「性」とは、生きる動力の根本である。また「性」は、常に抑圧と
隠蔽に晒されている。だから「性」は形を変えたはけ口を求める。
それが人間の営為に文化(way of life)を与える。いつの時代の人
間の営み、政治や経済であれ、社会、文化であれ、どこかで「性」
と通低している。
大衆メディア論としては、ラジオ・レコードの「聴く」時代があり、
次に映画・テレビの時代「観る」時代が始まり、今日、携帯電 . . . 本文を読む
世に「新し物好き」というヒトがいるが、私は古い物の方が好きである。
朽ち果てた戦前の建物とか、古いレンガ塀とかを見つけると、心にグッ
と来る。廃墟とか廃止された鉄道の線路の風景なんて心を惹かれるし、
夕焼けの野道をトボトボ歩くお年寄りの姿なんてのも、好い。
朽ちゆくモノや古びた事物への偏愛は、多分、自己愛の変形なのだろう。
古いモノ好きは、内向的で自己指向タイプ、新しモノ好きは、外向的で
他者指 . . . 本文を読む
今日はとても天気が好くて、風も優しい。
師走というよりは、秋のうららかな陽のようだ。
陽だまりにしゃがんで、煙草をふかしていると、
風にゆるやかに舞う枯れ葉も、道往く人も静かだ。
冬の陽だまりにしゃがんでいた子供の頃が思い出されては、
陽射しの美しさに、麗しく、懐かしい匂いをかいでいた。
「柱も庭も乾いてゐる
今日は好い天気だ
縁の下では蜘蛛の巣が
心細さうに揺れてゐる
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