「木下黄太のブログ」 ジャーナリストで著述家、木下黄太のブログ。

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滋賀県知事選挙、自民系候補が僅差で敗退という現象から考える。

2014-07-14 08:57:00 | 福島第一原発と放射能

滋賀県知事選挙は、三日月候補がこやり候補を僅差で破りました。

三日月大造(無所属・新)25万3728票。
小鑓隆史(無所属・新)24万652票。

13000票しかはなれていません。近年まれにみる大接戦であったことはあきらかです。

この選挙は、実は嘉田知事が出ていれば、圧勝であったことは、明らかな選挙でした。

両陣営側はそこは知り尽くしていました。

嘉田知事が出ないと言う場合に、それでも三日月氏が、代議士であったため、地元滋賀県内での知名度があり、10%近く上回っていたというのが、3月時点で嘉田側の選対分析でした。

このため、安倍政権の全面的後押しで、こやり氏がぎりぎり追いついてくるのかどうなのかということでした。

三日月が知名度差で逃げ切れるか、こやりが追いつくのか。

逆風しかそもそもない三日月氏が厳しい状態の中で、まず集団的自衛権の話が、潮目を変えました。

滋賀県知事選挙と本質的な関係はないにもかかわらず、自民政権がこの知事選挙で原発再稼動のきっかけとしたいという裏の思惑があったため、この選挙は自民が更に勝つどうなるのかというテーマが、元々際立ってしまいました。

そこで集団的自衛権。

それに嫌だと思う人たちが、三日月氏に投票しています。これは大きかったでしょう。

更に、こやり氏の陣営内部からの不協和音、こやり氏の記者メモとされる(本人否定)文書の流出など、陣営内がごたついていることも、実際的にはマイナスになりました。

そして、結果的に僅差で滑り込む三日月氏。

代議士としての地元で、尚且つ大票田である草津市で、数千票差をつけたことでなんとかなりました。

しかし、この差を見ていると、集団的自衛権という神風と、相手側陣営と候補のごたつきがあるのに、ここまでしか差がつけられなかったというほうが真相と思います。

とても手放しで褒める数字ではありません。

国政レベルでは自民党安倍政権に多少のストップはかけられた選挙にはなりましたし、これを原発再稼動にコマとして使われることだけは防げました。

しかし、今の現状の日本が、安倍政権的な経済メリットを他の要因よりも望んでいる人たちが、あまりにも多いことが、ここ滋賀県でさえも、あからさまとなっている選挙ともいえます。

なんというか、実は日本という国のどうしようもない浅ましさが、浮き彫りとなった選挙なのだと僕は感じているのです。