ビルボード・チャート日記 by 星船

1970年代から80年代にかけての特にビルボードのチャートを中心に、洋楽を愛する皆さまにお届けするブログです

1983年1月22日付 ビルボード 全米 Top40 Don Henley - Dirty Laundry

2019-01-20 21:22:37 | 1983年ビルボードTop40
1983年1月22日付ビルボード All American Top40、2週目の1位はMen at Workの"Down Under"。オーストラリア出身の彼ら、初めてのワールド発売アルバムからのファーストシングルで1位を獲得した"Who Can It Be Now?"に続く2曲連続の1位獲得、新人で2曲連続の1位という快挙です。

前週と変わらずこれで3週目の2位はMichael Jackson and Paul McCartneyの"The Girl Is Mine"。Paul McCartney、Stevie Wonderとのスーパースターデュエット"Ebony and Ivory"に続くスーパースターとのコラボでの大ヒット、Michael Jacksonとしては1979年の3週間のNo.1ヒット"Rock With You"以来のヒットです。
3位も前週と変わらずこれで3週目の3位、Don Henleyの"Dirty Laundry"。ご存知イーグルスのDon Henley、この時は残念ながら元イーグルスですね。この年にイーグルスは解散を宣言、メンバーはソロ活動に入ります。そのDon Henley、初めてのヒット曲が4位まで上がってきました。ただ、ビルボードのチャートでは、Stevie Nicksの"Leather And Lace"が1982年2月に6位まで上がっていますが、この曲にはStevie Nicks with Don Henleyとなっていますので、解散後のヒットは2曲目となります。
4位は5位からアップ、Marvin Gayeの"Sexual healing"。長いキャリアを持つソウル界のスーパースターMarvin Gaye、1977年のNo.1ヒット"Got to Give It Up, Pt. 1"以来久し振りのTop40ヒットでTop5入りです。
5位は7位からアップ、TOTOの"Africa"。TOTOですが、皆様ご存知だと思います、デヴィッド・ペイチ、スティーヴ・ルカサーなど凄腕スタジオミュージシャンが結成したスーパーバンド。デビュー曲"Hold The Line"が5位を記録、そして"Rosanna"が前年の1982年に2位を記録、この曲で3曲目のTop5ヒットです。

この週3週目の3位はDon Henleyの"Dirty Laundry"。最高位は3週続けた3位。年間チャートは48位。ソロでは初めての大ヒットです。

Don Henley、もちろん皆さんご存知The Eaglesのメンバー。残念ながらイーグルスは1980年に活動を停止、1982年に解散を発表していますので、この時には元イーグルスです。
イーグルスは、あまりにも偉大なアルバム『ホテル・カリフォルニア』を発表した後、行き詰まってしまったのですね、解散は仕方なかったのかもしれません、バンドメンバーは80年代に入り、すでに脱退していたランディ・マイズナーを含め、個々にソロ活動を始め、個々の成功を収めています。
イーグルスはその時から約10年後の1994年、ソロ活動が一段落したのでしょう、再結成し新曲を含むライブアルバム『ヘル・フリーゼズ・オーヴァー』を出してくれました。よかったです。

Don Henleyもソロ活動としては、Stevie Nicksのソロアルバム『Bella Donna』に参加、"Leather And Lace"が1982年2月に6位を記録しています。
そして初のソロアルバム『I Can't Stand Still』が1982年8月にリリースされました。実はそのアルバムからの初めてのシングルは"Dirty Laundry"ではなく、"Johnny Can't Read"、この曲はビルボードではTop40には入らず最高位は42位どまり、ドン・ヘンリーのソロアルバムは空振りだったのか?と思っていたところ、この曲"Dirty Laundry"が大ヒット、一安心したものでした。

"Dirty Laundry"の作者はDon HenleyとDanny Kortchmar、Danny Kortchmarといえばウエストコーストロック界では有名なセッションギタリストでありソングライターです。Don Henleyはもちろん、Linda RonstadtやJames Taylorなど、数々の大物シンガーと組んで曲を生みでしています。
イーグルス時代とは全く曲調が違いますが、彼のやりたい音楽を自由にやって作ったのがこのアルバムだったのですね。


