ビルボード・チャート日記 by 星船

1970年代から80年代にかけての特にビルボードのチャートを中心に、洋楽を愛する皆さまにお届けするブログです

アラン・パーソンズ・プロジェクト The Alan Parsons Project - Don't Answer Me(1984年の洋楽 Part19)

2020-05-14 20:05:30 | '84年洋楽
1984年の洋楽ヒット曲を紹介するシリーズのPart19はThe Alan Parsons Projectの"Don't Answer Me"。
最高位は5月5日付の1週間の15位。年間チャートは残念ながら圏外でした。

The Alan Parsons Projectですが、名前から分かるようにAlan Parsonsを中心としたアルバム作成を目的としたプロジェクトメンバー。
Alan Parsonsですが、70年代のコアなロックファンの間では有名な方ですよね、「アビイ・ロード・スタジオ」のエンジニアで、ビートルズの『アビイ・ロード』やピンク・フロイドの『狂気』などを手掛けた凄腕です。
そのアラン・パーソンズと、セッション・ピアニストでありシンガーソングライターのエリック・ウールフソンの二人が組んで、プロジェクトごとに様々なメンバーを集めて活動し、70年代中頃からヒットアルバムを数多くリリースしました。

彼らの初めてのアルバムは1976年にリリースした『Tales of Mystery and Imagination 怪奇と幻想の物語 - エドガー・アラン・ポーの世界』 。このアルバムからのシングル"(The System of) Dr. Tarr and Professor Fether"が最高位37位を記録し、この曲が初めてのTop40ヒットとなります。この頃のTop40ヒット曲の中では異色の曲でしたが、私としては特徴あるこの曲が大好きでした。

その後もコンスタントにアルバムがヒット、シングルについても数曲のTop40ヒットを出します。
中でも1982年にリリースした『Eye in the Sky』が大ヒット、アルバムは7位、シングルカットされた"Eye in the Sky"は3位を記録する大ヒットになります。

"Don't Answer Me"ですが、『Eye in the Sky』に続き1983年にリリースした彼ら7枚目のスタジオアルバム『Ammonia Avenue』からのシングルカット曲。
曲の作者はAlan ParsonsとEric Woolfsonの共作。プロデュースはもちろんAlan Parsonsです。
リードボーカルはEric Woolfson。彼のボーカルは癒し系の穏やかな良い声しています。


この曲が彼らの初めてのTop40ヒット曲"(The System of) Dr. Tarr and Professor Fether"。よくTop40ヒットになったなぁと思われる結構マニアックな曲ではあります。
80年代のAORロック路線とは違いこの当時はかなりプログレ色も強かったですね。この曲のリードボーカルはJohn Miles。ソロでTop40ヒットも持っているミュージシャンです。
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ビルボード 全米 Top40 1984年5月12日付 Phil Collins - Against All Odds (Take a Look at Me Now)

2020-05-10 20:59:26 | 1984年ビルボードTop40
1984年5月12日付ビルボード All American Top40、1位の交代がありました、2週連続の2位から上がっての1位はLionel Richieの"Hello"。Lionel Richieですが、The Commodores時代には"Three Times a Lady"と"Still"の2曲のNo.1がありますが、ソロになってからもDiana Rossとのデュエットで1位となった"Endless Love"、"Truly"、"All Night Long"に続くソロで4曲目のNo.1となりました。

2位は3週間の1位からダウン、Phil Collinsの"Against All Odds (Take a Look at Me Now)"。映画『カリブの熱い夜』(Against All Odds)の主題歌、「Footloose」に続いての2曲連続の映画主題歌のNo.1です。Phil Collinsですが、この時点ではソロで10位を記録した"You Can't Hurry Love"、Genesisで6位を記録した"That's All"に続く3曲目のTop10ヒットで、もちろん初めての1位です。
3位は前週と変わらず、Thompson Twinsの"Hold Me Now"。Thompson Twinsですが、1977年に結成されたイギリス出身のポップグループ。Top40ヒットは最高位30位を記録した"Lies"以来2曲目で、初めてのTop3ヒットです。
4位は9位からジャンプアップ、Deniece Williamsの"Let's Hear It for the Boy"。映画「Footloose」のサウンドトラックから2曲目のTop5ヒットです。Deniece Williamsですが、60年代から活躍していますが、Top40ヒットはこの曲で4曲目、Top5ヒットは1978年に1位を記録したJohnny Mathisとのデュエットソング"Too Much, Too Little, Too Late"以来2曲目となります。
5位は前週と変わらずRick Springfieldの"Love Somebody"。Rick Springfieldですが、2週間の1位を記録した大ヒット"Jessie's Girl"、最高位2位の"Don't Talk to Strangers"に続く3曲目のTop5ヒットです。

