宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」の船外プラットフォームにおける軌道上利用サービスを提供する事業者について、平成30年12月5日より公募型企画競争を実施し、厳正なる評価の結果、Space BDを選定した。
選定された事業者は今後、独自の営業活動を開始し、2020年4月より、部品・コンポーネント実証実験や地球観測ミッション等のために「きぼう」を利用したい国内外のユーザに対して、軌道上利用サービスの提供を行う。
JAXAでは「きぼう利用戦略」に基づき、「きぼう」の利用事業について、民間等による事業自立化(民間への開放)を目指しているが、今回、超小型衛星放出事業の民間開放に続く第2弾となる。
2016年、JAXAは船外実験プラットフォームに取り付ける中型曝露実験アダプター(i-SEEP)を開発し、2016年に運用を開始した。これは、従前より手軽に宇宙実証が可能な船外実験プラットフォーム化(利用機会の高頻度化、定時化)を目指し、ISSにおいて「きぼう」だけが持つ強みであるロボットアーム及びエアロックの両機能を活かしたもの。
これまでのi-SEEPの利用例としてはJAXAの技術開発ミッションとして実施した民生品ベースのハイビジョンカメラや小型ホイールの軌道上実証、ソニーコンピュータサイエンス研究所による光通信軌道上実証(今後予定)、Space BD及びスペイン宇宙ベンチャーSatlantis社による小型衛星向け双眼鏡の軌道上実証(今後予定)などがある。
これまでJAXA単独での有償利用サービスを提供してきたが、今後は軌道上利用サービス提供事業者が、民間ならではのアイデアやサービスにより、国内外に広く独自のサービスを提供することで更なる船外の利用需要を拡大することが期待される。