伊岡瞬の『悪寒』を読んだ。
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山形県酒田市の孫会社に単身赴任で出向中の主人公。仕事がうまくいかないなか、同僚と一杯やっているところへ妻から不可解なメールが届く。気になって慌てて夜行バスで東京へ戻ると、妻が殺人犯として逮捕されていた・・・。
頭書は、主人公が出向に至る経緯と出向先での苦悩が丹念に描かれているのだが、そこから一転、何が何だかわからないまま殺人犯の家族となってしまう。後半はさらに転々、何が事件の真実なのか・・・。
作者の巧さがよくあらわれていて、あまりの面白さに頁をめくるのを止められずに一気に読了。上質なミステリーで、こりゃ面白い。中年男の悲哀と家族の絆を描く作品で、中年男としては他人ごとではないかも、と思いつつ読んだよ。
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