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日本人ノーベル賞受賞者、キノコ研究のためにシベリアに赴く

2011-10-04 07:38:10 | 情報
08年度のノーベル化学賞受賞者で、有機化学および海洋生物学者の下村脩氏がクラスノヤルスクに赴いた。シベリア州立大学の学者たちと共同研究を行い、バイオテクノロジー分野における研究を学生に講義するためである。
 このいきさつは、昨年、シベリア州立大学がロシアの大学機関に世界的な学者を招集するために開かれたコンクールで勝者となったことによる。同コンクールでは、高度な新しい研究に役立てるため、2011-13年中に世界を代表する学者を招集する権利を勝者に与えている。シベリア州立大学では現在、米国からはマサチューセッツ工科大学工学部のアンソニー・ジョン・シンスキー教授(バイオテクノロジー)が、そしてドイツからはエルンスト‐デトレフ・シュルツ教授が(エコロジー)が招かれ、世界レベルの学問を展開している。

 シベリア州立大学が、下村氏を呼んだのは偶然ではない。シベリア州立大学の学問的関心が下村脩氏の研究と一致するのだ。同大学ではロシア科学アカデミー会員のヨシフ・ギテリゾン氏の主導のもとに基礎生物学とバイオテクノロジー研究科が開設され、「生物発光技術」のプロジェクトが取り組まれている。下村氏の専門は生物発光化学だ。

 同大学ではかなり前から、生物発光学の分野に取り組んでいるとシベリア州立大学の広報課のヤロスラヴァ・ジガロヴァ氏は語る。

 「クラスノヤルスクではこの問題に取り組む学者の数が最も多いため、下村氏の召喚については非常に意欲的だった。下村脩氏自身、今回の賞与において来訪し、働くことに同意したのは、この分野においてこの大学がすでに重要な研究を行っているからと語っている。プロジェクトは3年におよび、下村脩氏は1年に4カ月以上ここに留まるという契約に同意したが、氏の研究指導は不在時も継続される。クラスノヤルスクでこのようにノーベル賞学者が研究を行い、学生に講義をするのは前例がない。従って我々の期待は大きい。」

 下村脩氏は「緑色蛍光タンパク質」の発見を評価されノーベル賞を授与された。この物質は生物体の発光体で、外部照射を取り入れることなく、体内の化学的プロセスにおいて生成される。下村氏がロシアで働く動機となったのは、生物発光化学の分野における近年の重要かつ注目に値する学術論文を次々と発表しているのはロシアだけだという事実だ。実際、ロシアの学者はこの分野において世界的に代表的な地位を築いている。

 クラスノヤルスクで下村脩氏がロシアの学者たちと研究しようとしているのは、キノコである。氏はロシアの新聞からのインタヴューに次のように答えた。「キノコが発光する仕組みの秘密を解き明かすことは、偉大な学問的な発見となるだろう。そして、これは人類に利益をもたらすことにもなると思う。ただし、それがいかなるものになるのかはまだわからない。」

 シベリア州立大学の国際的な交流関係は幅広く、西側諸国の代表的な大学70校と協力している。しかし、今回のようにノーベル賞学者が召喚されたのは異例で、このことは大学の権威を高め、学生たちと研究スタッフに良い刺激を与えると予想される。下村脩氏がクラスノヤルスクに着任した際に、ロシアの声では下村氏にシベリアの感想と創造的研究プランについてのインタヴューを試みたいと計画している。

ソース ロシアの声  サハリンマン
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