もうだいぶ前になりますが、、小生のHPとリンクしているAliceさんのHPを見ていましたら、旅行会社の評価がでていました。
どんなことが書いてあるのか興味津々でしたが、評価されている旅行会社は、JTB、近畿日本ツーリスト、日本旅行、HIS、タビックスなどが載っていました。
ところが、小生が知らない旅行会社(名前は聞いたことがあります)ユーラシア旅行社が最高の評価だったのです。
そこで、どんな会社だろうとネットでアクセスしてみたのですが、ツアーの種類と行き先の多さ、そして、他の旅行会社では行かないような小さな町や村を丁寧に廻る、日数が20日間など超長期があるなど、とても興味深いものでした。
難点は、お値段が高めかな?という点ですが、会社の説明では、OPがないとか、サーチャージが入っている?とかで他社と良く比較していただければ、決して高くはない、というものです。
でも、小生のように長くツアーを使っている人間からしますと、安い方が良いのですが、ツアーの中身が問題なのです。
何処の会社でも行くようなツアーは、敬遠したいというのが最近の心境なのです。
その意味では、JTBグランドツアーもそういう点を意識して人数制限(15人)や通常のツアーでは行くことがない場所に行くなど客の心を掴もうとしているようですが、ここも難点は、「超高額」なことです。
なんだか話が旅行会社の評価になってしまいましたが、今日、いいたいことは、評価ではなく、「ユーラシア旅行社」の存在を知って、ネットでパンフの提供をお願いしたところ、数日前に分厚い本が3冊届いたことです。
このブログを読んでる方からすれば、「なんだ、それだけの話しか?」となるのですが、この後に本論があるのです。
分厚い3冊、と言いましたが、分厚いのは、1冊で(まだ読んでおりません)、文化の香りが漂うような高尚な本のような気がします。
でも、今日の話は、残りの2冊にあった記事です。
この冊子のタイトルは、「EURASIA」で、毎月、発行されているようで、この会社の海外旅行案内(パンフ)になっています。
この種のパンフは、JTB旅物語さんや阪急交通さんでも毎月、送ってきますが、ユーラシアさんのものは、とてもコンパクトでその巻頭に有名人の投稿があることが特徴です。
このように書きますと、またまた、パンフの比較のようですが、そうではなく、ユーラシアさんの10月号に「イランはどこへ」が載っていたのです。
10月号には、この他に「マザッチョの生家 サン・ジョヴァンニ・ヴァルダルノ」と「エジプト500年の時の扉を開く」が掲載されていました。
「イランはどこへ」の文章を書いたのは、国際的評価も高い写真家の野町和嘉さんです。
A4で写真付きの文章で、2ページに渡るものですから全文を紹介することはできませんが、要約すると次のようです。
「大統領選挙の不正疑惑をきっかけに、神の国イランが激しく揺れている。
今から30年前、民衆は、王の取り巻きだけが肥え太り、これを批判すると、容赦のない取り締まりがあったが、そうした不満が爆発し、イスラム革命が成立し、王制を倒した。
革命は、ホメイニー氏を民衆の救世主として登場させたが、彼はアメリカと国交を断絶し、ベール着用をはじめとした厳格なイスラーム法を徹底させた。
だが、民衆の期待とは裏腹に、厳格なイスラーム体制は、民主主義どころか、イスラームの名の下に民衆の自由や権利を大幅に制限する独裁政権へと変貌してしまった。
その一方で、隣国、イラクとの8年に及んだ戦争を乗り切ったことで政権は安定し、中東一の治安を誇っているが、西欧諸国と距離を置いているため、開発が遅れ、古き良きペルシャ文化は暮らしの中に受け継がれていた。
だが、30年という時間は、若者が大半を占めることから世相を大幅に変えた。
強調される熱烈な集団礼拝とは裏腹に、イラン国民は、さほどイスラーム信仰に濃密な民族ではなく、特に、都市部でその傾向が強く、日々、礼拝をしない人々が実に多いことに驚かされる。
イスラームの名の下に締め付けが強化される一方で、聖職者、保守層が特権階層を形成していることは広く知れ渡っている。
都市部の住民の多くは、聖職者による体制にノーを突きつけたいのであるが、「反体制の烙印による弾圧が容赦のないもの」であるため慎重になっている。
現政権が失墜した権威を回復し、民衆をどう束ねるのか、注目したい。」
というものです。
まぁ、新聞紙上で取りざたされている「核保有」や「反米」は事実で、そこが強調されがちですが、国民は、政権が変わるたびに「いじめられて、貧しい生活を強いられている。」ということではないでしょうか?
逆の言い方をすれば、国をになう人々が暴力(警察や軍隊)や宗教を統治の道具に使って人民の生活や自由を制限して、自分達は「良い生活」をしているということなのでしょう。
これは、ソ連を中心とする共産主義諸国が崩壊したときの話とまったく同じではないでしょうか。
その「イランがどこへ行くのか」分かりませんが、野町さんが言いたかったのは、旅行者へのメッセージと考えれば、クレジットカードが使えず、マクドナルドもスターバックスもない「情緒溢れた古き良く時代を行くイラン」を今のうちに見ておきなさい!ということかも知れません。