俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

安全基準

2011-05-20 15:26:04 | Weblog
 ユッケによる食中毒事件をきっかけにして生食肉に関するルールが見直されたが、こんなマイナーな食品だけではなくもっとメジャーなものを見直す必要がある。1年間に53億食が消費されるインスタントラーメンだ。
 インスタントラーメンによる食中毒など聞いたことが無いが常食すれば有害であることはほぼ確実だろう。医学的根拠は曖昧だが消費者には次のような常識がある。
 ・同じメーカーの品ばかり食べ続けると微量の有害物質が蓄積されるので複数のメーカーの品を食べたほうが安全。
 ・麺を茹でた湯には低品質の油が溶けているので、湯切りをした麺を新しい湯で作ったスープに入れたほうが良い。
 ・卵や野菜などを加えれば栄養価は高まる。
 ・古いインスタントラーメンは油が変質している。
 ・ラーメンスープは塩分が多いので飲まないほうが良い。
 どの程度本当なのか分からないがこれらが俗説として罷り通っている。河豚や生肉のような危険な食品の規制も必要だが常食されている非健康食品に対する啓蒙はもっと重視されても良かろう。
 老若を問わず一人暮らしの男性はインスタントラーメンに頼り勝ちだ。このことが単身男性の短命化を招いているのかも知れない。多くの消費者が実際にいるのだから、厚生労働省はジャンクフードと決め付けるだけではなく、安全な食べ方を指導すべきだろう。あるいは比較的安全な物を推薦すべきだろう。

自然エネルギー

2011-05-20 15:10:48 | Weblog
 原発の危険性が露呈したことで政治家やマスコミは自然エネルギーに注目している。
 しかし長らく本命視されていた太陽エネルギーは面積効率が悪過ぎて日本で大規模に導入することは不可能だ。個人の需要を充たすためには1人当たり300㎡の太陽電池パネルが必要とのことだ。太陽電池パネルの下には光が届かないので、使いようのない土地か建物の屋上と南面にしか設置できない。人口が1/10にでもならない限り補助電力でしかあり得ない。
 地震国であるから原発が危険であるのと同様に、台風国でもある日本は風力発電にも向いていない。これまでに多数の風力発電機が倒壊している。
 地熱発電は比較的有望だろう。温泉は天然の地熱エネルギーだ。しかしこれを大々的に利用すると温泉が涸れてしまう。実際に地熱発電のせいで温泉が冷泉になってしまったと思われる実例もある。
 水力発電もダムを使った大規模なものではなく、自然の水流によってタービンを回せば環境破壊は少ない。しかし小さな発電所を多数作ることは高コストになるので現実的には難しい。
 一番確実な方法は電気使用量を減らすことだろう。危険な原発に頼った便利な生活か、原発に頼らないやや不便な生活かの二者択一だ。安全で便利な生活は諦めるべきだろう。日本の人口は多過ぎるから自然エネルギーだけでは賄い切れない。これが現実だ。

原発の危険性

2011-05-20 14:58:30 | Weblog
 津波と外部電源喪失にさえ備えれば原発は安全になると日本人は信じさせられようとしている。これは危険なことだ。原発の危険性はそれだけでは回避できない。
 津波に隠れて地震そのものの危険性が軽視されている。巨大断層が原発の真下に生じる場合を想定する必要がある。原子炉などの施設がどれほど頑丈であろうとも、地盤が崩壊すればどうしようもない。例えば5mの断層が縦か横に生じた場合に原発はどうなるだろうか。絶対に無事では済まない。今回の津波被害とは比較にならないほど酷い損傷を被るだろう。
 今回の原発事故から学ぶべきなのは、原発が津波と電源喪失に弱いということだけではない。原発が危険な施設だということを痛感せねばならない。
 今回の直接原因である津波と電源喪失のみに対処することは対症療法と同じで問題解決には繋がらない。次の原発事故ではきっと、津波には対処できたが想定外の大きな地震には耐えられなかったということになってしまうだろう。これではまるでモグラ叩きのようなものだ。津波と電源喪失にさえ対処できれば原発は安全なものになるという盲信は新たな安全神話に過ぎない。