ソロアルバムからのファーストシングル"Johnny Can't Read"です。私は"Dirty Laundry"よりもこの曲の方が好きなんです。


今週 先週 song / artist
1 1 DOWN UNDER / MEN AT WORK
2 2 THE GIRL IS MINE / MICHAEL JACKSON & PAUL MCCARTNEY
3 3 DIRTY LAUNDRY / DON HENLEY
4 5 SEXUAL HEALING / MARVIN GAYE
5 7 AFRICA / TOTO
6 4 MANEATER / DARYL HALL & JOHN OATES
7 8 BABY COME TO ME / PATTI AUSTIN & JAMES INGRAM
8 9 ROCK THE CASBAH / CLASH
9 6 MICKEY / TONI BASIL
10 10 HEARTBREAKER / DIONNE WARWICK
11 12 YOU AND I / EDDIE RABBITT
12 16 SHAME ON THE MOON / BOB SEGER & THE SILVER BULLET BAND
13 15 YOU CAN'T HURRY LOVE / PHIL COLLINS
14 14 THE OTHER GUY / LITTLE RIVER BAND
15 11 GLORIA / LAURA BRANIGAN
16 17 HEART TO HEART / KENNY LOGGINS
17 19 GOODY TWO SHOES / ADAM ANT
18 18 THE LOOK OF LOVE / ABC
19 20 HAND TO HOLD ON TO / JOHN COUGAR
20 23 ALLENTOWN / BILLY JOEL
21 21 YOU GOT LUCKY / TOM PETTY & THE HEARTBREAKERS
22 22 LOVE IN STORE / FLEETWOOD MAC
23 25 STRAY CAT STRUT / STRAY CATS
24 24 I DO / J. GEILS BAND
25 27 YOUR LOVE IS DRIVING ME CRAZY / SAMMY HAGAR
26 29 HEART OF THE NIGHT / JUICE NEWTON
27 31 PASS THE DUTCHIE / MUSICAL YOUTH
28 13 STEPPIN' OUT / JOE JACKSON
29 - ALL RIGHT / CHRISTOPHER CROSS
30 32 SHOCK THE MONKEY / PETER GABRIEL
31 35 DO YOU REALLY WANT TO HURT ME / CULTURE CLUB
32 34 WHAT ABOUT ME / MOVING PICTURES
33 37 SPACE AGE LOVE SONG / FLOCK OF SEAGULLS
34 53 HUNGRY LIKE A WOLF / DURAN DURAN
35 49 YOU ARE / LIONEL RICHIE
36 43 TWILIGHT ZONE / GOLDEN EARRING
37 40 BAD BOY / RAY PARKER JR.
38 38 TWO LESS LONELY PEOPLE IN THE WORLD / AIR SUPPLY
39 39 MEMORY / BARRY MANILOW
40 42 PUT IT IN A MAGAZINE / SONNY CHARLES

