GHQ焚書図書開封 第50回
-日本家族国家論-
明治憲法の背景には、国全体を一つの家族(父が天皇、国民は子)とみる概念があった。熊襲、隼人、アイヌは皇化に浴し天孫族(ヤマト民族)と同化した。
日本は、皇室を宗家と仰ぐ家族のような国家である。
國譲りの神話にあるように出雲族とは和解し、比較相対的に一言語、一民族を成しているといえる。この一言語、一民族説に異論(東北人は、大和朝廷に反抗した民族の子孫で日本人でない)を唱える学者に網野善彦氏がいた。
戦後の民法改正、夫婦別姓は日本人の家族制度の感性、感覚を破壊してきている。
日本には他のものと取り替え可能な「君主制(モナーキー)」という観念はなかった。「皇室」という言葉はあったが、「天皇制」という言葉はなかった。コミンテルンが「君主制を倒せ」と日本共産党に指令を出したが、日本には君主制がなかったことから、日本共産党は、君主制を天皇制と置き換え、打倒する対象として使いだしたのである。
アメリカカルフォルニアにおける日本移民排斥運動(人種差別運動)が大東亜戦争の原因のひとつとも言われている。
支那は秦の時代から郡県制度が続いており家産国家(領土や人民などがすべて君主の私有物となされる国家)。日本は律令時代と明治以降が郡県制度。武士の時代は封建制度で、徳川家が家産国家。
日本の家の長所は、①自然性、②中心帰一性、③親和性、④永遠性である。神道の精神は、清らかで澄んだものを好む日本人の特質を表している。
公平、公正を旨とする日本人の性格は、格差社会になじまない。日本人の家意識は他人同士の間でも醸成されるが、中国人の場合は、身内同士、血縁同士でしかつくられない。
世界を凌駕した日本の家族主義的経営が破壊され始めたのは1993年の米クリントン政権の時代からである。
天皇と国民の関係は家産国家にある主君と臣下の関係ではない。こういった家族主義的概念は、唯物主義の諸外国を相手にする場合、弱点ともなる。
参考文献:「日本国體の理論」牧健二
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