俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

競争

2010-02-19 14:04:03 | Weblog
 生まれたばかりの乳児は何もできない。移動も摂食も排泄も親に頼らざるを得ない。乳児の意識については想像するしか無いが、多分、無能感を持っているだろう。
 幼児の段階でこれが突然、全能感に変わる。何しろ自分の意志で移動できるのだし、泣き叫べば周囲を意のままに操れる。きっと自分のことを「小皇帝」と思っていることだろう。
 弟か妹がいなければ、幼児は幼稚園か保育園で初めて自分が全能でないことを知る。他者と競争することを通じて自分が決して卓越した存在ではないことを思い知らされる。
 競争は決して他人を蹴落とすためにする訳ではない。競争を通じて自分を社会の中に位置づけることが可能になる。競争したことの無い人間は鼻持ちならない傲慢な性格になる。
 優し過ぎる無競争の社会は自分を社会に中に位置付け損なった唯我独尊者を生む。

脱税

2010-02-19 13:45:42 | Weblog
 増税をしなくても税収は増やせる。脱税を厳しく取り締まれば良い。
 現在、脱税が放置されているのは①脱税を摘発するために必要な経費のほうが摘発による税収増よりも高額になる②脱税容疑者が多すぎて手が回らない、からだろう。
 脱税が横行しているのは①どうせバレない②バレたら払えば良い、と脱税者が考えているからだろう。
 それならば追徴課税を10倍ぐらいにすれば問題は一挙に解決する筈だ。
 法人の9割以上が赤字決算を理由にして法人税を納めていない。誰が考えても分かることだが、創業以来ずっと赤字の企業が存続できる筈が無い。ほぼ確実に粉飾決算だ。こんな企業はビシビシ取り締まれば良い。脱税は犯罪なのだから。犯罪者を甘やかすから脱税が蔓延して国は貧しくなり悪い奴がトクをする社会になってしまっている。脱税がバレたら倒産するくらい厳しく対処すれば怖くて誰も脱税などしなくなるだろう。
 税収は国の存立基盤だ。税収が無ければ国も自治体も機能しない。脱税は個人にたいする犯罪ではなく、国家=全国民に対する犯罪だ。従って殺人罪より重くても構わない。
 脱税に対して日本はなぜ甘いのか。権力者が自ら脱税しているからだろう。鳩山ブラザーズは修正申告をしたが、追徴課税額以上のペナルティを自ら課すべきだろう。小沢幹事長は政治資金管理法からは狡く逃れて秘書に責任を押し付けたが、脱税が発覚することはほぼ間違い無かろう。
 脱税を許さない社会になれば、国債に頼らなくても子供手当てを満額支給できるのではないだろうか。

目的と手段

2010-02-19 13:29:09 | Weblog
 私は環境保護団体のシーシェパードとグリーンピースが大嫌いだ。彼らが捕鯨に反対するからではない。彼らが似非エコロジストであり目的のためなら手段を選ばないからだ。
 彼らは環境を守るためなら非合法な活動も許されると考えて行動する。シーシェパードは日本の調査捕鯨船を攻撃する。グリーンピース・ジャパンのメンバーは運送会社の配送所から鯨肉を盗んだ。捕鯨という悪事を撲滅するためなら犯罪も辞さない。
 彼らは捕鯨阻止という崇高な目的のためなら不正な手段も正当化されると考える。全く逆だ!!不正な手段は正しい筈の目的をさえ醜悪化させる!
 かつて日本の警察は別件逮捕という手法をしばしば使った。家宅捜索できるほどには容疑のレベルが高くない市民に対して、証拠のある微罪を利用して強制捜査をして凶悪犯罪の証拠を探した。この手法は問題があるので今ではかなり自粛されている。
 テロを防止するためであろうと無制限な盗聴は認められない。国家の安泰のための言論弾圧も許されない。自白させるための拷問など論外だ。
 グリーンピースは環境を守るためという錦の御旗を掲げてしばしば嘘の情報を流す。こんな団体こそ真面目な環境団体の敵だ。彼らのせいで環境保護活動そのものまでが胡散臭く見られてしまう。
 これは環境保護活動に限ったことではない。怪しげな自称愛国者が闊歩するせいで、日本人は愛国という言葉を本来の意味で使えなくなってしまった。独り善がりの独善家は迷惑だ。