旅行のため来週は休載します。再開は31日(火)の予定です。
全国的には「肉まん」が普通だが関西では「豚まん」と呼ぶ。関西らしい下品な呼称だが決して面白がってこう呼んでいる訳ではない。関西では「肉」と言えば基本的には牛肉を指すからだ。焼肉も肉じゃがも肉うどんも牛肉を使わねばならない。豚肉を使ったら客が文句を言う。
初めて「牛焼肉定食」というメニューを見た時は驚いた。なぜ蛇足とも思える「牛」を冠するのかと思った。場末の汚い大衆食堂ならともかく、関西では焼肉に牛を使うのは当たり前だ。「ステーキ」と言えばビーフステ-キを意味するのと同じことだ。豚を使う場合に「ポークステーキ」と表示して区別すれば済むことだ。「牛焼肉定食」という言葉にはそれほどの違和感を覚えた。
肉野菜炒めは例外で豚肉を使っても構わない。多分、中華料理から広がったからだろう。
関東では肉じゃがに豚肉を使うと聞いた時には絶句した。これは絶対に許されない。肉じゃがの歴史に背く料理でありこれこそ「豚じゃが」と呼ぶべきだ。
肉じゃがの起源は割りとよく知られている。日露戦争の英雄東郷平八郎元帥が英国留学時に食べたビーフシチューを和風で作らせた料理だ。従って絶対に牛肉でなければならない。
初めて「牛焼肉定食」というメニューを見た時は驚いた。なぜ蛇足とも思える「牛」を冠するのかと思った。場末の汚い大衆食堂ならともかく、関西では焼肉に牛を使うのは当たり前だ。「ステーキ」と言えばビーフステ-キを意味するのと同じことだ。豚を使う場合に「ポークステーキ」と表示して区別すれば済むことだ。「牛焼肉定食」という言葉にはそれほどの違和感を覚えた。
肉野菜炒めは例外で豚肉を使っても構わない。多分、中華料理から広がったからだろう。
関東では肉じゃがに豚肉を使うと聞いた時には絶句した。これは絶対に許されない。肉じゃがの歴史に背く料理でありこれこそ「豚じゃが」と呼ぶべきだ。
肉じゃがの起源は割りとよく知られている。日露戦争の英雄東郷平八郎元帥が英国留学時に食べたビーフシチューを和風で作らせた料理だ。従って絶対に牛肉でなければならない。
イソップ寓話にこんな話がある。
豚が人間に連れて行かれそうになって泣き叫んだ。それを見た羊が言った。「見苦しい。私は何度も人間に捕まえられたが一度も泣いたことはない。」豚が反論した。「君は毛か乳を取られるだけだが僕は肉を取られる。」
毛を刈られるのと肉を取られるのとでは意味が全然違う。毛を刈られても再生可能だが肉を取られたら命を失う。
牛や羊は植物の葉しか食べない。従って植物は再生する。一方、山羊は植物を根こそぎ食べてしまう。
牛や羊が放牧されても植物は滅びないが山羊の住む土地では緑が失われる。牛や羊は植物と共生できる。ヒンズー教が牛を神聖視するのは牛が殺生をしない動物だからだそうだ。
人間は牛を見習うことができるだろうか。草食においては可能だろう。種と根を守れば植物は再生できる。
動物性蛋白質はどうだろうか。乳を取るだけなら生命を奪うことにはならない。鶏卵も殆んどが無精卵だから命を奪ってはいない。それではタコを飼ってその足を少しずつ切って食べていれば殺生をしない肉食は可能だろうか。タコを草食化することは多分不可能だからタコの飼育のためには他の生命を犠牲にせざるを得ない。
豚が人間に連れて行かれそうになって泣き叫んだ。それを見た羊が言った。「見苦しい。私は何度も人間に捕まえられたが一度も泣いたことはない。」豚が反論した。「君は毛か乳を取られるだけだが僕は肉を取られる。」
毛を刈られるのと肉を取られるのとでは意味が全然違う。毛を刈られても再生可能だが肉を取られたら命を失う。
牛や羊は植物の葉しか食べない。従って植物は再生する。一方、山羊は植物を根こそぎ食べてしまう。
牛や羊が放牧されても植物は滅びないが山羊の住む土地では緑が失われる。牛や羊は植物と共生できる。ヒンズー教が牛を神聖視するのは牛が殺生をしない動物だからだそうだ。
人間は牛を見習うことができるだろうか。草食においては可能だろう。種と根を守れば植物は再生できる。
動物性蛋白質はどうだろうか。乳を取るだけなら生命を奪うことにはならない。鶏卵も殆んどが無精卵だから命を奪ってはいない。それではタコを飼ってその足を少しずつ切って食べていれば殺生をしない肉食は可能だろうか。タコを草食化することは多分不可能だからタコの飼育のためには他の生命を犠牲にせざるを得ない。
大半の動物は体内でビタミンCを合成することができる。ビタミンCを合成できないのは霊長類・ゾウ・モルモット・フルーツコウモリ・メダカなどだけとのことだ。
何と奇妙な取り合わせだろうか。進化の系統樹とは全く無関係に点在している。こんな奇妙な進化が起こったのは食物が原因だろう。ビタミンCの豊富な物を常食していれば体内でわざわざ合成する必要がなくなるのでその機能を失ったのだろう。
このことから人類の祖先の主食は果物だったと思われる。人類が肉や魚を食べる雑食動物になったのは火の使い方を知ってからだろう。なぜなら生肉や生魚を食べるという食文化は一部の民族にしか存在しないからだ。生肉食はイヌイット(エスキモー)の食文化以外では馬刺しとユッケと生肝ぐらいしか私は知らない。生魚を常食したのは日本人だけだろう。
肉や魚を加熱して食べるようになってから人類の食生活は飛躍的に向上した。果物以外に動物性蛋白質を食べれば摂取カロリーは激増する。肉や魚を食べるようになってから脳が大幅に発達したと思われる。人間の脳は体重の2%に過ぎないのにエネルギーの20%を使う最も非効率な器官だ。こんな非効率な器官を発達させるためには充分なエネルギー源が不可欠だ。
脳が発達したから豊かな食生活になったのではなく、食生活の向上が脳の発達を促したと言える。衣食足りて礼節を知るようなものだろうか。
何と奇妙な取り合わせだろうか。進化の系統樹とは全く無関係に点在している。こんな奇妙な進化が起こったのは食物が原因だろう。ビタミンCの豊富な物を常食していれば体内でわざわざ合成する必要がなくなるのでその機能を失ったのだろう。
このことから人類の祖先の主食は果物だったと思われる。人類が肉や魚を食べる雑食動物になったのは火の使い方を知ってからだろう。なぜなら生肉や生魚を食べるという食文化は一部の民族にしか存在しないからだ。生肉食はイヌイット(エスキモー)の食文化以外では馬刺しとユッケと生肝ぐらいしか私は知らない。生魚を常食したのは日本人だけだろう。
肉や魚を加熱して食べるようになってから人類の食生活は飛躍的に向上した。果物以外に動物性蛋白質を食べれば摂取カロリーは激増する。肉や魚を食べるようになってから脳が大幅に発達したと思われる。人間の脳は体重の2%に過ぎないのにエネルギーの20%を使う最も非効率な器官だ。こんな非効率な器官を発達させるためには充分なエネルギー源が不可欠だ。
脳が発達したから豊かな食生活になったのではなく、食生活の向上が脳の発達を促したと言える。衣食足りて礼節を知るようなものだろうか。