ビルボード・チャート日記 by 星船

1970年代から80年代にかけての特にビルボードのチャートを中心に、洋楽を愛する皆さまにお届けするブログです

ビルボード 全米 Top40 1985年12月21日付 Mr.ミスター Mr. Mister - Broken Wings

2021-12-19 21:03:56 | 1985年ビルボードTop40
この1985年も残すところあと1週となりました、1985年12月21日付ビルボード All American Top40、3位から上がって1位はLionel Richieの"Say You, Say Me (Title Song From White Knights)"。Lionel Richieですが、Commodoresのメンバーで、皆さんご存知、ソロでも数々の大ヒットを持っています。ソロになってからはこの曲で10曲目のシングルですが、なんとそのシングルすべてがTop10ヒット、Top3ヒットもこの曲で6曲目、なんとソロで5曲目のNo.1ヒットとなりました。

2位は2週間の1位からダウン、Mr. Misterの"Broken Wings"。Mr. Misterですが、アメリカのロックグループ。彼らの初めてのアメリカでのヒット・Top40ヒットが初めてのNo.1獲得です。
3位は4位からアップ、Eddie Murphyの"Party All the Time"。Eddie Murphyですが、歌手というよりも、皆さん俳優でご存知ですよね。ちょうどこの頃大ヒットしている映画『ビバリーヒルズ・コップ』シリーズのアクセル・フォーリー刑事役で大人気です。歌手としては初めてのTop40ヒットが3位まで上がってきました。
4位は7位からアップ、Simple Mindsの"Alive And Kicking"。Simple Mindsですが、彼ら初めてのヒット"Don't You (Forget About Me)"がNo.1を獲得、続くこの曲も4位まで上がってきました。
5位は2位からダウン、1週のみですが1位を記録、Phil Collins & Marilyn Martinの"Separate Lives (Theme From White Nights)"。この曲、映画「White Nights」サウンドトラックからのテーマ曲です。Phil Collinsですが、もちろん皆さんご存知、Genesisのドラマー兼ボーカリストで、ソロでも大ヒットを連発、"Against All Odds (Take a Look at Me Now)"などこの曲で4曲目のNo.1ヒットとなりました。一方、Marilyn Martinですが、この曲が初めてのシングルヒットで初のNo.1を記録しました。

この週2位はMr. Misterの"Broken Wings"。12月7日と14日の2週間の1位を獲得、年間チャートは翌年1986年の第5位、初めてのヒットにして大ヒットになりました。

Mr. Misterですが、アメリカアリゾナ州出身の4人組ロックポップスグループ。
デビューアルバムは1984年、ファーストアルバム『I Wear the Face』をリリースします。
残念ながらこのアルバムは全く売れず、シングルも、"Hunters of the Night"という曲がHot100には入りましたが最高位は57位。ヒットには至りませんでした。

このMr. Misterには前身のバンドがありまして、スタジオミュージシャンをしていたボーカル・ベースのRichard PageとキーボードのSteve Georgeが、70年代にPagesというバンドを結成します。
1978年にファーストアルバム『Pages』をリリース、活動中合計3枚のアルバムをリリースします。
3枚目のアルバムもファーストと同じ名前の『Pages』ですが、こちらはなかなかクオリティの高いアルバムで、プロデューサーはJay Graydon、Jeff Porcaro やSteve Lukatherなどの有名ミュージシャンがバックに名前を連ねています。それでもアルバムはヒットせず、シングルもHto100に1曲だけ入っただけ、ウエストコーストロックやAOR系の曲で、今聞いても沢山の良い曲を出していますが、商業的には失敗、バンドは解散します。

そしてRichard PageとSteve GeorgeにドラムのPat MastelottoとギターのSteve Farrisが加わり結成されたのがMr. Misterです。
デビューアルバムに続いて1985年にリリースした彼ら2枚目のアルバム『Welcome to the Real World』からのファーストシングルがこの曲"Broken Wings"で、突然の大ヒットとなりました。

"Broken Wings"の作者はメンバーのRichard PageとSteve GeorgeにJohn Langという人。プロデュースもメンバーにPaul De Villiersというレコーディングエンジニアが加わっています。
新人ながら長い下積みの音楽活動から生まれてきたこの曲、これは大ヒットするでしょう、素晴らしい曲でした。

