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これは如何ともし難い状態になっていることだけが分ります。
南相馬市のコメが前年よりも、汚染が強まっていることがおかしいということから、農水省がしらべたところ、去年8月以降に出来ている稲穂の箇所に高濃度な放射性物質を付着させていたそうです。
下からの吸い上げではなかったことから、この時点で新たな放射性物質が、大気中を伝わっていったのではないのか、その推測を元に、当時の放出量を確認したところ、一日に最大で4兆ベクレル放出していた可能性もある試算を、東京電力は出しているそうです。
8/19の三号機ガレキ撤去の際、クレーンで起きていたトラブルが原因と考えられています。
それが、避難地域外にあたる場所まで、最低でも、何十キロかは拡散していたということです。
これはいったい、何をしているのかと思います。
そもそも、少しの作業ミスで、これだけ広範囲に、粉塵が飛ぶことがありえることを、東京電力も認識していなかったのか。
農水省から、指摘後に試算している内容も含めて、この情報は、長期間、隠されていたことも、今回、はっきりとしていると思います。3月にわかっていることが、7月中旬まで公表されていません。
そして、東電は、福島第一原発の一号機のガレキ撤去にまだメドは経っていません。汚染が強く、線量が高すぎて作業が出来ていません。
しかし、この一号機の建屋カバーを外す予定があることは、この6月から、オープンにしています。
これをまとめると、三号機ガレキの撤去作業で失敗し、何十キロ先までの高濃度汚染となる放射性物質の大放出をしてしまった東電が、放射性物質拡散リスクが広範囲におきていることを公にしないで、一号機建屋カバーを外すと先に宣言したと言うことです。
ふつうに考えたら、狂気の話です。
まともな神経で考えたら、ありえない構造。
危険リスクを十分に認識せず、作業ミスし、そのことによる悪影響が想定以上に広域になり、その事態が指摘されて関係者間で共有されたのに、同様のリスクを増大させる作業を新たに始めるぞと社会に宣言し、以前おきた事態を社会に一定期間黙り続けていたという話です。
こんなことをしている企業が、この事態に解決処理能力があると考えるほうが、ありえない思考です。しかし、こうしたことが、日本では普通の話として継続しています。
ちなみに東京電力が出している、最大で4兆ベクレルの放出が本当に正しいかどうかは、検証は出来ないです。
東電が多めに最大推定を出している可能性の方が低いであろうということだけは、この三年以上の経験知として言えると僕は思います。
放射性物質が僅かのトラブルで、大量に大気中に拡散され、広域に影響が及ぶ可能性がある状態がそのままであることを再認識するしかありませんし、3.11以後に放射性物質の降下が有意に確認されている地域には、その状況に応じたリスクが、現在も当然あることを、再確認するしかありません。
作業ミスで舞う粉塵レベル由来であっても。
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200席定員のうちのおよそ半分、すでに申し込まれています。お急ぎ下さい。
岡山開催!
【8/10(日) 三田医師&木下黄太 トーク「被曝影響と放射能防御」】
8/10(日)13時開場、13時半開演
きらめきプラザ3階 (岡山市北区南方2丁目13-1)
申込&詳細⇒http://kokucheese.com/event/index/168805/
<申込された皆さんのメッセージ>
●長崎県在住
三田医師の話をぜひ聞いてみたいと思っていました。木下さんとのトーク、楽しみです。
●岡山県在住
先日、三田先生に診察していただいた放射能に対する危機意識の薄い息子も、都合が合えば一緒に参加したいです。その時は、当日券で。よろしくお願いします。
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郷地医師は東神戸診療所。
チェルノブイリの救援活動をおこなっていた医師の一人で、3.11以降は、福島や関東・南東北の避難者の診察にあたっています。関西エリアでは、この被曝に関して、診察に行くことを考えている避難者が、被曝について認識のある医師に診察を受けたいという意向が強い場合に、真っ先に名前の挙がるクリニックの一つです。僕も、何人かの避難者に、お伝えしたこともあります。
郷地医師はバンダジェフスキー博士の医師向けセミナーに参加していただいていて、僕もお会いしています。ただし、そのセミナー会場では、この3.11.以降の被曝が健康にどのような影響を与えるのかというポイントについて、具体的言及は極力されませんでした。
学術的に慎重な態度を留保されていたのだろうと思います。放射能被曝による健康被害を、声高におっしゃる医師ではありません。そうした立ち位置であっても、鼻血の話は被曝によるものの可能性が高いのではないかという推定をされているということです。
高線量な外部被曝による骨髄や血液の重い症状がおきて鼻血が出ている訳ではないという、僕ら放射能防御考えている人々が認識している話と、今回の郷地医師の内容はシンクロします。現実に聞いている鼻血報告から、こうした推定をするのが、ごく当たり前の感覚であると言うことです。
鼻血を声高に否定する人々が、こちらが説明している内容も確認せずに、「あの線量で、急性異常はおきないから、鼻血は出ない。鼻血を放射能の関連で言うことはデマや差別」というような、こちらが元々、主張していない内容を、こちらの主張している話のように虚偽にでっち上げて、放射能防御側を攻撃するという構造(僕からすればウソもいい加減にしろという話)に、郷地医師の報告は、楔を打つものにはなると思います。
以下は神戸新聞より引用。
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東日本大震災による原発事故の後、福島県では、子どもを中心に鼻血が出る症状が相次いだ。漫画「美味(おい)しんぼ」で登場人物が鼻血を流す場面が「風評被害を招く」などと批判されたが、実際に放射性物質が結合した金属粒子が鼻の粘膜に付着し、内部被ばくを起こした可能性があることを、東神戸診療所(神戸市中央区)の郷地(ごうち)秀夫所長が12日に名古屋市で開かれた日本社会医学会で発表した。(三上喜美男)
郷地所長は神戸大学医学部卒業。兵庫県内で約35年間、被爆者の治療を続け、福島などから避難している被災者の診断や健康相談にも当たっている。
郷地所長によると、福島からの避難者の2人に1人ほどが家族などの鼻血を体験している。突然出血し、普段あまり鼻血を出さなかった子どもが多いのが特徴。避難後はほとんどの症状が治まっているという。
500ミリシーベルト以上の放射線を全身に浴びれば、急性障害で鼻血が出る場合がある。だが福島ではそうした被ばく例はなく、放射線と鼻血の因果関係を疑問視する専門家もいる。
しかし、東日本大震災の被災地では、原発から飛散した放射性セシウムなどが金属粒子と結び付き拡散したことが気象庁気象研究所の観測などで確認された。東日本一円で医療機関のエックス線フィルムが粒子で感光する現象もみられ、当初から健康への影響を疑う声が聞かれていた。
郷地所長は、金属粒子が鼻の粘膜に付着したのが引き金となった可能性を指摘する。金属粒子は直径数ミクロンで、人体のごく小さな範囲に1日100ミリシーベルトを超える放射線を出し、組織を損傷する。
郷地所長は「もともと花粉症やアレルギーなどで粘膜が炎症していた人が出血を起こしても不思議はない」と話す。大量に吸い込んだ人も少なくないとみられ、内部被ばくの問題と捉え、早期に科学的な調査と分析をすべきだったと強調する。