俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

言論の責任(2)

2010-01-22 16:38:48 | Weblog
 言論の責任を負うべきなのはマスコミだけではない。総ての権力者は責任を負う。
 今月7日には菅副総理兼財務大臣の不用意な発言で為替相場が大きく動いた。権力者は口先介入をするだけで相場を動かすことができる。「円・ドルのレートは○○円が望ましい」と発言すれば相場は一時的にはその方向へと動く。
 民主党の幹部は自らが権力者だという自覚が不足しているようだ。今の民主党は言論が自由な(責任を問われない)野党ではなく言論の責任を負わざるを得ない政権与党だ。このことを充分に自覚して貰わなければ困る。
 鳩山首相は17日には「(小沢氏は)検察と戦ってください」と言った。これも自覚を欠いた発言だ。一国の首相が「戦ってください」と言えばそれは「戦いなさい」という命令になる。
 20日の「(石川議員が)起訴されないことを望む」に至ってはもうどう仕様も無い。首相がこんな発言をすれば千葉法務大臣はそれを受けて動かざるを得ない。指揮権発動と解釈されて当然だ。慌てて取り消しても覆水は盆に返らない。
 「綸言汗の如し」という言葉がある。これは「一度口にした君主の言は、汗が体内に戻らないように取り消すことができない」(広辞苑)という意味だ。「そんなつもりではなかった」と言い訳したり取り消したりするようでは権力者たる資質が問われる。

職業別寿命

2010-01-22 16:17:57 | Weblog
 職業別の寿命に関する詳しいデータは見当たらない。もしかしたら事情があって伏せられているのかも知れない。
 私の手に入る僅かの資料に基づくと宗教家と金持ちは長寿で医師は短命らしい。
 先日、プロ野球の小林繁氏が57歳で亡くなったが、プロスポーツ選手も短命という印象が強い。特に大相撲の力士は明らかに短命だ。プロスポーツ選手は肉体を極限まで酷使するから無理が生じるのだろう。
 スポーツ選手は最も健康な人と考えられ勝ちだが、それは動物的生命力と植物的生命力を混同している。ライオンはロバより長生きする訳ではない。人間でも男性より女性のほうが植物的生命力は明らかに優っている。
 これは知人から聞いた話で信憑性は乏しいが、ある鉄道会社の社員は定年後すぐに死ぬ人が多いそうだ。営業時間の長い駅の仕事は勤務時間が不規則であり深夜労働も発生するから睡眠障害を起こす人が多いようだ。
 以下は私の推測でしかないが、医師、警察官、消防士、駅員、介護士、警備員、風俗店従業員、長距離トラック運転手、コンビニ店員、日雇い労働者およびプロスポーツ選手といった仕事の人は平均寿命が短いのではないだろうか。生活のリズムが不規則であることや過酷な労働や増減量および危険な仕事はほぼ確実に寿命を縮める要因となる。
 高額の報酬がある医師とプロスポーツ選手なら本人もある程度覚悟しているのかも知れない。しかし介護士、警備員、日雇い労働者などの職業は就職難の時代になっても人気が無い。それは命を削っているにも関わらず低報酬だからだろう。こんなことは放置して良い問題ではない。命を削るような仕事などあるべきではないし、仮に認めるなら少なくとも高報酬で報いるべきだろう。
 もし職業別寿命のデータがあれば教えて欲しい。

自由のパラドクス

2010-01-22 16:05:55 | Weblog
 自由が認められた社会では「他人の自由を侵害する自由」も認められるのだろうか。言葉の上ではそんな自由もありそうに思えるが「自由を侵害する」とは他人の自由を否定すること、つまり他人の自由を認めないことであり、これは最初の前提である「自由が認められた社会」に背くことになるから、こんな「自由」が認められることは論理的にあり得ない。自由の肥大は必ず他人の自由を侵害することに繋がるから、それを防ぐためには「ほどほど」であることが必要となる。
 同様に、権利が認められる社会では「他人の権利を侵害する権利」は認められない。
 傍若無人な人は自分の自由と権利を主張する。多少自分の自由と権利を多目に要求しても寛大な日本人の多くは大目に見てくれるが、他人の自由と権利を侵害するレベルにまで達したら相手からの報復は避けられない。
 甘やかされて付け上がった者は一度痛い目に会う必要があるのかも知れない。日本人はこれまで我侭な人に対して寛大であり過ぎた。これが各種のモンスターを生んだ原因だろう。彼らは決して恐るべきモンスターではない。ただの愚か者だ。