俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

一方通行

2012-02-21 15:22:00 | Weblog
 松山市では昨日(20日)まで自転車を一方通行させる社会実験が行われたそうだ。良いことだと思う。歩道の自転車が危険なのは後ろからも前からも突っ込んで来るからだ。自転車の流れが一方向になれば歩行者は少なからず安全になる。
 このことにケチを付けるつもりは無いが、実は道路交通法上では既に一方通行が義務付けられている。自転車は左側通行をして歩道では車道寄りを徐行せねばならないと定められている。これが全然守られていないから松山市での実験はそれなりに意味がある。
 しかし法が守られていないからという理由で、守り得るルールを定めることは正当だろうか。法律である以上、守らせるのが当然であり、守れないような不合理な法であるなら改正すべきだろう。ザル法は有害無益だ。
 自転車のルールは警察官でさえ守っていない。警官の乗った自転車が右側の歩道の真ん中を堂々と走っている。タテマエの法律など廃棄して現実的な法律に改めるべきだろう。無法状態が最悪だ。
 中国では「上に政策あれば下に対策あり」として法律が済し崩しにされ勝ちだ。悪法ならそれも良かろう。しかし市民を守るための法律がご都合主義で運用されるようでは法治国家とは言えまい。放置国家か呆痴国家だ。

北国のサル

2012-02-21 15:07:02 | Weblog
 青森県に棲むニホンザルは世界最北端に棲むサルだそうだ。霊長類は決して寒さに強い動物ではない。吹雪くと密集してお互いを暖め合うし温泉で暖を取ることもある。
 人類も決して寒さに強くない。衣服や暖房が無ければ生きられない。寒冷地に住む人は冬の間は屋内に籠り勝ちだ。
 ではどうしてシベリアやアラスカにまで人が住むのだろうか。獲物がいたからだ。寒さに強い動物が北国にはいるからそれを求めて入植したのだろう。獲物のためなら寒さも厭わない。
 人類は暑さにも強くない。夏が大嫌いな人は少なくないし老人の死亡率は夏と冬に高まる。しかし日本の夏は元々は今ほど暑くはなかった。地球温暖化のせいではなくヒートアイランド現象によるものだ。植物を減らしアスファルトとコンクリートで固めて冷房をするからだ。
 冷房は高温化を促す。屋内の熱を電気やガスのエネルギーを使って屋外へ追い出すだけなので追い出されるエネルギーは元のエネルギー量よりも多くなる。冷房は屋内を冷やすのと同時に屋外を暖める。
 今、最も住み易い土地は潮岬かも知れない。本州最南端に位置するが海洋性気候なので夏は大阪よりもずっと涼しいし冬は暖かい。
 人類にとって最も快適な「常春」や「常秋」の地は地球上には無い。「常冬」よりは常夏の地か四季のある温帯のほうが住み易い。

フェロモン

2012-02-21 14:51:09 | Weblog
 フェロモンは性ホルモンが作る匂いだと言われている。雌の発するフェロモンは雄を、雄のフェロモンは雌を引き付ける。
 ここで疑問が生じる。なぜ雄と雌とで好みが分かれるのだろうか。雌雄が同じ匂いを好んでも不思議ではない筈だ。蚊のように雌だけが人間の血を吸う虫もいるが雌雄による好みの違いは殆んど見受けられない。せいぜい人類の雌の味覚において甘みを好む傾向が見られるぐらいだ。
 この謎を解く鍵は嗅覚の特殊性にあると思われる。嗅覚は同じ匂いを知覚し続けることができない。同じ匂いを長時間嗅いでいるとその匂いに対する感受性が麻痺する。この特性は視覚や聴覚とは顕著に異なる。明るい光や大きな音に長時間晒されていてもその周波数に対する感受性が麻痺することは無い。
 ユダヤ人には「我が身が臭ければ匂わない」という諺がある。自分の匂いには始終晒されているので知覚できなくなる。多分、犬でさえ自分の体臭を知覚することはできないだろう。雌のフェロモンを雌が共通して持っていれば雌には知覚できなくなる。雄についても同様だ。だから異性のフェロモンしか知覚できない。
 自然界には同性愛は無い。それは違うフェロモンを発する個体にしか引かれないからだろう。人類のみに同性愛が存在するのは人工的な匂いが蔓延しているからではないだろうか。