●宇宙探査●月と火星を第2の地球に!―SPE―         科学技術研究者   勝 未来

                 ~各国は月と火星の探査計画を着々と実行に移している~   

●宇宙探査●大林組、「宇宙エレベーター建設構想」をホームページ上の動画で紹介

2013-12-19 11:28:34 | 宇宙エレベーター
 東京スカイツリーの施行の実績がある大林組は、建設の視点から、宇宙エレベーターの持つ可能性を探求している。既に同社は、2050年に地球と宇宙をつなぐ「宇宙エレベーター建設構想」を発表しているが、同社のホームページ上でこの「宇宙エレベーター建設構想」を動画で紹介している。

 この動画では、海上に浮かぶ地球側のステーション、アース・ポートから、宇宙エレベーターに乗って、上空3万6,000kmの静止軌道ステーションへと向かう様子などを紹介している(動画再生時間:約2分)。

 地球と宇宙の間をケーブルでつなぎ、電車に乗るように気軽に宇宙へ行き来ができる宇宙エレベーターが実現すれば、宇宙太陽光発電、宇宙資源の探査や活用、宇宙環境旅行など、さまざまな分野での可能性が広がっていくことに繋がる。

 地球上に構築する限り、建設物は自重によって壊れる限界点がある。しかし、9万6,000kmかなたの宇宙へと伸びる宇宙エレベーターは、理論的には実現可能といわれている。大林組は建設の視点から、宇宙エレベーターの持つ未来への可能性を探求している。

 ケーブルの長さは9万6,000km。これだけの長さがあると、クライマー(乗り物)を取り付けただけで、ケーブルは100km以上も伸びてしまう。また、風などの影響で地球側の末端は10km単位で揺れ動く。しかも、絶妙なバランスで宇宙空間に「立って」いるケーブルのバランスが崩れると、地球側に落下もしくは宇宙の果てまで飛び去ってしまう。このような条件のもと、どのようにすれば安全を確保しながら施工できるのか。

 同社では、2025年に地球側のステーション「アース・ポート」の建設を始めれば、2050年には完成するとしている。総経費は約10兆円を見込んでいる。



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●宇宙探査●「第5回宇宙エレベーターチャレンジ」、高度1,200mへのバーティカルテザーの展開に成功

2013-10-07 13:19:56 | 宇宙エレベーター
 
 宇宙エレベータ協会主催の「第5回宇宙エレベーターチャレンジSPEC2013」(8月7日~10日)において、昨年度実現できなかった高度1,200mへのバーティカルテザーの展開に成功、その上を1km以上の位置まで安全に昇降するクライマー走行が行われた。

 同時に、低高度テザーと高高度テザーの同時運用、MP(Measurement Payload:計測ペイロード)による昇降データの獲得、油圧ブレーキを使ったワインダーの操作など、当初課題としていた全ての項目を実施できた。

 また、チャレンジ実施期間4日間に加え準備/撤収を含めた8日間にわたり、全ての作業や昇降が安全に実施され、100%の成功と言って良い成果を上げた。







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●宇宙探査●実現へ向けてのチャレンジが続く「宇宙エレベーター」

2013-02-24 17:06:23 | 宇宙エレベーター
  「宇宙エレベーター」をご存じであろうか。静止衛星から地球の方向に向けて、カーボンナノチューブのケーブルを延ばし、地球まで繋ぐ。そのケーブルにエレベーターを固定し、人や物資を静止衛星へ運ぶ。こんな夢のようなシステムなのである。その夢を現実にするため、既に宇宙エレベーター協会が発足しており、具体化に向けてのチャレンジがスタートしている。ここでは同協会の資料から宇宙エレベーターの概要を見てみよう。

 宇 宙エレベーターの原理は、静止衛星と同様である。静止衛星から地上に向けてテザー(ワイヤーやリボン状の紐)をたらし、このテザーをどんどん伸ばして地上 に近づけていく。ただ、そのままだとテザーの重さで全体の重心が地球に近くなってきて落ちてきてしまうので、地球と反対側にもテザーを伸ばしてい くことにする。いつも全体の重心が上手く釣り合うように両方に伸ばし続けると、最後には地球に伸ばしたテザーは地上に届く。

 1991年に日本のNECの飯島博士がカーボンナノチューブ(CNT)を発見したことで、宇 宙エレベーターの実現の可能性が出てきた。CNTは理論上、宇宙エレベーターを 建設するのに必要な軽さと強さを持っているからだ。強度のあるCNTの量産は、現在、世界中の研究機関で研究されており、今後、引っ張り強度の高いテザーの材料を作り出 すことは可能だ。

 現在のロケットはその重量のほとんどが燃料である。打上げ前のスペースシャトルが29tの貨物を低軌道に打ち上げるのに用いる燃料は1,900t、その効率 は1.5%ほど。輸送コストは低軌道に1キロ170万円ほどとなり、日本のH2Aの場合では貨物1キロあたり105万円といわれている。
 
 一説によると最初の宇宙エレベーターの 建設に必要なコストは1兆円と言われている。宇宙エレベーターのモデルでは、モーターを使って上昇する ことになっているので、ロケット燃料等の準備が不要で、20tほどの貨物を頻繁に上昇させることが可能。仮に年間50回ほどの上昇が行えたとすると、1 キロあたり1万円、年間100回だと5,000円と、ファーストクラスで一人が太平洋を横断するのと同じくらいになってくる。2機目、3機目、4機目という具合に建設 コストを削減すると、どこかで頭打ちになるとしても、1キロあたり約1,000円程度まで下がってくる可能性がある。

 以上が宇宙エレベーター協会が描くシナリオの概要である。宇宙エレベーターによって静止衛星まで行き、静止衛星から月を目指す、というような時代が将来到来するのであろうか。興味深いチャレンジではある。
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