いよいよ大阪中之島コンサートがあと1週間となりました。この時期プログラムの一曲目を聴く機会が増えます。なぜかと言うと、漫才と同じで、演奏会もツカミが重要だからです。
「イントラーダというこの曲で、皆様に今晩は、を言うつもりで弾きます。」とプログラムにニック本人が書きました。さてどんなご挨拶になるでしょうか?
ニックは演奏会でほとんど喋りません。自分のメッセージは全て曲の中に込めて弾きます、といつも言ってます。
今年は特別に、コロナ事情の中、客席を半分にしての開催です。主催のクラブツークンフトの皆様のご苦労も、マスクして会場にお越しの皆様も本当に有り難く、万感の想いを込めての第一曲目になるでしょう。
「このイントラーダは悲しい曲だと思うか? 幸福な曲だと思うか?」と今朝も聞かれ、「ただ悲しいのでも嬉しいのでもなく、それらの混じり合った胸が締め付けられる切なさ(sweet sorrow)を感じる。」と答えました。
ニック「レーダーチャートにすると、悲しさの所がより突き出すが、嬉しさ、甘さ、渇望、希望、懐かしさ、全部ありだな。」
「そういう複雑な感情を表現するにはどうするの?」
「弓をどの音符にどのくらい、どの圧力と、どの速さで使うか、決めるだけだ。日々その割合を研究し、最もその曲のその感情に相応しい歌い方を見つけ、それが身に染み込むまで毎日練習すればよいだけだ。」
レーダーチャートの意味がそれで少し想像できます。歌い方については、オペラ歌手の歌声がとても参考になるそうです。生徒によく歌って聞かせていますが、ニックの歌声はイマイチ。チェロで弾く方がずっといい歌に聞こえます。
まあそういったチェリストの一年間が過ぎて、その成果がどんな音楽になったのか、イントラーダから始まる生のチェロの音を、存分にお楽しみください。
※大阪中之島コンサート2020は、12/5付でキャンセルが決定しました。楽しみにして下さっていた皆様、誠に申し訳ございません。チケット返金などのお手数&ご迷惑をおかけします事を重ねてお詫び申します。また是非大阪でこの曲を弾きたい、とニックは申しております。その日を心待ちにしております! We love Osaka!!※