脳辺雑記帖 (Nohhen-zahts)

脳病と心筋梗塞を患っての独り暮し、Rondo-Nth の生活・世相雑記。気まぐれ更新ですが、気長にお付合い下さい。

'Round Midnight

2007年09月28日 23時51分54秒 | 随想
薄曇りの人生なのに  夜が更けると  光よりも闇に惹かれる。  闇とは長い付き合いだ  闇に癒され  闇に鍛えられた。  深くて濃い闇と  Jazz に煙草…  オレら、きっと  死ぬまで、腐れ縁だぜ。 人気blogランキングへ ブログ村 自作詩・ポエム   . . . 本文を読む

In your own sweet way

2007年09月26日 21時25分15秒 | 音楽
心の中に雨が降る夜  傘を差し出してくれるような一曲である。 その差し出す手付きが、 親しげで、何故か懐かしいので、  誰だったっけ?と、 闇夜に眼をこらすが、  姿はない。   傘も消えている。 気がつけば、 夜空は晴れ渡っている。 十五夜の月明かりが照り返り、  夜道は、星の雫に濡れている。 確かにさっき、 誰かを感じたんだけど…と、 ほのかな想いを残り香に、 果てのない、一人居 . . . 本文を読む

コスプレ神父

2007年09月24日 19時57分45秒 | 読書・鑑賞雑感
「コスプレ神父」は、 絲山秋子の『エスケイプ/アブセント』(新潮社)に 脇役で登場するインチキ外人である。 「通販で法衣を買ったら似合った」ので、 「神父」になり、自宅を教会にしては、 近所のバアさん相手に説法をするのである。 ゲイで左翼クズレの主人公に問い詰められて、 「法衣を着たら神を信ずるようになった」が、 「人を愛せない」でいると告白する。 「コスプレ神父」は、 様々な意味において、 . . . 本文を読む

お彼岸

2007年09月23日 14時20分49秒 | コギト
庭に真っ赤なヒガンバナが10数本、 背筋をすーっと伸ばして咲いている。 花は、墓参の時候(とき)を忘れていない。 我が家の墓地は徒歩5分程の処にある。 母は既に墓前に参り、 花束を手向け、線香を上げていた。 私は桶に水を汲んできて、 墓石に雑巾がけをした。 墓石までも世俗の塵芥にまみれ、 雑巾は真っ黒になった。 家名の文字が彫られた窪みが、 黒ずんできているので、 歯ブラシを当てて擦ってみた . . . 本文を読む

千鳥ヶ渕墓苑

2007年09月22日 17時47分42秒 | 随想
九月下旬にしては、夏日のような陽気である。 午前に新宿西口で、高速バスに乗る友人を見送り、 その帰りに、九段下に向かい、千鳥ヶ渕墓苑を訪れた。 陽射しの降る、正午の九段坂をのぼり、 右手に見える靖国の大鳥居とポールに翻る日の丸に、 背を向けるように、お堀沿いに左折する。 皇居には、未だにセミの声が鳴り響いていた。 木々の繁るお堀端の石畳をしばらく歩くと、 右手に、墓苑の入り口が見えた。 この . . . 本文を読む

再々採血

2007年09月20日 23時15分33秒 | 近況
私の心臓に、 一匹のコオロギが鳴いている。 昼間、病院で採血中に、 アナフラキシー・ショックで  失神しかけてしまった。 顔や胸元から汗が噴き出し、 気が遠のいて視界が狭くなる。 脱力した体をソファーに寝かせてもらい、 しばらく看護婦さんに付き添ってもらった。 それ以来、今日は、 リー、リー、リーと、 小さな秋の虫が、 心細そうに鳴いている。 (PS:CK9220は、正常値に戻りました。) . . . 本文を読む

マッチ売りの少女

2007年09月19日 21時27分32秒 | 随想
一日、空は歌わなかった。  一日、風さえ聴こえなかった。 そんな平日の午後だった。 所用で、東東京にある、  降りたこともない駅の改札を出て、  居住用の高層マンションばかりの、 見知らぬ街を歩いていた。 駅前大通りと交差する、 首都高の高架下で、 一輪の花を見つけた。 花は  路面の舗装の裂け目から、 たくましくも地上に芽吹き、 可憐なピンクの花びらを咲かせながらも、 白い埃にまみれ、薄 . . . 本文を読む