この週3週間の1位からダウンしての2位はPhil Collinsの"Against All Odds (Take a Look at Me Now)"。年間チャートは第5位の大ヒットでした。映画『カリブの熱い夜』(Against All Odds)の主題歌です。

Phil Collinsですが、言わずと知れたイギリスのプログレッシブ・ロック・バンド「ジェネシス」のドラマー兼ボーカリスト。
ジェネシスの結成は1967年、Phil Collinsは1970年からバンドに参加します。
ジェネシスのリードボーカルはピーター・ガブリエルであって、フィル・コリンズもアルバムではボーカルを務めますが、基本的にはドラマーとして活躍します。
1975年にピーター・ガブリエルがジェネシスを脱退、その後、フィル・コリンズがリードボーカルを務めるようになります。

そのジェネシスですが、ピーター・ガブリエルが脱退、続いてギターのスティーヴ・ハケットも脱退し、オリジナルメンバーのトニー・バンクスにマイク・ラザフォード、そしてフィル・コリンズの3人のメンバーとなります。その3人のメンバーで1978年にリリースしたアルバムが『...And Then There Were Three... そして3人が残った』で、それまでのプログレ色からポップス色を強め、このアルバムはイギリスで3位、アメリカでも14位と世界的なヒットとなります。シングルカットした"Follow You Follow Me"は1978年に最高位23位を記録して、この曲がジェネシス初めてのTop40ヒットになります。
その後も1983年に6位を記録した"That's All"など、アルバム、シングルともヒットを続けます。

さてフィル・コリンズですが、バンド活動と並行して80年代からはソロ活動を開始、ファーストソロアルバムの『Face Value』、セカンドの『Hello, I Must Be Going!』ともイギリスをはじめとするヨーロッパとアメリカでも大ヒットし、シングルも"You Can't Hurry Love"などヒットを連発する大人気アーチストとなります。

そして1984年に公開された映画『カリブの熱い夜』の主題歌として発表されたのがこの曲"Against All Odds (Take a Look at Me Now)"です。
映画は1947年のの映画のリメイクで、監督はテイラー・ハックフォード、『愛と青春の旅だち』に続く監督作品です。
映画はサスペンスタッチの物語ですが、多分見たのだと思いますが、内容は全く覚えていません。音楽はヒットしましたが、映画自体は音楽ほどヒットしなかったのでしょうか。サントラ盤からもこの曲以外のヒットは生まれませんでした。

"Against All Odds (Take a Look at Me Now)"ですが、曲の作者はもちろんPhil Collins自身。
曲の前半は彼の素晴らしいボーカルによるバラード、中盤からはドラムスも効いて、オーケストラも加わり盛り上がります。


この曲、Phil Collinsのオリジナルバージョンはイギリスでは最高位2位でありましたが、マライア・キャリーとアイルランドのグループWestlifeによって2000年にカバーされ、イギリスではオリジナルを上回る1位を記録しました。


今週 先週 song / artist
1 2 HELLO / LIONEL RICHIE
2 1 AGAINST ALL ODDS / PHIL COLLINS
3 3 HOLD ME NOW / THOMPSON TWINS
4 9 LET'S HEAR IT FOR THE BOY / DENIECE WILLIAMS
5 5 LOVE SOMEBODY / RICK SPRINGFIELD
6 6 TO ALL THE GIRLS I'VE LOVED BEFORE / JULIO IGLESIAS & WILLIE NELSON
7 7 YOU MIGHT THINK / CARS
8 4 FOOTLOOSE / KENNY LOGGINS
9 11 OH SHERRIE / STEVE PERRY
10 14 TIME AFTER TIME / CYNDI LAUPER
11 8 THEY DON'T KNOW / TRACEY ULLMAN
12 12 HEAD OVER HEELS / GO GO'S
13 13 TONIGHT / KOOL & THE GANG
14 17 THE LONGEST TIME / BILLY JOEL
15 18 BREAKDANCE / IRENE CARA
16 16 AUTHORITY SONG / JOHN COUGAR MELLENCAMP
17 20 SISTER CHRISTIAN / NIGHT RANGER
18 10 MISS ME BLIND / CULTURE CLUB
19 26 THE REFLEX / DURAN DURAN
20 21 DANCING IN THE SHEETS / SHALAMAR
21 15 DON'T ANSWER ME / ALAN PARSONS PROJECT
22 23 I'LL WAIT / VAN HALEN
23 25 NO MORE WORDS / BERLIN
24 22 A FINE FINE DAY / TONY CAREY
25 29 BORDERLINE / MADONNA
26 27 WHITE HORSE / LAID BACK
27 32 THE HEART OF ROCK & ROLL / HUEY LEWIS & THE NEWS
28 33 SELF CONTROL / LAURA BRANIGAN
29 35 ROCK YOU LIKE A HURRICANE / SCORPIONS
30 19 AUTOMATIC / POINTER SISTERS
31 28 SHOW ME / PRETENDERS
32 34 IT'S MY LIFE / TALK TALK
33 37 YOU CAN'T GET WHAT YOU WANT / JOE JACKSON
34 39 RUN RUNAWAY / SLADE
35 50 JUMP / POINTER SISTERS
36 41 MY EVER CHANGING MOODS / STYLE COUNCIL
37 24 SOMEBODY'S WATCHING ME / ROCKWELL
38 43 LOVE WILL SHOW US HOW / CHRISTINE MCVIE
39 49 STAY THE NIGHT / CHICAGO
40 44 MODERN DAY DELILAH / VAN STEPHENSON
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トニー・カレイ Tony Carey - A Fine Fine Day(1984年の洋楽 Part18)

