二宮敦人の『最後の医者は雨上がりの空に君を願う』を読んだ。
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なんの予備知識もなく読み始めたのだが、どうもこのお話の前段があるみたいで、調べてみると、この作品は『最後の医者は桜を見上げて君を想う』という作品の続編みたいで、しまった、そちらを先に読むべきだったと思いつつも一気に読了。
収録されているのは「とあるチャラ男の死」、「とある母親の死」、「とある医者の死」の三篇。まずまず面白く読める作品だが、「とあるチャラ男の死」はいただけない。あまりに馬鹿げていて、読んでいて気分が悪くなる。ホントにこんなに頭の悪い奴いるの?「とある母親の死」と「とある医者の死」は桐子と福原が医者になるに至った経緯が描かれていて、なるほどなといった感想。
前段のお話を読んでいないので、そこからのつながりがわからないのは残念だが、これ単独でも楽しく読める作品。以下ネタバレを含むので未読の方は読まないように。
桐子が医者になるきっかっけは福原の母親の死だというのが、「とある母親の死」に描かれているのだが、桐子も福原もそれに気づいていない様子。桐子は「とある医者の死」のなかで気づいたようだが・・・。「とある母親の死」のなかで、福原の父親が医者だということにふれられていないのは、読者にミスリードさせる狙いが見え見えでいやらしい感じ。あとね、雅和って名前で「カズ」って呼ばれる?普通「まーくん」とか「まさ」とかじゃない?これも読者にミスリードさせる狙いが見え見えでいやらしいんだよねぇ。