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-「国体の本義」の光と影-(GHQ焚書図書開封 第34回)

2017-03-18 00:14:55 | 近現代史
GHQ焚書図書開封 第34回
-「国体の本義」の光と影-
 国体とはお国がらのこと。神話から始まり、古事記、日本書紀につながり、綿々と2000年に亘って、形成されてきた国民の持っている観念、地理、風土、民族、民族性、日本人的性格など幅広い概念。
西洋は個人主義社会であり、智、徳、力を備えたものが君主になる。徳や智は相対的なものであり、人の力によって定められる。
一方、日本は和の社会で、君主は血統世襲で自然と徳を備えたものがなっている。
キリスト教は、隔絶した絶対的な神。中国の皇帝は天命を受けたもので、天を拝めるのは皇帝だけ、民衆は道教、指導者は儒教を信じていた。
日本の神の観念は、身近なもの(古木、洞窟、山の上の白鹿のような動物)に神が宿るというもの。
菅原道真は学問の神様、乃木大将は軍国の神様、天皇陛下が神様であっても何の不思議もない。
日本において王権の根拠は天孫降臨の神話。中国には神話がない(孔子がなくした)、ヨーロッパの神話は王権につながらない。
和の社会は、マーケット至上主義から生まれた格差社会とは相容れない。
集団で強くて、個人で弱い日本人は、個人主義国家に騙されやすい性格をもっている。(集団で負けると、個人まで駄目になってしまい、立ち上がれない)
「日本との出会い」を書いたドナルドキーン氏によると、日本人は捕虜になると祖国に帰ることは恥ずべきことと死を選び、自分から国家機密を漏らす。ドイツ人は捕虜になると祖国に戻りたがる(生命への執着心が非常に強い)が、国家機密、軍事機密は簡単には漏らさない。
「反劇的人間」を書いた安部公房氏によると、満州でのこと、トラブルで日本人の仲間がやられると、それをみていた日本人は、一人減り、二人減り、最後には仲間を置き去りにして逃げていった。同じようなことが朝鮮人の場合だと、仲間がやられるのをみていた朝鮮人は仲間を呼び、助けるために集まってくる違いがある。
国内の「和」と「誠」だけでは、国際社会では戦えない。他者に対する心の武装化が必要。
参考文献:「国体の本義」文部省  「騙されやすい日本人」宮脇磊介
https://www.nicovideo.jp/watch/so19346453



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