藍生の先輩鈴木美江子さんが句集『山あげの街』を御上梓されました。
おめでとうございます!!
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美江子さんは、那須烏山の山あげ祭「山あげ」を季語として歳時記に残そうと、詠み続けておられる。
以前、角川のパーティーでお目にかかれた永瀬十悟さんも、福島県須賀川市の鎮魂の火祭「松明あかし」を季語に残す活動を長年されたそうである。永瀬さんがこの句集に寄せられたお言葉に以下がある。
「季語となる行事には、歴史性、風土性、詩情が必要です。そして何より、地元の俳人が季語や傍題を考え詠み続けることです。」
おりしも、わが松山でも「俳句甲子園」を季語にしようと、いい句を詠もうと、皆でがんがん詠んでいるところだ。鈴木さん達も頑張って下さい!!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/c9/421b149bbb685c4ecc177204d0e83152.jpg?1722828196)
私の好きな二十句を書かせていただく。
山あげの街ひつそりと乳母車
木頭の涼しき析音山揚がる
山あげの街水清し山清し
山あげや滝夜叉姫の巻手紙
山あげや胴上げに闇深々と
嫁ぎ来て山あげの町昼うどん
花冷やいくさを語る喉仏
山白しいつしか芽吹近づきぬ
座禅解き十薬の花なほ白く
たちまちにおとぎの国やりんご狩
ひぐらしや遠き隣へ回覧板
棗の実踏みて夜遊びから戻る
隣合ふ茂吉子規の碑すすきの穂
外飼ひの猫一匹の余寒かな
雛飾る雛も二十歳となられけり
きつぱりと免許返納梅ひらく
実梅捥ぐ真青のしづく浴びながら
味噌蔵の味噌を小出しに梅雨晴間
干瓢の真白きのれん梅雨明くる
御堂出で風の声聴く一遍忌