徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

行間/「思考論理学 考えるワシ」「大人の学校 卒業編」

2011-05-26 20:34:29 | Osamu Hashimoto
<で、いまっていうのはさ、「自分は絶対だ」と、ものを考える人はみんなどっかでうっかり思ってるからさ、「自分は絶対だ」と思ってしまうと、その周りは具体的なディテールなんか、どうでもよくなっちゃうんだ。自分自身の真実の前に比べりゃ、ごみのようなディテール、ごみのようなリアリティ、と思うんだろうけれども、でも“自分の真実”だって、ごみのようなリアリティの一つかもしれない――はたから見ればね、っていうことってあるわけよ。
 そして、それをそのまんまにしとくと、「向こうもごみ、こっちもごみ、どうせね」ってことになっちゃう。「自分は自分で、なんか確かなものでありたいぞ」と思ったときにどうやるのかっていったら、「自分がいて、周りのディテールがあって、周りのディテールがこんなにでっかく広がるくらいに豊かさを持っているんだとしたら、自分の中にもそれと対応するものはあるだろう。自分の中にも、言葉になってないけれども“具体性”というものがあって、その具体性は、未来で開いていくんだから、それを“行間”という形で保留にしといてもいいな」となるしかないの。>(橋本治『思考論理学 考えるワシ』マドラ出版1992「第二講 行間の読み方」/共著『大人の学校 卒業編』静山社文庫2010)


大人の学校 卒業編 (静山社文庫)
橋本治, 杉浦日向子, 中沢新一, 養老孟司, 天野祐吉
<橋本思考論理学、杉浦江戸学、中沢宗教学、養老生死学、天野社会学を公開。単行本五冊分が一冊に、極上の知のエッセンス。>

登録情報
文庫:368ページ
出版社:静山社;初版(2010/11/9)
ISBN-10:4863890761
ISBN-13:978-4863890763
発売日:2010/11/9
商品の寸法:14.8x10.8x2.6cm

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