ミセスローゼンの道後日記

寒の内クラリネットはかく語りき



ダーヴィト・ポッパー: 2つのチェロのための組曲 Op. 16 を、師ナサニエル・ローゼンと弟子の和田理が共演。



日暮里のホテルラングウッドの四階サニーホールにて、ヒッグス粒子の発見に携わった日本人物理学者小林富雄博士のサロン・コンサートが行われた。一階のお花屋さんでニックが買った三本の薔薇が、博士とニックと理さんの胸を飾った。



小林富雄博士は学者にしとくのが惜しいほどのクラリネットの腕前。ニックは若い頃、ニックのコンサートを聞きに来たベニー・グッドマンから翌朝電話がかかって呼ばれ、その後ベニーと何度も共演する幸運を得た。一緒にボクシングも見に行った。俺はベニーの後にトミーを得た! と言って、昨夜のトリオ「ロータ作曲クラリネットとチェロとピアノのための三重奏曲」を楽しんだ。



伸び盛りの三十代になった弟子の和田理と、リハーサルを楽しむニック。超絶技巧曲ポッパーデュエットを二人で攻略。アンコールは名曲クンマー・デュエット。毎週、マンハッタンのアパートにニックが来て、私の娘二人にチェロのレッスンをしていた頃、ミスター・ローゼンとクンマーデュエットを弾くのが楽しみで、二人でピチカートを猛練習していたのを思い出す。先生は必ず第1チェロを弾くので、姉妹は第2チェロを練習しなければならない。だがやはり第1チェロも弾いてみたくて、学校から帰ると鞄を放り投げ、「クンマーやろう!」と同時に叫び、姉妹が交代で第1チェロを弾く喜びを分かち合った。私は「チェロの練習しなさい」と言う必要が無かった。懐かしい思い出が蘇るアンコールを聞けて嬉しかった。

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