俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

原発水没

2012-06-19 14:33:51 | Weblog
 16日放送の「世界不思議発見」で富山湾に海底林があることを知った。なぜ海底林があるのか。番組ではジワジワと水没したように説明していたがそれはあり得ない。ジワジワと沈めば途中で木が腐ってしまう。瞬時に冷水域まで沈んだからこそ腐らずに残っているのだろう。
 ではなぜ瞬時に沈んだのか。地殻変動、つまり大地震による大陥没以外は考えられない。これは恐ろしいことだ。太平洋側だけではなく日本海側にも巨大地震と大陥没の危険性があるということだ。
 かつて実際に起こったように、原発所在地が水没したらどうなるだろうか。水に浸かれば冷却されるから福島第一原発のような大事故にはならないと考えるのは余りにも楽観的過ぎる。制御不可能になることによって何が起こるのかは私のような素人には分らないが、少なくとも物凄い放射能汚染が起こることは間違い無い。大量の核燃料を保管する原発の水没は大量の核物質を海に捨てるのと同じことであり、史上最悪の海洋汚染となる。日本海はその後、10万年に亘って死の海となるだろう。日本海沿岸の原発がこれほど危険とはこれまで思わなかった。原発が水没したら政府は何と説明するだろうか。津波は想定できたが水没は想定外だった・・・。何とも懲りない面々だ。

情報公開

2012-06-19 14:20:30 | Weblog
 日本では必要な情報は公開されず、公開すべきでない情報が垂れ流されているように思える。
 オウム真理教の菊地直子容疑者の逮捕を知って高橋克也容疑者は逃亡を始めた。もしこの逮捕が報道されていなかったら高橋容疑者の逮捕はずっと早く簡単だっただろう。高橋容疑者を逮捕するまでは、菊地容疑者の逮捕は報道すべきではなかった。
 逆に原発事故関連の情報は異様に隠されている。汚染地図の隠蔽はSPEEDIの情報だけかと思っていたがアメリカから提供された実測情報まで隠蔽されていたとは驚きだ。3月18日と20日に提供された汚染地図では、高汚染地域が原発から北西方向に広がっており、被災者にとっては極めて重要な情報だった。SPEEDIの情報が公開されなかったのは推定値だからだと言われている。つまり推定に基づく不正確な情報を公開したら誤った対応を招きかねないという理屈だ。
 ではなぜ確実な実測値を隠蔽したのだろうか。「民は之に由らしむべし、之を知らしむべからず」という理屈以外は考えられない。情報は支配するための道具に過ぎず、政府の基本姿勢は愚民政策だ。こんな政府の意向に沿うマスコミは御用新聞と御用テレビだ。

発癌性

2012-06-19 14:06:24 | Weblog
 大阪市内のある印刷会社で胆管癌の犠牲者が相次いでいる。印刷機に着いたインクを拭き取るための洗浄剤が原因らしく、他の印刷会社でも同様の被害者が出ているようだ。洗浄剤に使われていたジクロロメタンは発癌性があるとして2001年に使用禁止にされて今ではジクロロプロパンに切り替えられているが、その後も胆管癌の患者は途絶えていない。
 こんな明白な発癌性物質こそマスコミは大々的に取り上げるべきだろう。印刷会社という業界内での惨事ではあるが日本全国には多数の印刷会社があり、関係者は何万人もいるだろう。
 マスコミは概して偽の発癌性物質ばかり騒ぎ立てる。魚や米のコゲとかダイオキシンなどについて騒ぎ立てたがこれらは殆んどが濡れ衣だった。煙草の発癌性を騒ぐが排気ガスのほうが遙かに危険であることは報じない。
 発癌のメカニズムはまだ充分には解明されていない。そのためにマスコミは安易に「発癌性の疑い」というレッテルを貼る。無責任なレッテル貼りが許されるのは、「発癌性が無い」ということを証明することが極めて困難だからだ。コーヒーだろうと肉だろうと発癌の可能性を否定できない。しかし危険性の極めて乏しい物についてセンセーショナルに騒ぐのはやめて、本当に危険な物について詳しく報道すべきだろう。