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-城山三郎が夕暮れのキャンパスで国体をみた-(GHQ焚書図書開封 第46回)

2017-04-17 23:24:48 | 近現代史

GHQ焚書図書開封 第46回
-城山三郎が夕暮れのキャンパスで国体をみた- 
国家が背負っている運命は、個人が背負うことを知っていた(自覚していた)当時の日本人。それが、極端な形ででたのが、山岡荘八著の「軍神 杉本中佐」。
 戦後、「官僚たちの夏」「乗っ取り」「価格破壊」「落日も燃ゆ」などを書いた国民作家城山三郎。少年時代、杉本五郎中佐遺著「大義」に熱狂した城山三郎の失望体験。
天皇制度是非論で否定派が有利となった時代背景。
「天皇制」という言葉は、日本共産党が共産革命をめざした「32年テーゼ」で初めて使いだした左翼用語。
帝政ロシアの絶対君主制(皇帝による専制政治)の「帝制」を、日本共産党が「天皇制」と置き換えた。
軍隊生活での過酷な訓練、理不尽な殴打などのいじめに嫌気をしていた軍隊生活経験者が、無慈悲な10数年間の獄中生活に耐え、解放された共産党幹部に劣等感と尊敬心を持つという自虐的歴史観が蔓延した。
その結果、苦しみや、嫌な思い出だけが残るという、パラダイムシフトが起きた。戦後の敗戦自虐史観しかり。
しかし、一橋大学のキャンパスに訪れた少年皇太子を身近にみて、人擦れしていない素朴なお姿に呪縛されそうな親愛感(もし、ここに暴漢があらわれたら命がけで皇太子を守りたいという気持ち)を覚えた時、国体=大義を疑った自分を否定できて安堵感を感じた。
戦後も何も変わっていない信仰の原型の皇室。それ以降、「大義」に続く超えた世界を見いだせずに今日に至っている。
人間に身体があるように、国家には国体が必要ということになる。
参考文献:「大義 杉本五郎中佐遺著」杉本五郎、 「軍神 杉本中佐」山岡荘八、 「大義の末」城山三郎

GHQ焚書図書開封4第7章 697~755



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