シングルのヒットに続いてアルバム『Welcome to the Real World』も大ヒット、1986年3月1日の1週のみですがアルバムチャートNo.1を記録、アルバム年間チャートでも1986年の7位となりました。


こちらがPages時代の曲 "You Need a Hero"。3枚目のアルバム『Pages』収録曲で、プロデューサーはJay Graydonです。当時流行ったAORの曲でありました。


今週 先週 song / artist
1 3 SAY YOU, SAY ME(TITLE SONG FROM WHITE NIGHTS) / LIONEL RICHIE
2 1 BROKEN WINGS / MR. MISTER
3 4 PARTY ALL THE TIME / EDDIE MURPHY
4 7 ALIVE & KICKING / SIMPLE MINDS
5 2 SEPARATE LIVES (THEME FROM WHITE NIGHTS) / PHIL COLLINS & MARILYN MARTIN
6 6 ELECTION DAY / ARCADIA
7 9 I MISS YOU / KLYMAXX
8 14 THAT'S WHAT FRIENDS ARE FOR / DIONNE & FRIENDS
9 12 SMALL TOWN / JOHN COUGAR MELLENCAMP
10 8 SLEEPING BAG / ZZ TOP
11 13 PERFECT WAY / SCRITTI POLITTI
12 16 TONIGHT SHE COMES / CARS
13 5 NEVER / HEART
14 18 WALK OF LIFE / DIRE STRAITS
15 10 WE BUILT THIS CITY / STARSHIP
16 19 TALK TO ME / STEVIE NICKS
17 22 BURNING HEART / SURVIVOR
18 11 WHO'S ZOOMIN' WHO / ARETHA FRANKLIN
19 21 EMERGENCY / KOOL & THE GANG
20 23 LOVE IS THE SEVENTH WAVE / STING
21 20 WRAP HER UP / ELTON JOHN
22 26 CONGA / MIAMI SOUND MACHINE
23 28 IT'S ONLY LOVE / RYAN ADAMS / TINA TURNER
24 27 YOU'RE A FRIEND OF MINE / CLARENCE CLEMONS & JACKSON BROWNE
25 37 I'M YOUR MAN / WHAM!
26 32 GO HOME / STEVIE WONDER
27 25 OBJECT OF MY DESIRE / STARPOINT
28 31 SPIES LIKE US / PAUL MCCARTNEY
29 30 EVERYBODY DANCE / TA MARA & THE SEEN
30 33 GOODBYE / NIGHT RANGER
31 15 LAY YOUR HANDS ON ME / THOMPSON TWINS
32 44 MY HOMETOWN / BRUCE SPRINGSTEEN
33 29 DO IT FOR LOVE / SHEENA EASTON
34 17 YOU BELONG TO THE CITY / GLENN FREY
35 40 SEX AS A WEAPON / PAT BENATAR
36 43 SIDEWALK TALK / JELLYBEAN
37 24 SISTERS ARE DOIN' IT FOR THEMSELVES / EURYTHMICS AND ARETHA FRANKLIN
38 42 FACE THE FACE / PETER TOWNSHEND
39 45 WHEN THE GOING GETS TOUGH / BILLY OCEAN
40 38 SUN CITY / ARTIST UNITED AGAINST APARTHEID

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30 コメント

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Unknown (太ったボンジョビ (>。<)サムイッス)
2021-12-19 21:53:42
私はアマノジャクなもんなんで、No.1ソングにはあまり好きなのはなく、毎年2,3曲くらいなんですよ。
しかしこの曲はさすがに応援しましたです、No.1になれたらイイのにな、くらいですが、この曲はフィル・コリンズを蹴落としてくれたので余計にNiceでありました。
とにかく曲調が寒さのひと言であり、まさに季節にマッチしておりました。
春は希望、夏は暑苦しく、秋のセンチメンタリズム、冬の凍え、てのが好きなんですが、冬の寒さはなかなかヒットは難しく、反対に優しく暖かいディオンヌみたいのがヒットしやすいですかね?
とにかく見捨てるような、凍てつきそうな、希望がなさそうなこの歌にはグッと来ましたです。
ビデオもお初でしたがモノクロなのはヤりすぎなくらいカッコいいですね?顔も良いし。
2週のNo.1おめでとうございました。
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Unknown (おがっちょ)
2021-12-19 22:52:56
この曲がトップ40に入った時は、ニューエントリーが一曲だけで目立ったし、一回聴いただけで、好きになっちゃいました。
途中からは、克也さんの番組でもpvも流れ、チャート上昇して、ナンバー1は、やっぱりと思いましたね。

