed Up
04. Bubblin'
05. The Season / Carry Me
06. Put Me Thru
07. Heart Don't Stand a Chance
08. Sweet Gidget
09. Room In Here
10. 'Til It's Over
11. Suede
12. Am I Wrong
13. Lite Weight
第4位 KENDRICK LAMAR @GREEN STAGE
第4位はケンドリック・ラマーです。思えば、遡ること2月9日、出演アーティスト第1弾発表のその時、渋谷MODIにケンドリック・ラマーの名が映し出された瞬間から、今年のフジロックはケンドリック・ラマーの年になると約束されていた訳で、私もそういう思いで、フジロックのこの時を待ちわびていたのです。そして土曜のヘッドライナー、ついにケンドリック・ラマーがフジの舞台に降り立ちました。オープニングの映像から火柱がドーン!と上がり、ケンドリックが登場した時の、あの本物感たるや!!まさに今、フジでケンドリックを観ている!!というゾクゾクが止まりませんでしたね。バックの生バンドが最新のブラック・グルーヴを繰り出すなか、あの独特な声ですよ!英語がわからなくても、ヒップホップを知らなくても、その声の響きがリアルな何かを訴えかけてくる。しかも彼の声って、なんか中毒性ありますよね? シンプル故に彼のオーラとか存在感が際立つステージもとてもアーティスティックに映えていましたし、巨大ビジョンに映し出される、シュールなカンフー・ケニーの物語と、ステージ上で笑顔を見せないケンドリック・ラマーの対比も、不思議な世界観を生み出していました。めちゃくちゃクールなヒップホップでありつつ、エンターテイメントとして圧倒的な迫力で迫ってくる。これをフジロックで観る。新しい時代を感じさせられましたね。「Alright」や「HUMBLE.」はもちろん、アンコールでやったブラックパンサーからの「All the Stars」は特に印象的でした。
01. DNA.
02. ELEMENT.
03. King Kunta
04. Big Shot
05. Collard Greens
06. Swimming Pools (Drank)
07. Backseat Freestyle
08. LOYALTY.
09. Money Trees
10. XXX.
11. m.A.A.d city
12. LOVE.
13. Bitch, Don't Kill My Vibe
14. Alright
15. HUMBLE.
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16. All the Stars
第5位 CARLA THOMAS & HI RHYTHM W/VERY SPECIAL GUEST VANEESE THOMAS @FIELD OF HEAVEN
第5位はカーラ・トーマス!! まさかのフジにやってきたクイーン・オブ・メンフィス・ソウルです。サザン・ソウルを生みだしたレーベル、スタックスの草創期から活躍し、そのオリジネーターの一人であるルーファス・トーマスを父に持つカーラ・トーマスですよ!! ハイ・リズムのリロイ&チャールズのホッジズ兄弟を擁する極上バンドと共に、スタックス時代の名曲を連発したカーラ・トーマス。ヘヴンが本物のサザン・ソウルの香りに包まれました。
その思いのほか元気で、チャーミングだったカーラ・トーマスのレポは、また後日、ちゃんと書きますのでお楽しみに。
次点、NATHANIEL RATELIFF & THE NIGHT SWEATS @CRYSTAL PALACE TENT
今年のフジで最も楽しみにしていたバンドの一つ、ナサニエル・レイトリフ・アンド・ザ・ナイト・スウェッツ。深夜のパレスという密室空間を南部なフィーリングで充満させたそのステージは最高でした。でもやっぱりヘヴンのトリを観たかったですね〜。ま、ケンドリックと被っていたんですから仕方ありません。でもナサニエル・レイトリフのどこか愛らしくも暑い南部魂、最高でしたね。あとバンドも良かった!!
他にもTHE TESKEY BROTHERS、MARC RIBOT'S CERAMIC DOG、ROBERTO CARCASSES TRIO などが良かったです。あと、ルーツでもブラックでもありませんが、エレクトロポップのCHVRCHESも最高でしたね。
さて、今年のフジロックはブラック・ミュージックが豊作でしたね。レジェンドから、現在を代表するアーティストまで。やはり、ケンドリック・ラマーとアンダーソン・パックのインパクトは鮮烈で、どちらを上位にするか悩みました。その重みを考えケンドリックに軍配を上げたいところでしたが、単純にどちらが興奮したか?って考えると、やはりアンダーソン・パックなんですよね。もちろん、ファンクやソウル色が濃いという好みの問題が大きいですけど、新感覚のブラック・ミュージックとしても、アンダーソン・パックの方がピンと来ちゃったんですよね〜。
という訳で、「ルーツな日記」的、フジロック・ベストアクト、いかがでしたか? ま、あくまでも個人的な趣味の話ですけどね〜。フジロックには参加された方それぞれのベストアクトがある。それがまた面白いのです!!
ベストアクト第1位、第2位はこちら↓
フジロック ベストアクト 第1位
フジロック ベストアクト 第2位