俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

草食動物

2011-11-25 13:30:52 | Weblog
 「ライオンはねている」という歌があった。「ライオンは寝ている」と読むのが正しい。これを「ライオン跳ねている」と読んだディスクジョッキーがいたそうだ。旧中山道を「一日中 山道」と読んだ女子アナには及ばないものの話題になった誤読だ。
 実際の話ライオンは寝ていることが多い。摂食・交尾・排泄時以外は殆んど寝ている。肉食動物は栄養価の高い肉を食べているので摂食のために必要な時間は少しで済む。だから寝ている時間ばかりが増える。
 草食動物は大半の時間を摂食に費やす。草や葉は栄養価が低いのでそれをエネルギー源とする草食動物は沢山の植物を食べねばならないので多くの時間を摂食活動に割かざるを得ない。食べるために生きているようなものだ。
 人類の祖先は木登りができたので主に果実を食べていたと思われる。果実は草や葉と比べて遙かに栄養価が高いので摂食時間を他の草食動物より短縮できた。原人類は余った時間を眠りではなく遊びなどの活動に使ったから知力が発達したのだろう。

消費税増税(2)

2011-11-25 13:18:34 | Weblog
 消費税が増税された時には非課税事業で大きな問題が生じる。非課税事業なら影響は少ないと考えるのは大間違いだ。むしろ非課税事業のほうが大変だ。医療・教育・福祉などが非課税事業でありこれらは例外であるために消費税制度の矛盾に曝される。
 一般の事業なら販売時点で顧客から消費税を徴収できるので仕入の消費税を負担せずに済む。販売価格に転嫁できるからだ。ところが医療などの非課税事業では消費税を徴収できないので負担だけが増える。消費税率が10%になればそれまで1,050円で仕入れていた医療器具も事務用品も1,100円になる。もし医療費がそのままなら経費だけが嵩むことになる。今でも低賃金が問題になっている介護士の給料は更に下げられることになるだろう。
 消費税増税に合わせて診療報酬や授業料などを値上げしないと事業収支が悪化する。しかし便乗値上げと誤解され易いので充分な値上げは難しいだろう。
 民主党は消費税増税を公言しながら診療報酬の引き下げを検討している。出鱈目だ。消費税の問題点を理解していない。こんなことをすれば医療制度は崩壊する。

共同幻想

2011-11-25 13:02:34 | Weblog
 社会は共同幻想に基づいて成立している。つまり偏見の塊りだ。共同幻想が上手く働いているならそれは承認されねばならない。それが論理的あるいは倫理的に正しいかどうかではなく共同幻想として社会の秩序に役立っているからだ。奴隷制や君主制は現代の価値観で見れば変な制度だが当時の共同幻想には適っていた。キリスト教徒はムスリムを警戒しムスリムの側ではキリスト教徒を警戒する。お互いに異なった共同幻想を持っているからだ。
 自分が所属する社会の共同幻想を真っ向から否定すれば社会から排除されるので社会批判においては適切なポジショニングを取ることが必要だ。人々が薄々感じていることを発言すれば賛同を得られるが誰も疑問を感じていない時に共同幻想を否定したら狂人扱いをされてしまう。
 統合失調症や認知症に罹ると自分と周囲とのバランスが崩れる。自分を客観視できなくなる。統合失調症や認知症が怖いのは病識が無いことだ。つまり自分が病気だという自覚が無いから自分の偏見は正しく周囲の偏見(=共同幻想)は間違いだという考えしか持てなくなる。これでは麻原彰晃やドン・キホーテになってしまう。
 阿呆は自分以外の人を阿呆だと思うし、狂人は自分以外の人を狂人だと信じる。犬は猫のことを狂った動物だと考えていることだろう。