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25 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
確かにビックリ (hannah)
2019-01-20 21:57:49
星船さん、こんばんは。
D.Henleyのこの曲は、確かにまさかの大ヒットでした。
1st Singleの♪Johnny Can't Read♪(なぜかジョニーの青春)の不発を思うと、うれしくもありビックリでした。
Eagles時代にはなかったちょっと重々しい曲です。
ところで、♪Johnny Can't Read♪の最後の部分に♪There's a new kid in town♪て歌ってますよね。
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"Johnny Can't Read" (星船)
2019-01-20 22:46:03
hannahさんこんばんは。
ファーストシングル"Johnny Can't Read"は良い曲で、イーグルス大ファンの私としては大ヒットになると信じていたのですが、空振ってしまい心配していたところのこの曲の大ヒットでした。
最後のところで確かに「There's a new kid in town」と言っていますね。どんな歌詞なのでしょうか?
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ジョニーの子守唄 (音時)
2019-01-21 00:35:21
http://neverendingmusic.blog.jp/archives/15438463.html
星船さんが「ジョニーの青春」の方が好きとのことなので和訳はこっちにしました。ドンの曲のなかでもなかなか変わった曲でしたよね。陽気なキーボードはアンドリュー・ゴールドが弾いてますよ!"ニュー・キッド・・"のフレーズが出てくるのはドンのおふざけと思いますが、おそらく"Johnny come lately"という歌詞が"ニュー・キッド・・・"に出てくるから「ジョニーつながり」で歌ったんじゃないかなと推測されます(^▽^;)
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アンドリュー・ゴールドのキーボード (星船)
2019-01-21 20:18:12
音時さんこんばんは。
そうなんですか、こういう歌詞だったのですね。
そういえば「ニュー・キッド・イン・タウン」にはジョニーが出てきますね。
hannahさんへのコメントの中で「どんな歌詞なのでしょう?」、と書きましたが、実は音時さんが和訳してくれないかなぁ、と期待していました。ありがとうございました。
冒頭のキーボードのインパクトが強い曲なのですが、それがあのアンドリュー・ゴールドだったとは、これもまた驚きました。
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星船さんへ (ミュウ)
2019-01-21 20:25:46
こんばんは。
実はこの時期のドン・ヘンリーは全く聴いていなかったので、新鮮な気持ちで聴きました。
イーグルス時代とは全然違うんですね。
まさに自由にやりたいことをやっているという印象ですね。
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何度も言いますが。 (実験鼠)
2019-01-21 20:49:27
これ書くの3回目だと思いますが、「Dirty Laundry」ってこんなにヒットしていたんだと意外な気持ちでいっぱいですw 嫌いな曲というわけではないけど、正直、平凡な曲というイメージしかなかった・・・。あの「Boys Of Summer」よりヒットしたとは・・・。ある意味ショックですw コミカルかつ皮肉っぽいPVが良かったのかも知れないですね。
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あの名曲の前に (hannah)
2019-01-21 22:39:03
星船さん、こんばんは。
僕も♪Johnny Can't Read♪のほうが好きでしたが、A.Goldのキーボードは初めて知りました。
彼も70'sのWest Coastを飾ったアーティストですね。
そして、2年後には名曲♪The Boys Of Summer♪の大ヒットが生まれます。グラミー賞にもノミネートされPVとともに話題になりました。
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このPVは初めてでした(笑) (omnibusfan)
2019-01-22 12:48:31
星船さま こんにちは。
ドンヘンリーは、イーグルスからずっと聴いています。
この曲も何百回聴いたかわかりませんが、コミカルなPVは初めて見ました。(笑)ベストヒットUSAでもオンエアされていなかったかと思います。前作のジョニーの青春はオンエアされたと記憶していますが。
この曲、重厚な雰囲気の曲ですが、PVはコミカルでしたね。ヒットして35年余り経過してのPV拝見、感慨深いものがあります。(笑)
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パロディPVでした(笑) (omnibusfan)
2019-01-22 13:00:41
続けて失礼します。
紹介のPV、パロディのようですね。
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待ちに待ったソロアルバム (星船)
2019-01-22 20:37:29
ミュウさんこんばんは。
日本でも大人気だったイーグルス時代と比べると、イーグルスが解散して聴かなくなった方は多かったのかもしれません。私としては、ドン・ヘンリーのソロアルバムの発売は待ちに待ったものでした。この曲が大ヒットのなって良かったです。
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"Boys Of Summer" (星船)
2019-01-22 21:09:14
実験鼠さんこんばんは。
"Boys Of Summer"は良い曲でした。次のソロアルバム『Building the Perfect Beast』収録でしたが、アルバムのセールスも2枚目の方が良かったでした。
私としては"Dirty Laundry"は待ちに待ったドン・ヘンリーのソロヒットでしたので印象深かったで、曲の好き嫌いはともかく、ヒットして嬉しかったです。
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2年後の (星船)
2019-01-22 21:18:56
hannahさんこんばんは。
私もあの印象的なキーボードを演奏していたのがアンドリュー・ゴールドだったとは初めて知りました。"Lonely Boy’"は名曲でしたよね。
"The Boys Of Summer"はまた良い曲でした。次のソロアルバム発売まで2年かかりました。
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期待とはちょっと違いましたが (星船)
2019-01-22 21:23:17
omnibusfanさんこんばんは。
私もイーグルスの大ファンで、イーグルス解散後、ドン・ヘンリーのソロアルバムの発売は待ちに待ったものでした。正直言って期待していたウエストコーストロック系の音楽とはだいぶ違いましたが、それでも彼の曲がヒットして良かったです。
このPVは1985年になって作成された放送事業者のパロディビデオのようですね。なかなか面白いPVでした。
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初登場29位! (hanah)
2019-01-22 22:15:24
星船さん、こんばんは。
今週29位初登場はC.Cross3年ぶりのアルバムからの♪All Right♪。驚異の初登場だったんですね。結果的にはTop10入りしなかったと思います。
その他にも31位、34位、35位は今後上位にランクされる曲が入ってきました。
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ゴシップ (音時)
2019-01-23 20:05:16
http://neverendingmusic.blog.jp/archives/15496184.html
"Dirty Laundry"の方も和訳しました!パパラッチに対して皮肉に溢れた曲ですね。
作者ダニー・コーチマーが今年も来日するようです。ステージではシンガーは違いますが、気合いの入ったギターを聴かせてくれます。
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最高12位 (星船)
2019-01-23 20:30:21
hannahさんこんばんは。
Christopher Crossですが、1位を記録した大ヒット"Arthur's Theme"以来のシングルでしたので、期待が大きかったでした。それで29位という高位置での初登場になったのでしょう。残念ながら最高12位でしたが、それでもまずまずなヒットになりました。
Duran Duranの初めての大ヒットがついに上がってきましたね。
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ダニー・コーチマー (星船)
2019-01-23 20:37:25
音時さんこんばんは。
この曲、ある意味期待どおりのとっても面白い歌詞だったのですね。いつも和訳楽しみにしています。ありがとうございます。
ダニー・コーチマーにラス・カンケル、ワディ・ワクテルですか!凄いメンバーですね。「ロンドンの狼男」は懐かしいなぁ!”聞いてみたい!
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セクション (hannah)
2019-01-23 21:29:14
星船さん、こんばんは。
ダニー・コーチマー、ラス・カンケル、ワディ・ワクテルといえば、その昔セッションバンド「セクション」を結成していたでしょうか。彼らにベースのリランド・スクラーを加えれば70'sのWest Coastの最高のセンションメンバーでした。
「ロンドンの狼男」鬼才W.Zebonの78年のデビュー曲ですね。
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デーリランリイ ( 太ったボンジョビ)
2019-01-23 21:59:13
この曲、ジョニキャントリード、アイキャントスタンドスティル、みんな最初の方のキーボードが基地がいじみてますよね
無理して聞いていたけど、ドンヘンリー、ソロの初ヒット、グレンフレイに勝てておめでとうございました、の気持ちもありました
ビデオがあったから3位までいったんですかね?
カラオケはダムにアイキャントスタンドスティルがあります、曲としてはコレが大好き
泣きそうになって歌うと良いですよ
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伝説のグループ (星船)
2019-01-24 20:26:18
hannahさんこんばんは。
「セクション」ですか!伝説のグループということで、名前だけは聞いたことがあるのですが、彼らのアルバムは聞いたことがありませんでした。ジェイムス・テイラーやジャクソン・ブラウンのバック演奏は彼らだったですね。もうちょっと時が経った頃ならTOTOのような大人気バンドになったのでしょうか。
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楽しめたアルバム (星船)
2019-01-24 20:51:52
太ったボンジョビさんこんばんは。
彼の初めてのソロアルバム『I Can't Stand Still』ですが、バラエティに富んだ曲構成で結構楽しめたアルバムでした。
次のアルバム『Building the Perfect Beast』のもつながったのでしょう。
"I Can't Stand Still "のカラオケがあるのですか!?
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Running On Empty (hannah)
2019-01-24 21:32:24
星船さん、こんばんは。
West Coast系のミュージシャンとしては、セクションのメンバーに加えて、B.Glaub(bs)、R.Marotta(ds)あたりが思い浮かびます。
J.Browneの名作♪Running On Empty♪はセクションを引き連れてのツアーのアルバムでした。
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初めまして (golden_70s)
2019-01-25 15:57:21
初めまして。
ミュウさんのところから辿り着きました。

