俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

未亡人

2010-02-05 16:51:29 | Weblog
 夫のほうが妻より年上という傾向は世界中で共通らしい。そうなる理由は社会的な事情もあるが、男性は若い女性が好き、女性は男性より早熟なので同年代の男性では物足りないということが大きな原因ではないだろうか。
 但し、夫が妻より年上であることは困った老後を招く。女性のほうが長寿な上に年下なのだから、大抵の妻は夫を亡くした後かなり長い期間を未亡人として一人で生きねばならない。
 しかしこれも必ずしも悪いことではないようだ。夫を亡くした妻は長生きし、妻を亡くした夫は早死にするらしいから、夫が先に死ぬということは国民の長寿に貢献しているとも言える。
 ところで敢えて未亡人という言葉を使ったがこれは酷い言葉だ。「未だ亡くならない人」とはどういうことか。「夫が死んだのだから早く死ね」という意味だろうか。こんな言葉の使用は慎むべきだろう。代わりに後家とか寡婦とかやもめを使えば充分に事足りる。
 マスコミは様々な禁止語を決めている。中には「なぜこの言葉が?」と驚くような言葉が規制されている。私は決して言葉狩りには賛同しないが、未亡人という失礼な言葉の使用は自粛したほうが良いように思う。

日系ブラジル人

2010-02-05 16:32:45 | Weblog
 日系ブラジル人による日本での犯罪に対して我々日本人は一方的に非難することはできない。なぜなら日本という国は彼らを2度も騙した加害者だからだ。
 一度目は彼らがブラジルに渡る時だ。当時の日本政府はまるで無限の耕地があるかのように喧伝して移民を奨励した。しかし耕地は与えられず、奴隷に等しい過酷な労働に甘んじるか、荒地やアマゾン川流域を開拓するかしか選択肢は無かった。一世の多くは日本を恨みながらその地に骨を埋めた。
 二度目は日本に対する恨みの薄れた二世・三世に対する処遇だ。日本は少子高齢化に対処するため日系ブラジル人を労働者として優先的に受け入れた。豊かな祖国での豊かな暮らしを夢見て来日した彼らに日本は何をしたか。不況になれば、派遣労働者よりも先に、言葉と文化の異なる彼らを切り捨てた。
 彼らはブラジル人だから日本人としての権利は無い。そのためセーフティネットに摑まることもできず、一挙に最貧者となった。地縁も血縁も無い彼らは、かつて同僚だった、そして彼らと同様に解雇された日系ブラジル人同士で助け合うしか無かった。たとえ多少悪いことをしてでも。なぜなら彼らを悲惨な境遇に追い込んだのは日本という国だ。日本に彼らが復讐をすることを日本人の誰が咎められよう。
 日本人は外国人に冷たい。日本人さえ良ければそれで充分だと考える。安易に外国人を輸入して真っ先に切り捨てる。看護や介護が足りなくなればフィリピン人やインドネシア人を輸入して、景気が悪化して日本人の雇用が確保できそうになったら掌を返すように追い出そうとする。外国人は日本人の雇用の調整弁でしかないのか?

シンデレラボーイ

2010-02-05 16:12:38 | Weblog
 女性はお金持ちの男が好きだ。結婚において最も重視されることは経済力があるということであって、容姿や健康や人格や知性などは経済力ほどには評価されない。
 このことは通常、男が権力を握っているために女性は隷属させられているという社会制度の欠陥に基づくものと解釈されている。
 ところが面白いデータが見つかった。アメリカで経済的に成功している女性は普通の女性以上に夫に経済力があることを要求するそうだ。なるほど、クリントン夫妻に限らず、セレブの女性はセレブの男性を伴侶にしている。セレブの女性が「馬の骨」を伴侶にすることは珍しい。
 日本でも政治家や医師や弁護士あるいは芸能人などのセレブの女性はセレブの男性を選ぶ。社会的レベルが近いほうが好ましいという事情もあろうが、男のシンデレラは極めて珍しい。私が知っている唯一の事例は小柳ルミ子さんだが、この結婚は破綻した。
 西城正三というボクサーがかつてシンデレラボーイと呼ばれた。これは日本では無名だった選手がアメリカで世界チャンピオンになったことをシンデレラに譬えただけのことであり、女性のシンデレラとは全然違う。女優からモナコ王妃になったグレース・ケリーこそ最も典型的なシンデレラだろう。
 もしかしたら女性には「経済力のある男を好きになる」という遺伝子が組み込まれているのかも知れない。もしそうなら男性が金儲けをしたがるのは伴侶を獲得するという性的淘汰によって育てられた性質なのかも知れない。
 勿論、原始時代にはお金は無い。だから当時は生活力のある男を好むという遺伝子だったものが、現代では金持ちや権力者が好きという性質として現れている可能性がある。
 多くの哲学者や宗教人が独身なのは、経済力を重視しない生き方が女性の好みに合わないからではないかと勝手に考えて一人で面白がっている。