徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

原点/ジャガーの眼2008

2008-10-13 02:41:03 | Movie/Theater
三鷹の森ジブリ美術館横の木もれ日原っぱで、唐組公演「ジャガーの眼2008」。
80年代半ば、オレが初めて唐十郎の芝居を観たのは、NHKで放送された状況劇場の「ジャガーの眼」だった。舞台中継とはいえ鮮烈なイメージを残して、オラ東京さ行って芝居観るべ! と決意したのは言うまでもない。上京してから下北沢で観たのは新宿梁山泊と(当時の)WAHAHA本舗だったのだが。
今回は「2008」と銘打ち、あの頃とはすっかりキャストも(もちろん唐さんも)変わっているけれども、全編に溢れるテラヤマへのオマージュ、あのときを呼び覚ますようなイメージはそのままに感動的な舞台でありました。
ストーリーや意味だけを追ってもたぶん無駄に疲れるだけだ。テラヤマの戯曲は書籍で読んでも面白いけれども、やはり唐さんの戯曲は読むよりも舞台で観たら数千倍は面白い。
このあと同所では18日、19日と公演が行われ、10月24日~26日にかけて雑司ケ谷・鬼子母神へ公演は続く。これは観ておいた方がいいです。

もう7、8年前だったと思うけれども、ある公演が出演者の急病で急遽中止になったことがあった。そんなことも知らずに新宿西口の原っぱに建てられた赤テントへ行くと、唐さん自らが雨の中、先頭に立って来場者に謝罪をしていた。あの姿が忘れられない。身体を張った表現者ってのはそういうもんだよね。
近々にナカスでもオファーしてみたいと思いますです。

終演後、酒が呑みたくなったので久々にgate oneにでも行こう…と思ったら今日はクローズだったので、スケジュールを確認してみたら中野で梶原まり子さんと大口純一郎さんがライブをやっているようなので顔を出す。痺れた足を引きずって中野のセロニアス。結局気がつけば信二さんを始めgate oneファミリーが店に集まっていて、これじゃあgate oneで呑んでるのと変わんないのであった…終電まで。

唐さんの芝居を観て、大口さんたちのJAZZを聴くと、まあ人間いろいろあるんだけれども、昨日と今日は違うし、今日と明日はやはり違うのだと前向きに信じられたりするのであった。