リーボック、８０年代と９０年代の逆転劇

　熱心なスポーツファンなら、新製品開発の競争が激化した１９８０年代、世界を
リードしていたのは

　「リーボック」

　であったことを覚えているはずです。

　ナイキがリーボックを追い抜き首位に立つのは１９９０年代のことであり、この時期
アディダスはこの２ブランドに押される形で

　「低迷期」

　に突入していたのです。

　リーボックがこの時期ナイキに勝てた理由はふたつ

　１・エアロビクスシューズ　「フリー・スタイル」の爆発的な売れ行き
　２・ナイキとの間で繰り広げられた「ポンプ技術」の勝利

　が挙げられます。

　２の「ポンプ」というのは、靴に「エアー」を注入することで、利用者が自分に合った
履き心地を得られる技術のことで、この技術がやがて

　「インスタポンプ」

　に繋がります。

　つまりリーボックは

　「フィットネス」

　の分野で絶大な支持を得る形になりましたが、あるふたつの出来事により、ナイキとの
地位が逆転します。

　それが

　「１９９２年のバルセロナ五輪」
　「１９９４年ワールドカップ９４」

　になります。

　リーボックは前者でアメリカ代表の公式ウエアを手がけ、後者ではロシア代表をサポート
しますが、このふたつのビッグイベントで、彼らは思い描いた

　「結果」

　を出せなかったのです。

　しかもリーボックとは全く無関係の理由なのですから、皮肉なものと言えます。