徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

現在地/第32節 柏戦

2011-11-21 23:51:55 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス11~14


日曜日はアウスタで柏戦

開幕戦を思い出す。
スコアを思い出せば確かに内容的にボロボロだったような気もするのだけれども、印象としてはそれほど内容が悪かった記憶はない…のだが、その当時のブログを読み返してみたら、やっぱり内容もボロボロだった。
しかもゲーム終了後、ゴール裏では殴り合い寸前の口論も起こっていた。ネット上ではチームやゴール裏への批判が巻き起こり、オレのブログの内容はそれに対する反論で終始していた。
ほんの2ヶ月前にチームは完全に崩壊し、新しい指揮官、新しいメンバーでチームは始動したのだ。一方、仮にJ2から昇格したチームだからと言って柏は、かつての広島のように、川崎のように、浦和のように、チーム作りを前提にして昨年のシーズンを圧倒的な強さで戦い抜いてきたクラブなのである。「準備の差」は当然のように圧倒的になる。
オレは後半の途中からずっとリバイブを歌い続けたゴール裏を支持し、擁護した。
(不本意とはいえ)1年間をかけてチームを作り準備してきた柏と、たった2ヶ月しか準備できなかった清水の対戦である。彼らを支えるゴール裏に、それ以外に何ができるんだって言うんだ、てなもんである。シーズン開幕から、オレたちにはかなり悲壮感が漂っていたわけだけれども。
ただし、その翌週、次節鹿島戦の前日に「3.11」が起こり、いろんな意味で状況は一変してしまった。

あれから8ヶ月、その後も優勝争いを引っ張り続けた柏と、チームが一変し、出来不出来の波が大きいものの高いポテンシャルを発揮し始めた清水。ビッグゲームになるのは当然なのである。これほど待ち焦がれたゲームもなかった。
前日の台風のような天候から一変、雲ひとつない快晴で、日差しは強いもののスタンドには少し強めの、爽やかな風が吹き抜ける。キックオフ直後から水分補給をするプレーヤーが多く、スタンドで見ている以上にピッチ内のコンディションは良くなかったのかもしれない。

前半終了間際にボスナー砲が今回も炸裂し、実に良い時間帯に先制した。幾度となくエダがシュートを外していたとはいえ、際どいゴールチャンスも少なくなかった。中盤のプロフェッショナルであるエダがいたからこそ中盤のバランスが取れ、アンカーのキャラも効果的だったとはいえる。
さらにハーフタイムを挟んた後半序盤までは元紀の時間帯で、微妙なPKの判定を除いたとしても、柏GK菅野と1対1という決定的なチャンスがあった時間帯に追加点を決めていればゲームの流れは、そのまま清水に傾いたことだろうと思う。
元紀が菅野との1対1を外し、アフシンのいう元紀への「1000%PK」が取られず、そして後半12分でエダが交代したことで流れは急速に傾いていく。柏のストロングポイントは8ヶ月前と変わらず、セットプレイとブラジル力を存分に生かしたカウンターなのだが(実に一時期の川崎っぽいのだが)、それを真正面から受けてしまった。

キャラ「何か中盤がないような感じで『5人のアタッカーと5人のディフェンダーでやっている』感じで、自分にとって、それをカバーするにはあまりにもスペースが大きかったと思います。相手の2人のブラジル人がワイドに張っていたプレイヤーが自分の両サイドに来てしまった。20m行って今度は40m戻ってというを何度も繰り返したので」(Sの極み 11月21日付)

結局ホームで久々の黒星、逆転負けを喰らってしまったわけだけれども、実は、自分としては結構さばさばしたものだった。
もちろん悔しいですけど。
前半は清水のゲームともいえたし、後半半ばまではぎりぎりの攻防を続けていたわけだし、細かいミスや下らないセルフジャッジが散見されたものの、いいゲームだったことは間違いなく、あの開幕戦から8ヵ月後の現在地を見たような気がしたのだ。
いや、もちろん悔しいですけど。
この敗戦で、気分的にシーズンは実質上終了した。何か、それぐらいの勢いでアウスタに来たのだから当然といえば当然なのだ。
ゲームが終わってから酒場に行って呑みながら、何だかよくわからないのだけれども泣いた。それは去年の今頃を思い出しながら、「現在地」を確認した喜びなのかもしれない。本気でアフシンに感謝の手紙を書きたいぐらいである(たぶん書く)。
そして、柏は2011年の優勝に相応しいチームだったよ。

今シーズンも残りは2ゲーム。あとは鹿島、磐田、広島と賞金圏内の順位を争うだけである。
とはいえ、不倶戴天の敵である鹿島に負けるわけにはいかない。ホーム、そしてシーズン最終戦は健太の監督就任が噂されるガンバである。ほぼ退任が決定的な西野朗にはきっちりと引導を渡しておきたい。
まずは来週土曜、カシマスタジアムで鹿島戦。