俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

食品券

2012-06-22 17:55:47 | Weblog
 生活保護費や年金の受給者の中にはギャンブル依存症やアルコール依存症の人がいる。彼らは受給額の多くをギャンブルや酒に使ってしまうから普通の受給者よりも悲惨な境遇に陥ることが多い。競馬が飯よりも好きな人が食費を削ってでも競馬に金を注ぎ込んでしまうのは当然のことだろう。これは現金で支給するから間違った使い方をしてしまうのであり、支給額の一部をアルコール飲料には使えず釣銭の出ない食品券で支給することによって強制的に生活改善を促すことができるのではないだろうか。
 こんなやり方は個人の自由を侵害するものだと考える人もいるだろうが、福祉として受け取る金の使途が制限されるのはやむを得まい。この場合、換金されないことが肝心だ。金券ショップや暴力団などに売られたらこの制度は骨抜きになってしまう。この食品券には使用者名を予め記入して身分証明書を提示することを義務付ければ大半の不正使用を防止できるだろう。
 勿論、これで不正使用が無くなるとは思わない。抜け道は幾らでもある。それでも90%以上は正しく使用されることになるだろう。完璧な制度など不可能なのだからベストではなくベターであっても充分だろう。少なくとも今よりは良くなる。

発癌性の疑い

2012-06-22 17:42:46 | Weblog
 マスコミが好んで使う「発癌性の疑い」は困った言葉だ。発癌のメカニズムは複雑であり未だ充分には解明されていないし、発症までに何年も掛るので何であろうとこの疑惑の対象になる。
 さすがに水に発癌性があると主張する人はいないが、水道水なら発癌性を疑うことができる。古い水道管には鉛が使われていたし、現在でも塩素で殺菌している。塩素が癌を誘発しないと証明できる人はいない。
 野菜も発癌性があると主張できる。勿論、一部の例外を除いて野菜そのものに発癌性は無い。しかし残留農薬の問題がある。農薬の発癌性は確認されているのだから野菜に発癌性があるという主張は妥当性を持つ。
 二分法を使えば何でも危険物になる。危険と安全の間にはグレーゾーンがある。危険性が少しでもあれば危険物と見なすなら何でも発癌性の疑いがある物になってしまう。限りなく0に近い疑いまで騒ぎ立てれば本当に危険な物が何なのかが分からなくなってしまう。「発癌性の疑い」という無責任な言葉で世間を騒がすのはやめて、本当に危険な物に警鐘を鳴らすという役割に徹して貰いたいと切に願う。

精神障害者

2012-06-22 17:25:09 | Weblog
 来年にも精神障害者の雇用が義務付けられるようだ。これまでに身体障害者や知的障害者の雇用が義務付けられていたが精神障害者の雇用となると事情は大いに異なる。これは雇用しない企業から罰金を取ることを狙った実質的増税ではないかとさえ思える。
 身体障害者と知的障害者を部下として使ったことがある。身体障害者は片足が義足の男性で、充分な事務能力があったので事務仕事なら何でも任せられる人材だった。知的障害者の男性は集団作業に就かせた。
 精神障害者も2人いた。一人は統合失調症と思われる女性で、発作が起こると手が付けられず、遠巻きに見守って発作が治まるのを待つしか無かった。結局、人事預かりとなりその後、退職した。
 もう一人は鬱病で、鬱状態でなければ普通に仕事をこなせるのだが、鬱状態になると出勤できなくなる。ある日突然、出勤できなくなりいつ復帰できるのか全く分からないので集団作業以外は任せられなかった。結局、彼も退職した。
 てんかんの人も社内にいた。会議中に発作を起こして救急車で病院に運ばれるという騒動もあった。前の2つの精神病と比べれば随分使えそうだが、業務として自動車などを運転させることはできない。
 殆どの企業では就業規則等で、精神障害者は解雇できると定めている。それ程、厄介な存在だ。
 精神障害者の雇用を義務付けるよりは出所者の雇用のほうがずっと現実的ではないだろうか。犯罪者は決して更生不可能は根っからの悪人ばかりではない。出所者に職を与えることは再犯の予防にもなる。