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ミセスローゼンの上人坂日記

落武者のごと夜歩く冬の雲

ニックの愛大コンサート。
ヴァイオリニストの大蔵さんが、ステキな黒のシャツ着て迎えに来てくれる。

もし僕が君みたいだったら、僕もそんな衣装を着るんだがなあ。
と、正直なニック。
ニックはいつものように、スーツにボウタイ。

男同士がシャツやタイの話をするのはいいな。
私らの父もハンサムで、いいスーツやタイを好んだ。

ニックの演奏は、いつものことながら綱渡り。
最近わかってきた。
ニックは、わざとやってるんだって。
一番よかった時の指や弓使いを簡単に捨ててしまう。挑戦する。
ニックいわく。
毎日聞いてるお前さんが、はらはらするくらい、エキサイティングなバッハを弾いたんだよ俺は。

あと、インタビューの中でよかった話。

アラスカのシトカ音楽祭にてトリオを弾いた直後、シトカTVに出演した時の話。ピアニストのジェリーに、インタビューアーがたずねた。
「トリオのリーダーはどの楽器なの?」

ジェリーはラテン語で答えた。
「法(公)的にはヴァイオリニストがリーダーだ。テンポを決め、キッカケを出す。だが、実質的なリーダーはピアニストといえよう。どんな音楽になるかは、ピアニスト次第だからね。」
ニックがここで、口をはさんだ。
「その通り。僕は喜んで縁の下の力持ちになるよ。」

「まあ、最後まで聞きたまえニック。しかしながら、誰が真のリーダーかと申せば、それは間違いなくチェリストであるよ。チェリストとは、トリオをインスパイアする存在なのだ。」
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