2020-05-07 21:00:14 | '84年洋楽
1984年の洋楽ヒット曲を紹介するシリーズのPart18はTony Careyの"A Fine Fine Day"。
最高位は5月5日付の1週のみの22位。年間チャートは残念ながら圏外でした。

Tony Carey ですが、ご存知の方は少ないかもしれません。Top40ヒットはこの曲と、この曲の次にシングルカットされ最高位33位を記録した"The First Day Of Summer"の2曲のみ。日本でもあんまり話題にはならなかったと思います。

でもTony Carey、私にとっては応援していたアーチストであり、70年代のハードロックファンの中には「ああ、あの人か!」と知っている人がいるでしょう。
アメリカ出身ですが、ヨーロッパで活躍していたロックミュージシャン、彼は、元々はあのDeep PurpleのギタリストRitchie Blackmoreが結成したハードロックバンドRainbowのキーボードで音楽活動を始めた人なのです。
Rainbowに所属していたのは1976年から1977年にかけて、2枚目のスタジオアルバム『Rising(虹を翔る覇者)』に参加していました。『Rising』というアルバム、日本でもヒットしましたよね。私もよく聴きました。"Stargazer"などは大好きでした。

そのRainbowには1枚のアルバムに参加したのみ(リッチーに嫌われ首になったようです)、バンドを離れソロ活動を開始、彼のソロ3枚目のアルバム『Some Tough City』が初めてヒットし、そのアルバムからのファーストシングルがこの曲"A Fine Fine Day"。
曲の作者は彼自身で、適度にポップなロック、ハスキーな声が良いですね。


Rainbowの『Rising(虹を翔る覇者)』、ギターはもちろんリッチー・ブラックモア、ボーカルはロニー・ジェイムス・ディオ、 ドラムスはコージー・パウエル、ベースはジミー・ベインと、70年代ロックファンにとってはワクワクするメンバーです。
そのアルバムから"Light in the Black"。キーボードソロはもちろんTony Careyです。
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ビルボード 全米 Top40 1984年5月5日付 Thompson Twins - Hold Me Now

2020-05-03 20:03:56 | 1984年ビルボードTop40
1984年5月5日付ビルボード All American Top40、3週目の1位の大ヒット、Phil Collinsの"Against All Odds (Take a Look at Me Now)"。映画『カリブの熱い夜』(Against All Odds)の主題歌、「Footloose」に続いての2曲連続の映画主題歌のNo.1です。Phil Collinsですが、この時点ではソロで10位を記録した"You Can't Hurry Love"、Genesisで6位を記録した"That's All"に続く3曲目のTop10ヒットで、もちろん初めての1位です。

2位は前週と変わらず、Lionel Richieの"Hello"。Lionel Richieですが、The Commodores時代から数多くのヒットを持っていますが、ソロになってからもDiana Rossとのデュエットで1位となった"Endless Love"、ソロの1位"Truly"、"All Night Long"など、ソロで4曲目のTop3ヒットとなりました。
3位は4位からアップ、Thompson Twinsの"Hold Me Now"。Thompson Twinsですが、1977年に結成されたイギリス出身のポップグループ。Top40ヒットは最高位30位を記録した"Lies"以来2曲目で、初めてのTop3ヒットです。
4位は3位からダウン、3週間1位の大ヒット、Kenny Logginsの"Footloose"。「Footloose」ですが1984年公開の大ヒットアメリカ映画。映画のヒットとともにサウンドトラックも大ヒットしました。Kenny Logginsとしては1978年のStevie Nicksとのデュエット"Whenever I Call You 'Friend'"以来の2曲目のTop5ヒット、Loggins and Messinaとして1972年に最高位4位を記録した"Your Mama Don't Dance"を加えて3曲目のTop5ヒットで、もちろん初めての1位です。
5位は6位からアップ、Rick Springfieldの"Love Somebody"。Rick Springfieldですが、2週間の1位を記録した大ヒット"Jessie's Girl"、最高位2位の"Don't Talk to Strangers"に続く3曲目のTop5ヒットです。

