脳辺雑記帖 (Nohhen-zahts)

脳病と心筋梗塞を患っての独り暮し、Rondo-Nth の生活・世相雑記。気まぐれ更新ですが、気長にお付合い下さい。

即興詩(2008・8・4)

2008年08月04日 23時40分40秒 | 言葉の雫
雨がじゃぶ、じゃぶ。   ジャブ、ストレート、左フック、 さらに連打に、右フック‥ で、私が勝ったの? いや、私はそれらを食らって負けたのだ。 だから、横たわる私の体に、 雨がじゃぶ、じゃぶ、降り注いでいる。 私を大地に沈め、ずぶ濡れにする、 そんな雨も、気持ち良い。 いや、気持ちが良いのは、 全身で大地を感じているせいだろうか。 雨よ、降れ。 激しく降れ。 夏の暑気と、夏の物憂さを流し . . . 本文を読む

やがての遺骨に。

2008年08月03日 21時38分56秒 | 言葉の雫
地の底で 骨、眠る    地上の喧騒の遠くを    骨は、ひっそりと眠る    そんな安らぎに    あなたを葬ることが    私の務めでもあるのか?    あなたが、 逞しくも生きて見せてくれた   その身を焼き尽くし   私は、あなたと別れる    私は、あなたの息子として    その運命を引き受けねばならない     運命とは、あなたが一生を尽くして    運んだ命のことである   . . . 本文を読む

Blue NOON

2008年06月01日 16時11分48秒 | 言葉の雫
ことばのない   音符の夢にまどろむと    ピアノは、転がって、銀の鈴     首に付けたネコの気まぐれ‥  おおきなガラス窓の外の   白い雲が薄くたなびいて、水の空    初夏の匂う風の六月  生きる意味も忘れた頃に、「意味」はやって来て   私は、どうでもいいもののように捕まって    隠れんぼ、見つかった子供のように     アハハ‥と笑って でも空は青く澄んでいて   晴れた日 . . . 本文を読む

タオ(6)

2008年05月18日 12時30分27秒 | 言葉の雫
善(よ)く士為(た)る者は武ならず。 善く戦う者は怒らず。 善く敵に勝つ者は与(くみ)せず。 善く人を用うる者は之が下と為(な)る。 (出典:『老子』小川環樹訳注、中公文庫) 『道徳経』第68章の冒頭「不争の徳」について記された個所である。 一行目は、「武士」のような言葉と、形容矛盾を抱かれる向きもあろうが、「武」の字義は、「矛」を「止」めるものの意であると言われている。そんなことと重ねて、 . . . 本文を読む

タオ(5)

2008年05月02日 11時44分35秒 | 言葉の雫
営(まよ)える魄(はく)を載(やす)んじ、 一(いつ)を抱いて、 能(よ)く離れしむる無からんか。 気を専(もっぱ)らにし柔(じゅう)を致して、 能く嬰児(えいじ)のごとくならんか。 (『老子』(中公文庫)道徳経第十章から引用) 私は、名辞以前の一(いつ)、一つの空虚を抱いて、 生まれたての嬰児のように丸くなり、 やわらかい呼吸をしながら、生きていきたい。 私とは、私の抱くである。 まるで . . . 本文を読む

タオ(4)

2007年08月28日 09時41分34秒 | 言葉の雫
上善は水の若(ごと)し。 水は善く万物を利して而(しか)も争わず。 衆人の悪(にく)む所に処(お)る。 故に道に畿(ちか)し。 (出典:『老子』小川環樹訳注、中央公論社) 老子『道徳経』の中でも有名な第八章冒頭の一節です。 水の尊さと、その真に高貴な美しさを感じさせます。 老荘好きには、最も親しまれ、愛されてきた章句ではないでしょうか。 「衆人の悪む所」とは、訳注に拠れば、「低いところ」あ . . . 本文を読む