宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、ドイツ航空宇宙センター(DLR)と新たな協力分野について以下のような共同声明を発表したが、この中で、「りゅうぐう」の次のミッション「DESTINY+」を計画中であることを明らかにした。
1. 両機関は、衛星による温室効果ガス(GHG)観測データの精度向上と同データの利用を共同で促進し、気候変動問題に対応するための政府レベルの取り組みや気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の議論に貢献することで、パリ協定の効果的な実行に寄与する。
2. 両機関は、国際宇宙ステーション(ISS)を含む微小重力環境を最大限に活用していく。また、地球低軌道以遠の宇宙探査における将来の協力可能性についても検討する予定。2018年3月3日に日本政府が主催する第二回国際宇宙探査フォーラム(ISEF2)は、宇宙探査のための国際協力に関し実り多い対話促進に関する意見交換ができる重要な会合になる。
3. 両機関は、惑星科学の分野でさらなる協力の可能性を検討する。JAXAとDLRの象徴的な協力であり「りゅうぐう」に向け飛行中の「はやぶさ2」にはMASCOTが搭載されており、2018年夏には目的地に到着予定。これに続くミッションとして、JAXAは、「DESTINY+」と命名したミッションを計画中であり、小型・軽量化された機器や高性能イオンエンジンにより、将来の深宇宙探査技術の実証を目指す。また、このミッションは地球に生命居住をもたらした過程の理解も目指す。生命の必須物質である有機物を含む惑星間ダストの実態解明のために、JAXAは活動小惑星である「フェイトン」をフライバイ観測する機器の開発を計画しており、DLRは、ドイツが長年に亘り世界に優位性を誇るダスト質量分析装置の提供に関心を示している。