GHQ焚書図書開封 第40回
-国家主義者田中智学の空想的一面-
日蓮宗の宗教団体「国柱会」を結成した田中智学。その信者には石原莞爾、宮澤賢治がいる。
日本書紀の神武天皇のくだりにある「掩八紘而為宇[八紘〈あめのした〉をおおいて宇〈いえ〉となす]」から造られたのが「八紘一宇」という言葉である。
月刊誌「日本国体新講座」に協賛者、支持者として名前を連ねている岡田啓介、近衛文麿、林銑十郎、平沼騏一郎、野村吉三郎、野間清治、横山大観など著名人。
「政体」は主権があるという国家形態のこと。
「国体」とは、他国に例のない固有の国のおおもと。
日本の国体は、万邦無比(世界中、どの国を見渡しても類のない国のこと)、天壌無窮(天地とともに永遠に極まりなく続くさま)である。
支那王朝は易姓革命で一つの王朝が300年と続かない。イギリス王国でも1000年の歴史しかない。それに比べて日本皇室の「特殊性」と「偉大性」を誇張している。
日本書紀にある神武天皇の言葉が全てという信仰のもと、信仰の押しつけを行った運動体。この押しつけが、戦後、極端に神話を否定し、神武天皇を追い払う風潮を生んでしまった。
当時から、「日本を国際化する」と「世界が日本に学べ」との相反する考えがあった。田中智学の場合、後者で、神武天皇の言葉はマルクスの世界宣言、キリスト、釈迦の言葉以上のものと考え、「神武天皇の言葉が世界を決める」という誇大妄想の国体論に至った。今日でいうところのグローバリズム的発想である「人類同然世界一家」という考えから、「八紘一宇」という造語ができた。
「三大綱」「五大要素」「八大国是」という観念的な言葉に浮かれ、酔いしれ、冷静さを失って、熱狂化、信仰化していったことが、国体を誤った方向に導く結果となった。
今日でも、「世界は一家、人類みな兄弟」「世界政府」「朝日新聞の地球貢献国家論」「地球大国」「地球文明」というリアリティのない言葉が根強く残っている。
参考文献:「万世一系の天皇」里見岸雄 「日本国體新講座」田中智学 GHQ焚書図書開封4 第4章 377~435P
2013/03/13 18:00に公開
-国家主義者田中智学の空想的一面-
日蓮宗の宗教団体「国柱会」を結成した田中智学。その信者には石原莞爾、宮澤賢治がいる。
日本書紀の神武天皇のくだりにある「掩八紘而為宇[八紘〈あめのした〉をおおいて宇〈いえ〉となす]」から造られたのが「八紘一宇」という言葉である。
月刊誌「日本国体新講座」に協賛者、支持者として名前を連ねている岡田啓介、近衛文麿、林銑十郎、平沼騏一郎、野村吉三郎、野間清治、横山大観など著名人。
「政体」は主権があるという国家形態のこと。
「国体」とは、他国に例のない固有の国のおおもと。
日本の国体は、万邦無比(世界中、どの国を見渡しても類のない国のこと)、天壌無窮(天地とともに永遠に極まりなく続くさま)である。
支那王朝は易姓革命で一つの王朝が300年と続かない。イギリス王国でも1000年の歴史しかない。それに比べて日本皇室の「特殊性」と「偉大性」を誇張している。
日本書紀にある神武天皇の言葉が全てという信仰のもと、信仰の押しつけを行った運動体。この押しつけが、戦後、極端に神話を否定し、神武天皇を追い払う風潮を生んでしまった。
当時から、「日本を国際化する」と「世界が日本に学べ」との相反する考えがあった。田中智学の場合、後者で、神武天皇の言葉はマルクスの世界宣言、キリスト、釈迦の言葉以上のものと考え、「神武天皇の言葉が世界を決める」という誇大妄想の国体論に至った。今日でいうところのグローバリズム的発想である「人類同然世界一家」という考えから、「八紘一宇」という造語ができた。
「三大綱」「五大要素」「八大国是」という観念的な言葉に浮かれ、酔いしれ、冷静さを失って、熱狂化、信仰化していったことが、国体を誤った方向に導く結果となった。
今日でも、「世界は一家、人類みな兄弟」「世界政府」「朝日新聞の地球貢献国家論」「地球大国」「地球文明」というリアリティのない言葉が根強く残っている。
参考文献:「万世一系の天皇」里見岸雄 「日本国體新講座」田中智学 GHQ焚書図書開封4 第4章 377~435P
2013/03/13 18:00に公開