その後のヒット曲もおーっとなって、この頃のお気に入りのバンドです。

もっと活躍すると思ったんですがねぇ。うーん
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ようこそ現実世界へ (音時)
2021-12-19 23:30:59
http://neverendingmusic.blog.jp/archives/24326874.html
 予想が1週間ずれました(^_^;)。
 駄目になってしまいそうな二人、それでも彼は彼女に呼びかける。愛の力を信じよう…と。傷ついた翼は直すんじゃなく、捨て去ってしまうんだ。そして再び、新しく飛び方と自由に生きる生き方を覚えるんだ…!ビデオでは途中、リチャード・ペイジの元に、白い鳥が飛んできて"こんな風に飛ぶのよ"と語っていったようです。
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Unknown (blackmore1207)
2021-12-20 06:17:23
おはようございます。
80年代を語る上で欠かせない曲ですね。
「ブロークンウイングス」と「キリエ」がシングルチャートの1位となりアルバムも1位となるのですが次作は振るわずそのまま活動停止は残念でした。
元々リチャード・ペイジはペイジスでも確固たる評価を得ているスタジオミュージシャン、ソングライターとして作品のクオリティはずば抜けていましたね。
来日はあったのかは知らないのですが見て見たかったバンドです。当時のドラムが現在キングクリムゾンに参加されているのも興味深いですね!
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一世を風靡 (240)
2021-12-20 06:32:34
おはようございます。
Mr.ミスター、当時一世を風靡しましたね。私は彼等がPagesのメンバーであったことを知ったのは後追いだったのですが、やっぱりPages時代の音が好みですね。アップされた「You Need A Hero」も大好きです。
商業的には失敗だった反省も踏まえ、80年代の音をうまく吸収したMr.ミスターは、職人のポップスって感じがしますね。
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実績十分の1stアルバム (hannah)
2021-12-20 21:46:00
星船さん、こんばんは。
今週のチャートで85年のヒットチャートの紹介は最後になりますね。
最後を飾るのに相応しい名曲の紹介になりました。
Mr.Mister結成以前から、Pagesでヒットには恵まれなかったものの、特にR.Pageはアーティストとしては実績十分でした。
2ndシングルも1位、アルバムも1位、新人ではないですが、聴きごたえのある楽曲ばかりでした。
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一度聞いただけで (星船)
2021-12-20 23:15:49
太ったボンジョビさんこんばんは。
うんうん、この曲はやっぱりいつ聞いても良い曲でしたよ。一度聞いただけでこの曲は大ヒットするでしょう!と思いました、ほどいい曲だったです。
ホント私も、この曲には一度聞いただけでグッときましたです。
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70年代を (星船)
2021-12-20 23:23:39
おがっちょさんこんばんは。
この曲はやっぱり目立ちましたよね。
ちょっと懐かしい感じの、70年代も感じさせるいい曲でした。
活躍期間が短かったのが残念でしたね。でもさすが実力派、この後もセッションミュージシャンとして活躍していました。
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懐かしい感じ (星船)
2021-12-20 23:27:54
音時さんこんばんは。
前週は、やっぱりハートがありましたので、2位に落ちてからの紹介になってしまいました。
でもこの曲は、70年代から洋楽を聞いている私としては、なんか懐かしい感じのする大のお気に入りの曲でした。
歌詞もとっても良かったです。
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実力派 (星船)
2021-12-20 23:30:32
blackmore1207さんこんばんは。
そうですね、長い下積みの元で養った実力派やっと開花した、っというところでしょうか。
初めてのヒットなのに、素晴らしい曲でした。
活躍期間が短くて残念でしたね。
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