「飽きるまで芋粥を食べてみたい。」と願った五位が、いざ大鍋一杯の芋粥をご馳走されたら食欲が失せてしまった、という話。宇治拾遺物語や今昔物語、芥川龍之介も書いている。
私も「飽きるまでアメリカンチェリーを食べてみたい。」と常々思っていた。NYのチェリスト、ジェシー・リーヴィから箱一杯のチェリーが届いた。歓声を上げて、二人で食べ出したら、あっという間に無くなった。せめてダンボール一杯は無いとなあ、と感謝すべきところ、つい文句を言っちまった。俳句もしないのに季語を贈るとは粋なお人だよ。
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ジェシーから昨年引越し祝いに貰ったワインがもう一本ある。シャトーベイシュヴェル1982年赤。「船の絵のラベルから、新しき門出を祝うに相応しいワイン」と説明がある。なんて粋なはからい。
思えば私達が日本へ引越す前にも、ジェシーはアッパーニューヨークの郊外のレストランで、「1978年シャトームートン・ロートシールト」の赤を開けて、門出を祝ってくれた。ニックの師ピアティゴルスキー先生の妻の実家ロスチャイルド家のワイン。ニックがチャイコフスキーコンクールに優勝した年のワイン。私の人生に味わった中で最も高価なワインだ。
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やっぱり桃は山梨。桃のように可愛くて優しい句友が送ってくれた。オートミールに入れて食べるのが最高。大きな大きな桃を両手に持つと、中から小さな桃太郎が出て来てもおかしくないという実感が湧く。お腹に赤ちゃんがいるお母さんは特にそんな気がするんじゃないかな。