「ダーティー・ランドリー」は皆さんが感じられているように、重々しい曲調なのであまり好きではありません。
「ジョニーの青春」の方が良かったですね。
アンドリュー・ゴールドが弾いていたことは、私も初めて知りました。

この週に、トップ40に初登場した曲の中では、ライオネル・リッチーの「ユー・アー」とゴールデン・イアリングの「トワイライト・ゾーン」がお気に入りです。
当時のヒット・チャートのことが頭の中に蘇ってきて、嬉しくなっちゃいます。

アメリカン・トップ40を聞いていたので、当時を思い出しながら、寄らせていただきます。
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David Lindley (星船)
2019-01-25 22:36:41
hannahさんこんばんは。
さすがhannahさん詳しいですね!
Jackson Browneの『Running on Empty』は素晴らしいアルバムでした。今でも時々じっくり聞いてみたくなります。
このアルバムのバックといえばDanny KortchmarにRuss Kunkelが入っていますね、そして何よりもsteel guitarのDavid Lindleyが大好きです。
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よろしくお願いします! (星船)
2019-01-25 22:43:39
golden_70sさんこんばんは。
ご訪問、コメントありがとうございます!
私も全米Top40をずっと聞いていて、当時のメモなどを頼りにこのブログを書いています。そして皆さんのコメントで当時のことを思い出しながら音楽を聴きなおしたりしています。
ゴールデン・イアリングの「トワイライト・ゾーン」って、なかなか通な曲ですね。私も大好きです。後日紹介しますね。
またコメントよろしくお願いします!
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