宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、次世代ロケット「H3」初号機の打ち上げ失敗の原因を、最終的に次の3つに絞り込んだ。
① エキサイタ内部で軽微な短絡、SEIG後に完全に短絡
② エキサイタへの通電で過電流状態が発生
③ PSC2 A系内部での過電流、その後B系への伝搬
これまでの原因究明活動の中で、検討の網羅性を確認しながら、上記①~③のシナリオについて様々な条件で再現試験等を実施してきた。
その結果、故障発生のメカニズムが部分的にではあるが再現しており、各メカニズムの更なる詳細検討や試験により、これらのいずれかが要因となりエキサイタもしくはPSC2が損傷することにより2段不着火事象が発生したと判断した。
以上を踏まえ、エキサイタおよびPSC2に対して対策を行うことで再発を防止する。
今後、これらの対策をH3ロケットの設計に反映させ、H3ロケットの信頼性を向上させるための設計変更について検討を進め、2号機の早期打ち上げを目指す。