資源が有限であればゼロ・サムになる。誰かが多くを取れば他の人の取り分は少なくなる。資源の絶対量が足りなければ公平に分配しても全員が不満を持つことになる。こんな状況では競争で勝つか競争相手を減らすかしか無い。これが「パイの奪い合い」の状態だ。
日本の経済はこの20年間成長しなかった。成長しない中で人口が増えたのだから当然一人当たりの資産は減る。これが「コップの中での争い」を招き、一方では少しでも多く取ろうとする者、その一方では格差の拡大を非難する者、つまり富裕者層から資産を奪おうとする者が現れた。皆が「吾、唯、足るを知る」の境地に達すればこんな争いは起こらないのだが、聖人君子になれる人ばかりではない。
殆んどの人を満足させるには2つの方法しか無い。1つは日本の資産は現状のままで人口を減らすことだ。人口が減れば分け前が増える。私はこれを支持するが賛同してくれる人は余りいない。
もう1つは一時期は軽蔑されていたGDPの拡大、つまり成長戦略だ。池田内閣の所得倍増計画のように国が成長すれば国民の収入も増える。今、日本はこれを目指している。パイが大きくなりさえすれば、たとえ今のままの不公平な配分率であろうとも個人の取り分が増える。
中国が多くの矛盾を抱えながらも何とか秩序を保っているのは経済が成長しているからだ。しかしこのことは経済の成長が止まれば不満が爆発するという危険性を孕んでいる。危険な自転車操業のようなものだ。
ゲーム理論には「容疑者のジレンマ」という良く知られた話がある。共犯と思われる二人の容疑者がいてお互いに相手の犯罪について証言をすれば罪が減免されるという条件が与えられている。両者が相手を無罪だと主張すれば二人とも無罪になれるのだが、自分だけが罪を被せられることを嫌って共倒れになることが多いそうだ。
この容疑者のようにこの20年間、日本人は足の引っ張り合いをしてお互いに損をしていた。助け合いの精神を取り戻せば未来は明るい・・・?
日本の経済はこの20年間成長しなかった。成長しない中で人口が増えたのだから当然一人当たりの資産は減る。これが「コップの中での争い」を招き、一方では少しでも多く取ろうとする者、その一方では格差の拡大を非難する者、つまり富裕者層から資産を奪おうとする者が現れた。皆が「吾、唯、足るを知る」の境地に達すればこんな争いは起こらないのだが、聖人君子になれる人ばかりではない。
殆んどの人を満足させるには2つの方法しか無い。1つは日本の資産は現状のままで人口を減らすことだ。人口が減れば分け前が増える。私はこれを支持するが賛同してくれる人は余りいない。
もう1つは一時期は軽蔑されていたGDPの拡大、つまり成長戦略だ。池田内閣の所得倍増計画のように国が成長すれば国民の収入も増える。今、日本はこれを目指している。パイが大きくなりさえすれば、たとえ今のままの不公平な配分率であろうとも個人の取り分が増える。
中国が多くの矛盾を抱えながらも何とか秩序を保っているのは経済が成長しているからだ。しかしこのことは経済の成長が止まれば不満が爆発するという危険性を孕んでいる。危険な自転車操業のようなものだ。
ゲーム理論には「容疑者のジレンマ」という良く知られた話がある。共犯と思われる二人の容疑者がいてお互いに相手の犯罪について証言をすれば罪が減免されるという条件が与えられている。両者が相手を無罪だと主張すれば二人とも無罪になれるのだが、自分だけが罪を被せられることを嫌って共倒れになることが多いそうだ。
この容疑者のようにこの20年間、日本人は足の引っ張り合いをしてお互いに損をしていた。助け合いの精神を取り戻せば未来は明るい・・・?