俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

センター

2011-11-04 15:37:18 | Weblog
 先日、エド・サリバン・ショーでのビートルズの映像を見て驚いた。中央にジョージ・ハリスンがいたからだ。そしてジョージの前にはマイクが無く、左右のポールとジョンの前にだけマイクがあった。ジョージはセンターにいながら脇役だった。
 ビートルズのメンバーが普通どう並んでいたかよく覚えていない。確かなのは左利きのポールが常に左端にいたということだけだ。
 センターを意識させたのはキャンディーズが最初ではないだろうか。当初はスーちゃんが中央にいたがその後ランちゃんに代わると共にメインヴォーカリストも代わった。
 AKB48はもっと極端だ。誰が最前列のセンターを取るかを決めるために人気投票まで行っている。
 しかしセンターはそれほど大事だろうか。通販業界には「Zの法則」という言葉がある。つまりカタログ見開きページの上下左右の4隅が注目されるという意味だ。売りたい商品や売れている商品を4隅に置くことは通販カタログ作りでの常識とされている。新聞や雑誌の見出しは右上だ。中央の見出しは目立たない。
 中央重視は一種の思い込みではないだろうか。中央は意外と目立たない。ビートルズのように両脇に主役を据えるという手法も充分あり得る。

地域エゴ

2011-11-04 15:24:47 | Weblog
 東北地方の瓦礫の処理が進まない。今のところ東京都以外は瓦礫処理を受け入れていない。
 東北の復旧・復興のためには瓦礫の処理が最初の課題だ。瓦礫を取り除かないことには何もできない。瓦礫を県内で処理することは不可能だ。岩手・宮城の両県だけで2000万tもあるそうだ。日本全国で分担しなければ処理できないことは明らかだ。
 それでも受け入れようとしない。放射能が怖いからだと言う。福島県の瓦礫ならともかく岩手・宮城の瓦礫の放射能汚染など高が知れている。それでも受け入れないのは自分達の住む土地の汚染度を0.1マイクロシーベルトさえ高めたくないからだ。
 「地域の安全を守る」という口実で東北差別が横行している。岩手県の松や福島県の花火などが拒絶された。これらがどの程度危険だと言うのだろうか。「被災地の野菜を買おう」と呼び掛けながら自分では買わないような偽善者ばかりだ。口先だけの支援アピールなど要らない。被災地支援は国民の義務だ。権利の主張は謹んで貰いたい。
 私は、岩手・宮城の瓦礫処理を拒否する自治体に福島県の瓦礫を押し付けることを提案したい。そうすれば多分、雪崩を打つように先を争って岩手・宮城の瓦礫を受け入れるだろう。情けないことだ。

マスコミの堕落

2011-11-04 15:08:09 | Weblog
 10月31日に内閣府の政務官が原発汚染水を浄化した水を飲まされた。敢えて「飲まされた」と表現する。記者が強制したからだ。
 この水は福島第一原発に溜っていた水を浄化したもので敷地内での散水などに使われていた。この水について「安全か」と問い「安全だ」と答えると「安全なら飲んで見せろ」と強いたことからこんな事態となった。
 安全性と飲めるかどうかは別問題だ。これは池の水を安全だと言った人に「飲め」と強いるようなものだ。水道水が放射能汚染されている時に「安全だ」と主張する人に飲ませるのなら構わない。水道水は飲用だからだ。しかし池の水の安全性を主張する人に飲ませようとするのは暴挙だ。
 先日、小沢一郎氏の記者会見で「説明責任を果たさないのか」と質問した記者がいた。ところが小沢氏から「君はどう考えているのか」と質されると沈黙してしまった。逆襲があるとは予想していなかったのだろうが、だらしない記者だ。ここで更に一押しすれば、建前論に終始しようとする小沢氏の本音に迫れる千載一遇の機会だっただけにみすみす取り逃がしてしまったのは残念だ。
 かつて雪印乳業の集団食中毒事件の際に記者の質問に答えずに「寝てないんだ」と言って立ち去ろうとする社長に「俺達も寝てないんだ」と絶妙の切り返しをした記者がいた。このやり取りは視聴者に強烈な印象を残した。
 マスコミは政治家や官僚の堕落を指摘するがマスコミの堕落も同程度に酷いものだ。権力が腐敗するということを自戒すべきだ。