この週3位はThompson Twinsの"Hold Me Now"。最高位はこの5月5日と12日の2週間の3位。年間チャートは23位。2曲目のTop40ヒットが初めての大ヒットになりました。

Thompson Twinsですが、1977年にイギリスで結成。
当時流行のブリティッシュニューウエイブバンドとしてデビューしたのですが、しばらくは人気が出ませんでした。

名前が知られたのは1983年にリリースされた彼ら3枚目のアルバム『Quick Step & Side Kick』。アルバムが初めてヒットし、シングルカットした"Lies"が初めてのTop40ヒットとなり、最高位30位を記録。第2次ブリティッシュ・インヴェイジョンのグループとして人気が出ました。
そして1984年に彼ら4枚目のアルバム『Into the Gap』をリリース。このアルバムはさらにポップス色を強めたアルバムで、イギリスでNo.1を獲得、アメリカでも10位の大ヒットとなります。

そのアルバムからのファーストシングルがこの曲"Hold Me Now"です。
曲の作者はメンバー3人の共作。この時にはメンバーは3人だけとなっていたので、3人全員の共作となります。プロデュースはリードボーカルのTom BaileyにAlex Sadkinというプロデューサーが務めています。
曲はポップで、軽快なダンスミュージックではありますが、どことなく愁いを感じさせる日本人好みの曲です。
ブリティッシュニューウエイブのダンス系の曲はあんまり好みではないのですが、この曲はポップでメロディアス、サビの部分も覚えやすく、良い曲でありました。
Thompson Twinsですが、この曲だけに終わることなく、80年代を通してヒット曲を出し続け、活躍が続きます。


今週 先週 song / artist
1 1 AGAINST ALL ODDS / PHIL COLLINS
2 2 HELLO / LIONEL RICHIE
3 4 HOLD ME NOW / THOMPSON TWINS
4 3 FOOTLOOSE / KENNY LOGGINS
5 6 LOVE SOMEBODY / RICK SPRINGFIELD
6 10 TO ALL THE GIRLS I'VE LOVED BEFORE / JULIO IGLESIAS & WILLIE NELSON
7 7 YOU MIGHT THINK / CARS
8 8 THEY DON'T KNOW / TRACEY ULLMAN
9 12 LET'S HEAR IT FOR THE BOY / DENIECE WILLIAMS
10 5 MISS ME BLIND / CULTURE CLUB
11 17 OH SHERRIE / STEVE PERRY
12 13 HEAD OVER HEELS / GO GO'S
13 14 TONIGHT / KOOL & THE GANG
14 27 TIME AFTER TIME / CYNDI LAUPER
15 16 DON'T ANSWER ME / ALAN PARSONS PROJECT
16 19 AUTHORITY SONG / JOHN COUGAR MELLENCAMP
17 21 THE LONGEST TIME / BILLY JOEL
18 22 BREAKDANCE / IRENE CARA
19 9 AUTOMATIC / POINTER SISTERS
20 30 SISTER CHRISTIAN / NIGHT RANGER
21 26 DANCING IN THE SHEETS / SHALAMAR
22 25 A FINE FINE DAY / TONY CAREY
23 31 I'LL WAIT / VAN HALEN
24 11 SOMEBODY'S WATCHING ME / ROCKWELL
25 28 NO MORE WORDS / BERLIN
26 36 THE REFLEX / DURAN DURAN
27 37 WHITE HORSE / LAID BACK
28 29 SHOW ME / PRETENDERS
29 35 BORDERLINE / MADONNA
30 15 ADULT EDUCATION / DARYL HALL & JOHN OATES
31 24 LEAVE IT / YES
32 40 THE HEART OF ROCK & ROLL / HUEY LEWIS & THE NEWS
33 42 SELF CONTROL / LAURA BRANIGAN
34 39 IT'S MY LIFE / TALK TALK
35 38 ROCK YOU LIKE A HURRICANE / SCORPIONS
36 20 GIRLS / DWIGHT TWILLEY
37 47 YOU CAN'T GET WHAT YOU WANT / JOE JACKSON
38 18 HERE COMES THE RAIN AGAIN / EURYTHMICS
39 44 RUN RUNAWAY / SLADE
40 41 CATCH ME I'M FALLING / REAL LIFE
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