伊岡瞬の『瑠璃の雫』を読んだ。
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主人公の美緒の家庭は複雑で、美緒の弟の幼い長男充が赤ちゃんの次男の穣を誤って殺してしまい、父は家を出て、母はアル中。そんな美緒は母のいとこの薫に紹介されて元検事の永瀬と出会う。永瀬は過去に子供の瑠璃が誘拐されて、いまだに行方不明のまま。その後成長した美緒は、永瀬が亡くなった後、瑠璃誘拐事件について、そして穣殺害事件について真相を解明していく・・・。
美緒の人生を描くために瑠璃誘拐事件と穣殺害事件の真実が語られるのであって、謎解き要素はちと弱く、これをミステリーと言っていいのかどうか?全体的に重い雰囲気の小説で、薫の軽さと明るさが救い。
以下ネタバレを含むので未読の方は読まないように。
死んだように思わせて、物語の中盤以降出てこなかった充が生きていたのがこのお話し最大の驚きだ。
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