【5/5(日)木下黄太講演+対話集会 IN松山】開催決定
『放射能被曝の真実と原発の再稼働問題』
(開場13:30 開始14:00 終了予定16:00)
松山市男女共同参画推進センター 5F 大会議室(松山市三番町6丁目4番地20)
申込⇒http://kokucheese.com/event/index/86703/
===========================================
「(JCO臨界被曝事故)この事故で被爆してその後10年間で亡くなった人数は、数百名になってます」
こういう記述が、あるブログからの発信で、きのうツイッター上にこの情報が拡散して目を疑いました。こんな基本的に事実が明らかになっていることについて、虚偽の情報が平気で流れていくことに、僕はびっくりします。
これは、こうした情報を精査しない、彼方達の問題でもあります。
僕は、東海村のJCO臨界被曝事故には発生二時間後から現地に入り、二週間現地にいました。そのときの被曝が原因で、数百人が死んでいる状況があれば、もういろんな裁判や反対運動で話が何か出ます。僕は聞いたことがありません。当時、数週間単位で、いつづけた記者は殆どいません。僕はいましたから、WBCも受けて、当時の自分の被曝線量も知っています。政府推計が0.2ミリシーベルト程度。阪南中央病院などの反対側の推定でもその五倍、1ミリシーベルト程度です。
今回の福島の事故とまったく比較になりません。遥かに少ないです。
しかもあの時は放射性物質の放出はほぼありません。臨界がおき、放射線が出ただけです。放射線の外部被ばくは距離に関係します。中性子線が出ていたという危険はありましたが、それでも至近距離で、長時間照射を受けた人に大きな危険があるだけで、そうした人はごく少数です。
JCO事故の時に、周辺の民間人で発生源の転換試験棟に至近距離だったのは、大泉昭一さんご夫妻です。2011年に逝去されました。奥様は御存命です。JCOの転換試験棟は、構内の他の建物から離れていて、大泉さんの家が塀を挟んで反対側。実は、距離的には近かったのです。むしろ構内のほかの建物は、試験棟から遠いのです。大泉さんのご家族は健康被害を訴えていて、裁判で認められてはいませんが、健康被害としてカウントすべきと僕も思います。
仮に、大泉氏の逝去や、当時転換試験棟に近づいた処理チームの中で、この10年間の死亡があり得ても、最大数十人と思います(最大推定です。多分もっともっと少ない)。これを全て原発由来の死と無理やり定義づけても、それが限界です。JCOの当時東海村事業所にいたのはまず百人程度です。消防、警察、報道陣併せて数百人もいるかいないかです。このほとんどの人間は、大泉さんの建物よりも、転換試験棟から距離がある場所にいました。つまり、大泉さんよりも被曝は少ないです。この臨界では、発生直後が最も線量が高く、二時間後までが一定量、その後24時間でほぼ収まりました。
夕刻までに、政府が判断のない状態で、村上村長の判断で数キロ圏の村民が避難しています。ですから、相当な外部線量被曝をした村民の存在はかなりないのです(一般の村民では、大泉さんご家族が最も被曝しています)。
これは、当時ある大学教授が尿検査で、DNAの破壊程度を調べましたが、村民はほとんど平常値とおなじでした。
しかし、転換試験棟内で作業していた、大内さんや篠原さんは放射線で相当な外部被曝をされて、その後亡くなりました。もう一人の作業員の方は、扉一枚向こう側におられたのですが、被曝は相当したものの(彼の被ばく量が三番目です)、御存命の筈です。
しかもこの事故は、放射性物質が、事故の性格上、皆無とまでは言いませんが、殆ど出ていません。放射性物質の放出がほぼなかった事故で、放射線が原因で数百人死んでいることはありえません。一定の近い距離にいたのが、そもそもどんなに多くカウントしても数百人が最大数。数百人が死んでいるのが事実なら、この全員が死んでいることになります。しかし、そんな話は全く聞きません。あきらかに、嘘話です。まず、僕も死んでいる中にいないとなりませんし、僕が知っている数多くの人が死んでいないとなりませんが、死んでいません。
そもそも、放射性物質が拡散している話と、外部線量のみの話は根幹から違います。外部線量のみで死ぬのは、余程近距離で、高線量被曝した場合のみですし、一定期間低線量で浴び続けた場合に、その後どうなってくるのかと言うことです。今回の話は、どちらでもありません。放射線が出ていたのは一日で終わっているし、高線量は殆ど転換試験棟の建物内までです。そのうち三人のうち、1人が生きていらっしゃることを考えると何百人も死んでいることはありえません。
大内さんや篠原さんのそうした高線量被曝のやけど写真(極めて厳しい写真)を掲示して、「日立の人間が数百人死んだんだと言っている」というような虚偽話を拡散しているのは、相当悪質です。
このブログの筆者と、ずいぶん前に、一度電話で話したことがありますが、その時の話の感触と他の記事内容から、情報源として、僕には何の信頼感もありません。これを丸呑みして信じるのか???と思います。むしろ信じるネット読者の問題が大きいです。
これを信じた彼方達は、二年間、何にもきちんと勉強していない人が多数と実感しました。
恥ずかしいです。放射性物質と放射線の違い、頼むから、基本的な本でもよいから、もう一度確認して下さい。
JCOの事故は、頼むから、インターネットで基本的な検索くらいして、最低限の事実関係位、確認して下さい。
少し考えたら、違うと分かる話をこんなに簡単に騙されるのは恥ずかしいです。
「数百人は大袈裟かもしれませんが嘘の話ではない様な気がしますが…どうなんでしょうか?」こんなニュアンスが返ってきていて、僕の中では失望が深まります。頼むから、少しは考えて下さい。
本当に考えるのを、思考するのを止めている人が多い。それじゃ、ダメです。
こんなのでは、売名や違う目的での虚偽情報に、簡単にやられますよ。もう二年も経過しているのに。
頼むから、考えてくれ。頼むから。
=================================================
【5/3(祝)木下黄太講演会 IN徳島】
『マスコミが報道できない西日本の真実』
とくぎんトモニプラザ(徳島県青少年センター)4F会議室2
徳島市徳島町城内2番地1
申込→http://kokucheese.com/event/index/86370/
=================================================
「関東・南東北の被曝エリア(東京全域を含む大半のエリア)にいる皆さんは、放射性物質の少ないエリア、できれば愛知県から西のエリアに、移住するべきです。妊婦、子供、未成年、妊娠可能な女性は優先して移住すべきです。他の皆さんも極力移住してください。被曝から二年経過しています。初期被曝は深刻で、慢性被曝の影響でさらに蓄積します。食物、飲料のみならず、吸気による被曝は深刻です。回避する方法は限定的です。あなたやあなたの家族の命と健康が何よりも大切です。一刻も早く移住してください。」
健康被害相談などもまずはメールでお話し下さい。⇒
nagaikenji20070927@yahoo.co.jp(コピーして貼り付けて下さい)
講演など、何か業務的な依頼をされたい方も原則このメール⇒電話でお話しする順番です。
事故発生当時の行動記録や数値データなどを細かく教えてください。問い合わせの内容も書いてください。 健康被害の状態を皆で共有化し、事態の推移をあきらかにしていく作業が最も必要です。
================================================